
【NBA】ルカ・ドンチッチは“次世代のカリー”へ進化したのか?3ポイント試投数から見る異常なプレイスタイル変革
近年、NBAのオフェンス戦術は3ポイントシュートを中心に回り続けていますが、今シーズン、その常識をさらに塗り替える驚異的なデータが飛び込んできました。
リーグ屈指のスーパースター、ルカ・ドンチッチ(ロサンゼルス・レイカーズ)のプレイスタイルが、これまでのキャリアとは一線を画すレベルで「外重心」へと完全シフトしているのです。
最新のスタッツをもとに、彼の進化の全貌を3つの章で紐解きます。
第1章:カリーを超えるボリューム?驚異の2026–27シーズン開幕スタッツ
「ルカ・ドンチッチが、2点シュートよりも3点シュートを多く打っている」
そんな噂を耳にした方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、これは紛れもない事実です。それどころか、あの“史上最高のシューター”ステフィン・カリーの割合すらも凌駕する勢いを見せています。
最新のNBA.comのデータ(2026年11月6日時点)に基づく、今シーズンの1試合平均試投数比較がこちらです。

驚くべきは、全体のシュート試投数における3ポイントシュートの割合(3PA%)です。カリーの57.7%に対し、ドンチッチは58.0%とカリーを上回るハイボリュームで外から打ち続けています。さらに成功率も43.1%と、キャリアハイの超高効率を叩き出しています。
第2章:ダラス時代からの軌跡。データで見る「外重心」へのステップアップ
ドンチッチはもともと、これほど3Pシュートばかりを打つ選手ではありませんでした。ダラス・マーベリックス時代のルーキーイヤーから現在に至るまでの、1試合平均の試投数推移を振り返ると、その変化は一目瞭然です。

初期〜中期のスタイル: 2022–23シーズンまでは2P試投数が平均13本を超えており、強靭なフィジカルを活かしたインサイドへのドライブや、ミドルレンジ、ポストアップがオフェンスの主軸でした。
変革のハイライト: 初の得点王に輝いた2023–24シーズンに、初めて3P試投数が平均10本の大台を突破(10.63本)。この頃から外へのシフトが本格化します。
今シーズンの異変: 2026–27シーズンに入り、2P試投数がキャリア初の10本未満(9.88本)に減少した一方で、3P試投数は13.63本へ爆発的に増加。完全な「ペリメーターシューター」へと変貌を遂げました。
第3章:なぜ止められないのか?ドンチッチ流「ステップバック3P」の物理学
分かっていても止められない。それがドンチッチの3ポイント、特に彼の代名詞である「ステップバック3P」です。カリーのように激しくコートを走り回るスタイルとは異なり、ドンチッチは「ボールを持った状態(アイソレーション)」から自力でシュートスペースを作り出します。
彼がこれほどの高効率でプルアップ(ドリブルからのシュート)で3Pを沈められる理由は、主に3つの要素にあります。
世界屈指の「減速力(ディセレーション)」
ドンチッチの凄さはスピードではなく「一瞬でゼロに止まる・後ろに下がる」能力です。トップスピードから急ブレーキを踏むため、マークマンは慣性で置き去りにされ、目の前に広大なスペースが生まれます。203cm・104kgのサイズ優位性
ガードとしては圧倒的な巨体を誇るため、DFはドライブを警戒して一歩引かざるを得ません。その心理を突き、わずか数センチ重心が後ろに下がった隙を見逃さずにステップバックを放ちます。打点も高いため、DFのチェックが届きません。超遠距離(ディープレンジ)からの爆撃
彼のシュートの多くは、通常の3Pラインよりもはるか後方から放たれます。DFが警戒エリアを広げざるを得ないため、ハーフコート全体のディフェンスが崩壊する原因となっています。
まとめ:進化を続けるスコアリングマシーン
レイカーズ移籍を経て、完全にオフェンスの第一選択肢を3ポイントへとシフトさせたルカ・ドンチッチ。現在は平均38.5得点を記録し、リーグのスコアリングリーダーとして君臨しています。
インサイドの絶対的な支配力に加え、カリー級の長距離砲を手に入れた27歳の若き天才は、一体どこまでスタッツを伸ばしていくのか。今シーズンの彼のプレイから目が離せません。