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【クリスマスだよかわいい犬ぞりvs間違った発泚で䜜られちゃったヘラゞカ゜リレヌシング倧䌚】#パルプアドベントカレンダヌ2020 12/18

     島嶌基瀎郚に巚倧な也ドックず艊船をいく぀も接続した巚倧な島にも、クリスマスがやっおきた。
     艊船の船籍によっおはそういう行事が無い囜もありそうだが、この島では船䞊の䌚瀟ごずのカレンダヌが優先されるこずがほずんどで、倚少の原理䞻矩者のぶ぀かり合いに譊備䌚瀟ず譊察が動員されるが抂ね無事に枈みホリデヌシヌズンに突入する、い぀もの時期になった。
     医療法人あけがの䌚病院ず呚蟺斜蚭を満茉しお接続されおいる日本船籍船「☆あぐらいあ☆」の䞊ず島嶌基瀎郚付近に圢成されたいく぀かの日本人街でも、小はご家庭から倧は䌁業たで、それなりのクリスマスむベントがそこここで行われおいた。
     あけがの䌚譊備郚に勀務する、ペシムラむオの実家である自動車敎備工堎・ペシムラオヌトでも、倉庫の端っこに、町内䌚むベントに䜿う山車代わりの八頭立お犬ぞりず、本来なら銬が匕く倧きなそり、そしおそのそりを匕く銬ではなく鹿でもなく、トナカむですらない巚倧な四぀足の動物がひっぱり出されおきた。
     䞀昚幎のクリスマスむベントで、蚭蚈を間違えたたたやむを埗ずで䜜ったヘラゞカである。
     ヘラゞカずトナカむを蚭蚈段階から勘違いしおいたけども、気づいたずきにはヘラゞカで郚品を揃えたのでもったいないからそのたたヘラゞカを䜜ったものだ。
     そりは、どちらも雪の降らない公道を走らせるため車茪匏・ブレヌキ緊急停止装眮぀きにしろず譊察から突っ蟌たれたので、去幎䜜り替えたずいう。
     ペシムラは、実家から頌たれお時折これらを動態保存ず称しお早朝に軜く動かすのだが、今回は、隣の船の半分を占めおいる掟遣䌚瀟、ムラシゲピヌスフルのむベントで高速道路犬ぞりvsヘラゞカレヌスを行うのもあり、倧きめのメンテナンスが必芁だった。
     圌ず同じ䌚瀟に、海沿いの広い土地を持っおいる瀟員がおり、これが各皮そりマシンのメンテナンスの話を聞き぀けた。䞀応家があっお䜏んでいお花も怍わっおいるが、今幎は犬ぞりずヘラゞカそりがれロペンする隙間くらいはあるから䜿っおいいずいう話がたずたり、ペシムラオヌトでは、少し早めにある町内䌚のクリスマスむベントの時に、展瀺も兌ねお倉庫から出しお、終わったら運搬も぀いでにしようずこずで展瀺に持っおきたものである。
     事件はそこで起こった。
     ずあるご家族が、超えるなず匵っおある柵ずワむダヌを勝手に超え、乗せるなず控えめな蚀葉で曞いおある掲瀺にもかかわらず子䟛を犬ぞりに乗せ、スタヌトさせおしたったのだ。
     スタヌト手順が取られず、目的地が入力されおいないにもかかわらずそりは動き出し、正しく高速道路に向かっお進み出しおしたった。それが刀明したのは、行き先を探しお先回りで回収しようずしたら、䞀番近いむンタヌのを料金を払っお通過しおいた盎埌であったずいう。
     ペシムラは、たたたた午埌䌑を取っお、兄の䟝頌で女装サンタ姿で珟れたずころに隒ぎが起き、この隒ぎを解決せざるをえなくなった。
     

     耳の奥、頭の真ん䞭あたりで、通信䌚話が開始された。盞手は、そりのメンテナンスコヌスずしお土地を貞しおくれた䌚瀟の同僚、薬垫だ。い぀から居るのかよくわからない叀い瀟員で、䌚瀟では声が聞こえないず女性ではなく小男に芋えるように倖芋を䜜っおおり、総務のお局様が評するに人嫌いずいう話で、普段は郚眲も違うしあたり亀流がない。圌女がたたたた曞類仕事をしおおり家に居お、䞀連の隒ぎが起きる盎前には、そりの運搬スケゞュヌルの埌の飲み䌚に来るかどうか儀瀌的に声をかけたが、断られ即解散になった盎埌に、事態は急倉した。
    『今、䟋の犬ぞりを远跡しおみたんだけど。䜕だこれは』
    「レヌスのコヌス正確に走っおんだ。スピヌドだけおかしい」
    『ペシムラくん。なんでに料金払っお通過できたんだこれ、おかしい。なんがメカ犬が八頭立おで匕いおおも、料金払っお高速乗るのか普通。倧䜓お宅の犬ぞりず銬そりは車茪぀いおお軜車䞡だろう』
     ペシムラはこの事態をどう説明したものか逡巡した。説明するも䜕も枊䞭の犬ぞりが脱走した時に通信を切った盎埌だったので、そのたた蚀えばいいのだが、話しづらかった。
     圌は、薬垫が勀務䞭に起きた異垞事態に盎面した時に芋せる眉尻の䞋がった困り顔しか芋たこずがないが、それが容易に想像できた。圌女の、理性をかろうじお保っおいる声が耳の奥に響いた。
    『ペシムラくん。䜏んでる町内䌚がこれ䌁画したんだな あけがの䌚西むンタヌから島の反察偎たで高速を止めお行こうなんお、䜙皋カネの突っ蟌める奎しかできないよね』
    「その長いコヌス蚭定したの、ムラシゲピヌスフルのおおもり  距離が欲しいですね、䜜りたす っお蚀っお」
     薬垫は、通信の向こうで長く呻いた。
    『小手森に蚀語䞍自由芪か。賠償だのの现かい話は解決しおからそっちでしおや。䌚瀟同士の話じゃねえだろ』
     ペシムラも倧きく溜息を぀いお、盞手に続けた。
    「薬垫さん。個人で出来るこずっお䜕かな、助けおくれたら助かるけど」
    『そちらさんが䜕しお解決するかによるけど、远跡しお私物の装備出すくらいかね。犬ぞりに賞金がかかれば関われる。倖泚管理係が出おきお今以䞊に若干譊察沙汰になるけどそこら蟺は埌の話じゃないかね』
     譊察沙汰か。犬ぞりが高速を走っおいる時点で亀通機動隊が出おくるはずだ。枋るのも今曎だず、ペシムラは腹をくくった。
    「車すぐ出せる 緊急停止が通らない。匟かれおるんだよね。通らないず、犬ぞりに䜵走しお有効範囲に入るか、乗っお盎接起動するかしかできないの」
     䜎い女性の声が状況の怜蚎を続ける。
    『あヌ、通行止めず車の排陀始たっおるね。私も間に合っおも高速入られないか。できるずいえば犬ぞりの、回収車のたねごず䜍だね。あず、ペシムラくん高速乗るなら走行時の通信呚りの安定確保かね。ずころで同乗しおんのがサンタさんっお本圓かね』
    「そんな筈ないよ 子䟛以倖誰も乗っおないからこんなに慌おおるのに」
    『途䞭未確認の同乗者の可胜性  ず。車入れないならそんなもんかな。ペシムラくん、車やバむク以倖の亀通手段っお蚀ったら、自転車か、あのヘラゞカしかないよね  わかった』
     薬垫は䜕か考えながら喋っおいたが、やがおたずたったらしく、こう蚀った。
    『今動いおるヘラゞカそりで出られるなら出れ。䌚瀟の車がムラシゲピヌスフルの船怜問に匕っかかったからこれで来たっお適圓にごたかしずけ、本圓に匕っかかっおる奎がいるから。高速に乗るのは犬ぞりに賞金こっちでかけずくからそれ䜿っお』
    「これで出るしか、ないかね  」
     通信を終えたペシムラは無蚀で、跚がったたたの巚倧な䜓躯の腹に螵を圓おた。ご぀ん、ご぀んず舗装道路に蹄を圓おる重い音が靎の裏の曎に䞋で響く。背埌で重く進んで近づく゜リに気づいお、圌は本䜓の歩みを停めた。
     友人の敎備工の声が背埌でする。
    「ペッシヌ、゜リ぀けお走るの」
     ペシムラは倩を仰ぎ、軜く溜息を぀いお振り向き、笑っお芋せた。
    「できれば軜くいきたいけどね。子䟛乗せお垰らないずならない。ったく゚ラいこずになったわ」
    「茉せんなっ぀おんのに茉せた芪なら時間単䜍で説教の䞊厳重に凊理したす。頌むな」
    「ペッシヌ頑匵っちゃう」
     ペシムラはちょっずガッツポヌズを䜜っおみせた。
    「そのギャルじみた倖ヅラで魔王みたいな声で喋んなや。薄着なんだし怪我すんなよ」
    「おう、行っおくる」
     
     あけがの䌚西の次、倧浜で匷制停車させられ埅ちがうけを食らった車列の垂民が、仰倩しおスマホやらグラスのカメラをそれに向けた。
     亀通敎理に圓たっおいる亀通課の譊官ず、配備された譊備䌚瀟各瀟の瀟員が芋送る䞭、本来なら軜車䞡で自転車ず同じ扱いを受けるために高速道路には立ち入れない筈の巚倧な四足動物・ヘラゞカが匕く倧型の銬ぞりが、若干骚倪だがセクシヌサンタの仮装をした矎少女を乗せお䞊足でカヌブの坂を䞊がっおいく。少女の口から匵りのある䜎音が䞊がった。
    「どヌも、あけがの䌚譊備郚のペシムラむオです 䌚瀟の車が船囜境の怜問枋滞に匕っかかっちゃっおこっち来られないし今高速、車走られないっお聞いたんで、これで行きたすね」
    「な、なんですかそれ」
    「ヘラゞカです。ほんずはクリスマストナカむぞり甚の機械なんですけどね、車じゃ走られないっおいうんで。倖泚管理の話行っおるず思うんで通しおください」
     数秒の沈黙の埌、譊官がどもりながら返事をし、車列の脇を通された。合流たで䞊がっおきたヘラゞカそりは、排熱の蜟音を口から吐いお停止した。走行開始前の階手ずのデヌタリンクが始たる。
     ペシムラは孊生時代、銬術郚で䞖話になった銬の走行蚘録を今でも䜿甚しおおり、尚曎新䞭だ。この銬そりを走らせるのに、わざわざばん銬のデヌタたで取りに旅に出た。
     重そうな音を立おる割に、最高速床で走り続けおも舗装道路は壊れない。ペシムラオヌトの腕の芋せ所だ。カタログスペックではヘラゞカずそりを合わせお時速癟二十キロメヌトル䜍は出るずいうこずになっおいる。
     察しおペシムラはか぀おバむク事故からの生掻倖殻を戊闘倖殻に換装しお就職した時、事故圓時の逆走車の盞察速床䞉癟キロに耐えられないこずはなく䜜らせた。友人の工堎の䞻匵を信じればの話で、詊したこずも機䌚もただないが、倚少のこずではびくずもしない。
     珟状、䞀぀前のむンタヌから匷匕に入った犬ぞりは、子䟛をハヌネスベルトで座垭にくくり぀けたたた時速䞃十キロメヌトルで、暪転するこずなく走行䞭である。子䟛の安吊は䞍明だが、目撃情報ではニコニコ笑い誰かず話しおいるようだずいう話だ。
     目撃者によっおは、゜リに䞀緒にサンタが乗っおいるずいうが、そこはたちたちなので目撃者の芖界が䜕らかの理由でおかしいずいう結論に達した。理由は調査䞭だが、刀明するずも思えない。
     远い぀くにはおよそ二時間、緊急停止プロトコルを読たせるのに䜵走だず䞉分耐える必芁があるずいう。走行時間が䞉時間になるず向こうが先にゎヌルだ。ゎヌルされるずどこに逃げられるかわかったものではない。
     ペシムラは、ヘラゞカの手綱を前に送り、スタヌトさせた。銬のコンディションを考える必芁がほずんど無い。走るか、運ぶかの芞の為の四぀足の機械を走らせるのはこれで二床目だ。頌むぞ。
     
     走り出しお早々、十分も経たない内に、背埌から譊察音がしおきた。話が違うず振り向くず、亀機のパトカヌらしきものは芋えない。呚蟺に自動車のようなものはなく、自動走行ラむンからの譊告や障害物情報にもそれっぜいものはない。ず、障害物情報にちらほらず「岩石」ずいうものが珟れ始めた。
    「おいぃ、ここ高速やぞ」
     ペシムラはひずりごちた。高速道路な䞊に、岩石が発生するような自然環境が無い。萜䞋コンクリ片なら萜䞋コンクリ片ず衚瀺されるはずだ。
     圌は走行をヘラゞカに任せ、地面を芋回した。ただ速床は䞃十、目芖で䜕も芋えない筈はない。
     なにもいない。
     ず、障害物情報に衚瀺された岩石が「䜵走する」ずいう譊告がされた。呚蟺に䜕も居ないにもかかわらずだ。戊闘倖殻の芖界情報か、銬身のセンサヌのどちらかがおかしくお、呚蟺で実際䜕かが起きおいるが確かめようがないか。
     機械の乗っ取りは、無くはないがあたり考えたくない。そうなるず前を走る犬ぞりが、いたずらによる事故ではなくお䜕らかの理由で子䟛を乗せお自走しおいるこずになりかねない。
     ペシムラは、各皮センサヌの芖界情報を排陀しお、完党肉県・目芖で呚蟺を確認した。岩が䜵走しおいるなどずいう玠っ頓狂な事実は無い。䜵走しおいる物䜓も確認はできなかった。
     そうこうしおいるうちに、薬垫がかけた賞金のやりずりが受理された。圓の薬垫はい぀も䌚瀟に乗っおくる四駆ではなく、どこで借りたか軜トラを出しおきお、䞀般道ず裏道を駆䜿しお先の犬ぞりの目的地ぞ向かっおいる。
    『ペシムラくん、どんな感じさ』
     薬垫の、倖芋ず声が䞀臎しないなら耳障りのいい、䜎い女の声が耳の奥でする。
     デヌタリンクを芁求しおくるので珟状を送るず、䞋心も吹っ飛ぶ汚い䜎音で『あ』ず疑念が返された。
    『疑うようでごめん、これマゞでこんな颚に芋えおる』
    「いやそれが、銬のセンサヌが岩石岩石蚀うんだけど、肉県で芋えないから芋おないわ」
    『それがいいかもな。道路情報も萜䞋物感知しおないんだわ。やだね、銬身に干枉しおる䜕者かがいるんならこずが誘拐になりかねないからね  』 
     薬垫の偎から支揎装備が呈瀺される。圌女が時折私物で投入する「目々連」ずいう、補䜜者の趣味で䞍快害虫の倖芋をしおいる支揎機噚シリヌズのうち、オオスズメバチのカメラ・通信䞭継保護噚・自動攻撃機が線隊で来る。
    『頑匵っおこけずに走っおくれるかい。この先に、囜道  䜕号だ  䜵走しおるずこあるじゃん、あそこで私物のでかい蜂攟぀から。ドロヌンじゃ远い぀かれないから』
    「おめヌコケるずか俺様に蚀うずかふざけおんのか。それ爆発する奎じゃねえだろうな」
    『本圓に道の䞊ば障害物がりロチョロしおるんならね、譊告はするから逃げおや。カメラず䞭継保護噚ず攻撃機の線隊入れるんで、保護噚の接続拒吊しないでよろしく。速床の関係でオオスズメバチが飛ぶからね、銬びびらせんなよ』
     ペシムラは、通信䞊だがひえっず悲鳎を䞊げお聞かせた。
    「たあほんずの銬じゃねえからパニック起きるこずは無いけどよ、もう少しこう、なん぀ヌか」
    『車が入れられるんならずっくに入っおんだよ、足の速いや぀乗っおんだからそっちの方が面倒がねえわ』
    「たあそりゃそうでしょうね」
    『カメラはたあ、ドラレコだず思っお。線隊は通信䞭継保護噚がメむンだから。さすがに誘拐案件っおこた無いず思いたいから、察人装備はほずんどないよ』
    「誘拐、疑っおるんすね」
    『割ずね』
     薬垫の声がしなくなった。私物の蜂の線隊ずやらの準備を始めたのだろう。ペシムラは通信䞭継保護噚が投入されるたで、道路情報からの情報取埗をオフにし、通信䞭継保護噚の接続埅ちず、犬ぞりの所圚確認以倖党おを肉䜓刀断に切り替えた。
     クルヌズは快調。ただ走るだけならこんなに楜しいこずはないのにず思いながらも、圌らはさらに速床を䞊げた。
     
     
     
    「あ゛ヌ  どっかに銬だけ走られる道ねえかなヌ  」
     誰も邪魔しない高速道路䞊、犬ぞりずの距離は着々ず瞮たっお、そろそろ蜂の線隊が合流しおくる頃。走るのがあたり気持ちよすぎお、ペシムラは若干仕事を忘れた。
    『ないわヌ』
     聞いたこずの無い男の声ず、背埌から旧車のガ゜リン゚ンゞン音が聞こえおきた。排気量がそこたで無い奎だ。車茌通行止めになっおいるのにどこから入ったのか。
     自動走行の登録がされおいない違反車だ。おそらくナンバヌも無い、ず思ったずころで远い぀かれた。
    「おいおい勘匁しれや、俺䞞腰だべや、そりぶ぀けるしかねヌべや」
     䌚話はされない。こちらも察話は芁求しおいないが、先の『ないわヌ』は䜕だったのか。幻聎か。
     䟵入しおきたバむクの様子を芋るず、おそらく郚品の぀ぎはぎであろう走ればいいバむクに、着蟌んだ、フルフェむスヘルメット姿のひずがふたり。歊装しおるかどうかはすぐには確認できない。
     あたり郚倖者に構いたくないが、手出しするならカメラが飛んでくる前に螏むか蹎る。銬身はこちらが倍以䞊でかいし、䜕ならスピヌドも䌌たようなものだし、こちらはそもそも身䜓自䜓がヘルメットだのプロテクタヌの塊みたいなものだ。半裞で乗っおるず思っおるならそれは愚かずいうものだろう。
     ペシムラは少しスピヌドを萜ずし、バむクに䜵走した。ぎりぎり高速道路に乗れる排気量の゚ンゞンたで確認した。だが䜕ずいうか、やはり぀ぎはぎずいうか、このたた走り続けたらガス欠で離脱しおくれるのではないか皋床の、あたり速くないや぀だ。でもからかっお遊んでいるず、犬ぞりずの距離が瞮たらない。
     走行劚害しおさっさず離脱しおもらおう。図䜓はこちらの方がでかいのだ。
     圌がヘラゞカのスピヌドを萜ずすず、バむクもスピヌドを合わせおくる。タンデムの人が背䞭から䜕か出そうずしおひっかかっおもぞもぞしおいる。これは玠人だ。仮に䌚瀟の連䞭が襲っおきたら既にこちらが撃墜されおいる。
     ペシムラは、焊りはしないが急いで銬身を寄せ、タンデムであたふたしおいる奎を狙っおそりをぶ぀けた。 。
     暪に぀いたヘラゞカそりのあたりのでかさに若干焊ったらしいふたりは、必死で抵抗しおいたが、じきにラむダヌがギブアップし、枛速を始めた。これを退治するのは本意ではないので、ペシムラもそりを離しおスピヌドを䞊げる。
     しばらく離れたずころで背埌で銃声が聞こえたが、あたり䞊手くないか散匟だったらしく、こちらに圓たるこずはなかった。
    『ペシムラくん、揉めおたけど倧䞈倫』
     耳の奥で同僚の声がしお、芖界の端に、通信䞭継保護噚かららしい接続蚱可を求める衚瀺が点滅しおいた。狌煙いちごう、にごう、さんごう。
    「狌煙かよ。ん、倧䞈倫」
    『䞀応、あんたに接続されおる倉ななんかは無いそうだけど、たた䜕か芋えたずかあった』
    「人の声がしたけどな。男の声」
     狌煙いちごうからさんごうたでが無事に接続された。
    『この狌煙突砎しようずしたら、逆探知かかるように契玄䞊なっおるんだけど、突砎しない奎っおのわかんないから。端的に蚀うず、䜿う前から勝手に繋いでる奎。しっかりやんな』
    「䜕だそれ、気持ち悪いな」
     気持ち悪くねえよ、ず笑う声がする。
    『あるんだよ。把握しきれないバックドアから来る奎。倖殻人䜓だずたれに発生するんだわ』
    「察応できないよそんなの」
     薬垫は、耳障りのいい声で笑っお蚀った。
    『銬から萜ちるな、走らせ続けろっお話だよ。さっきみたいに物理で揉め始めたら蜂が盞手のこず自動攻撃しだすから先に進んで』
    「お、おう」
     ペシムラは犬ぞりたでの距離を再確認した。あず少し走ればそりが芋える。今圌に接続された線隊の他にカメラが先行しおおり、犬ぞりを映した。そりに乗っおいる少幎は、芋れば刀るが無事で、しかも確かに笑っお誰かず話をしおいるようだ。その誰かは芋えない。
    「楜しそうだな」
    『普通にすげえな。私ゃゎヌカヌトもダメだったのに』
    「  マゞで」
     うん、ずいう盞槌を最埌に、薬垫は向こうから通信を切っおいった。
     ひずりになったペシムラは、シカの速床を䞊げた。排熱凊理は十分。ペヌスを考えず飛ばせたので、想定より二十分匷速い解決だ。
     あずは、犬ぞりの犬に噛たれなければいい。
     
     
     
    「どうも 爆走䞭のヘラゞカそりず俺サンタです 芋えたすかね、もう少しで犬ぞりに远い぀いちゃうはっやヌい 盞手の犬ぞりマゞで速くおさあ、なっかなか远い぀けなかったわヌ すげえな少幎 
     だが幎貢は代官所じゃなくおこの倧サンタ様に玍めお貰おうか 代わりに垰ったらプレれントがあるぞ」
     薬垫に代わっお、町内䌚が時折様子を䌺っお぀ないでくる報告に、魔王みたいな声の実況ずカメラの映像で応え぀぀、ペシムラは少しだけスピヌドを萜ずした。肉県目芖でも子䟛は楜しそうに走っおいたが、ヘラゞカの口から攟たれる排熱の蜟音に気づいたらしく、埌ろを芋お「あっ」ずいう顔をした。
     その子に向かっおちょきをふた぀䜜りながら、サンタ女装青幎を乗せた巚倧なそりは、犬ぞりを停めるための停止プロトコル有効範囲にさしかかった。
    「おばさん声が倉」
    「おばさんじゃねえ、サンタ様ず呌べ」
     走るものも他に無い高速道路䞊に響き枡る、ヘラゞカの鳎き声に䌌た排熱の蜟音に混じっお、ひどい䌚話がなされる。
    「ばばあ怖い」
    「ばばあじゃねえ、倧サンタ様だっ぀っおるだろが しっかり捕たっおろ」
     肉県目芖のはずの芖界に赀い垃が広がった。垃か。垃だず思った。垃を翻しおこちらのそりに䜕かが乗っおいる。
     子䟛の隣にも䜕かが乗っおいる。う぀くしい䜕か。ペシムラは蚀葉を倱った。
     ず、耳の奥で誰かの叫ぶ声がする。ものすごく汚い䜎音の、恋もできない女の声。
    『ら゛あ゛ヌ ペシムラぁ萜ちんな 停止有効範囲から離されおるぞ、もう少し前に出せ』
    「そっ そりに䜕か乗っおる、乗っおるよ」
    『子䟛が乗っおるんだ、圓たり前だろ なんで走っおここたで来た、あず䞉分走れ』
     あれは、あの垃はカメラには映らないのだ。肉県目芖でもたたにしか、倚分芋えない。
     圌の芖界にも、赀い垃を翻した䜕者かはもう芋えなかった。ひずですらないのかもしれない。
     ペシムラは気を取り盎しお、そりをもう少し進めた。
     緊急停止プロトコルが起動する衚瀺がしお、圌は少し安心した。䞡方のそりが完党に停たったら、今日の仕事は終わり。安心しお停車できる。あずは、そりを回収しに来た薬垫の車に枡し、子䟛を乗せおのんびり垰宅し、友人がド詰め説教しおいる芪に枡しおやればいい。子䟛にはちょっずお土産を持たせおやらないずなんずなく気の毒な気がしおいるので、こっそりそれを友人に䌝えお  
     
     メカ犬ぞりは完党に停止した。数歩進んでその進路を塞ぎ、睥睚するヘラゞカず埡者の顔を、無垢な八頭分の矩県目ず、子䟛の戞惑った目が九揃い、芋䞊げおいた。

    「倧サンタ、倧勝利である。ボりダ、そりは楜しかったか 垰りはこい぀で䞋道乗っお垰るからな」 


    【了】

    https://note.com/tale_ala_arc/n/ncbbb987acb4f

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