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わがままじゃなかった!ASD・ADHDの子どもの困りごとと、家庭でできる20の工夫

    はじめに

    「何度言っても忘れる」

    「予定が変わるとパニックになる」

    「洋服のタグを嫌がる」

    「人が多い場所に行きたがらない」

    発達障害の診断を受けて、子どもの特性について勉強してみたけれど、実際の生活ではどう対応したらいいのか分からない。

    そんなことはありませんか?

    発達障害について知識を得ることと、毎日の生活の中で対応することは、また別の難しさがあります。

    頭では分かっていても、朝の忙しい時間に何度も同じことを言わなければならなかったり、急な予定変更で子どもが混乱したりすると、お母さんも困ってしまいますよね。

    でも、私たち大人には困った行動に見えることも、子ども自身が困っている姿なのかもしれません。

    「どうしてできないの?」

    そう思ったときに、

    「何が難しいんだろう?」

    と考えてみる。

    それだけでも、子どもへの関わり方が変わってくることがあります。

    私は看護師として約30年働き、現在は児童精神科で子どもたちと関わっています。

    この記事では、ASDとADHDの基本的な特性を整理しながら、家庭で試せる20の工夫を紹介します。

    すべてを実践する必要はありません。

    お子さんの様子を思い浮かべながら、合いそうなものを見つけていただけたらと思います。

    1.ASD(自閉スペクトラム症)の特性

    ASDには、主に次のような特徴があります。

    • 人とのコミュニケーションや関わり方に難しさがある

    • 興味や関心に偏りがある

    • 決まった手順や習慣を大切にする

    • 予定の変更や予想外の出来事が苦手

    • 音、光、触覚などの感覚に過敏さや鈍さがある

    これらの特徴がすべてのお子さんに同じように現れるわけではありません。

    例えば、予定の変更が苦手なお子さん。

    明日は公園に行く予定だったのに、雨が降って中止になった。

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    大人なら「雨だから仕方ないね」と思えることでも、子どもにとっては大きな出来事になることがあります。

    楽しみにしていた予定がなくなったことだけでなく、これから何をするのか分からなくなり、不安が強くなる場合もあるからです。
    その結果、泣いたり、怒ったり、動けなくなったりすることがあります。

    ここで大切なのは、表に現れた行動だけでなく、その背景に目を向けることです。

    「予定が変わって嫌だったんだね」

    「公園に行けなくて、どうするのか不安だったのかな」

    そんなふうに考えてみると、対応の糸口が見えてきます。

    もちろん、実際に何がつらかったのかは本人にしか分からないこともあります。

    決めつけずに、落ち着いてから本人の気持ちを確認することも大切です。

    2.ADHD(注意欠如多動症)の特性

    ADHDの特徴は、大きく3つに分けられます。

    不注意

    • 忘れ物やなくし物が多い

    • 気が散りやすい

    • 話を聞き漏らす

    • やりかけのことを忘れる

    • 順序立てて取り組むことが苦手

    多動性

    • じっとしていることが難しい

    • 手足を動かしたり、そわそわしたりする

    • 座っていることが求められる場面で席を離れる

    衝動性

    • 思いついたことをすぐ口にする

    • 順番を待つことが苦手

    • 結果を十分に考える前に行動する

    例えば、宿題を始めたのに、途中で別のことを始めてしまうお子さん。
    「宿題をしなさい」と何度も言われているのに、なかなか終わりません。

    こうした背景には、注意を持続させることや、行動を順序立てて進めることの難しさが関係している場合があります。

    目標に向かって行動を調整する働きを「実行機能」といいます。

    ADHDでは、この実行機能に関する困難が見られることがあります。
    ただし、集中できない理由がすべてADHDとは限りません。
    疲れや睡眠不足、不安、課題の難しさなども影響します。

    「やる気がない」と決めつける前に、何が取り組みにくさにつながっているのかを考えてみたいですね。

    3.ASDとADHDは、どう違うの?

    ASDとADHDでは、困りごとの現れ方に違いがあります。

    例えば、朝の準備が進まない場合。

    ASDの特性が関係しているときには、いつもの手順と違うことや、予定の変更が負担になっているかもしれません。

    ADHDの特性が関係しているときには、途中でほかのことに注意が向いたり、次に何をするのか忘れたりしている可能性があります。

    同じ「準備が進まない」という姿でも、背景が違えば、必要な工夫も変わってきます。

    また、ASDとADHDの両方の特性を持つお子さんもいます。

    だからこそ、
    「ASDだからこう」
    「ADHDだからこう」
    と決めつけるのではなく、目の前のお子さんが何に困っているのかを見ることが大切です。

    診断名は子どもを理解するための手がかりの一つです。

    その子のすべてを説明するものではありません。


    ここまで、ASDとADHDの特性についてお話ししてきました。

    でも、特性が分かったからといって、毎日の困りごとがすぐになくなるわけではありませんよね。

    「何度言ったら分かるの?」

    「どうしてこんなことで怒るの?」

    そんなふうに思ってしまうこともあると思います。

    ここから先の記事では、子どもの困った行動の背景を考えながら、家庭でできる20の工夫を紹介します。

    この記事を読むことで、

    • 子どもが何に困っているのか、考える手がかりが見つかる

    • 何度も注意する前に、試せる方法が分かる

    • 子どもに合った声かけや環境の整え方を考えられる

    • 困ったときに、どう対応すればいいか迷うことが少なくなる

    そんな変化につながればと思っています。

    例えば、何度言っても準備が進まないとき。

    これまでは「早くしなさい!」と繰り返していた場面でも、別の方法を考えられるようになるかもしれません。

    子どもを変えようと頑張る毎日から、子どもに合う方法を探す毎日へ。

    関わり方の引き出しが増えると、ママ自身の気持ちにも少し余裕が生まれるかもしれません。

    全部を一度に変える必要はありません。

    まずは、わが子に合いそうな工夫を一つ見つけるところから始めてみませんか?

    記事の最後には、20の工夫をまとめた「家庭での対応早見表」も用意しました。

    困ったときに、何度でも見返していただけたら嬉しいです。

    この記事が参加している募集

     
     
    不登校の子どもに「どう関わればいい?」と悩むママへ。 現役児童精神科看護師|元不登校の親。 わが子の6年間の不登校経験をもとに、親子の関係を大切にした関わり方を発信しています。 不登校・発達凸凹に関する記事を掲載中。

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