富裕層は見た目ではわからない
欧米の富裕層、というと
一体どんなイメージでしょうか?
映画に出てきそうなシックな紳士?
シャネルのスーツが似合う女性?
特にフランス人で富裕層と言われると
日本の一般人とは全く異なる
華やかな人たちを想像するのでは
ないでしょうか。
私はこれまで10年ほど
フランス語と英語の通訳ガイドとして
活動し、その中には注意書きに「※VIP」と
書かれている方々もいらっしゃいました。
VIPかぁ・・・
一体どんな人なんだろう。
そう思うと夜も眠れません。
往々にしてVIPというのは要求が多く
色々大変な人たちだからです。
ドキドキしながらホテルに
到着し、どの人かなぁ?あの人か?と
お客様を探していると、やぁ、
君がガイドかい?と言われます。
そして私はお客さんを目の前に
一瞬ええっと思うのです。
この人?
この人がVIP??
どうみても
普通の人にしか見えないんだけど!!
もうこんな経験も慣れたので
最近は驚かなくなりましたが
本当に彼らは想像と違うのです。
私のこれまでの経験では
全身シャネルで現れた方はたった一人。
でも本当の富裕層は旦那さんなのですが
いやこの人
一人で電車乗ってたら
誰一人富裕層だなんて思わないよ?
という格好をしているのです。
私は以前コンラッドでお茶をしていた時
スタッフが後ろでお客さんの
文句を言っているのが聞こえました。
「あの人たちって半ズボンにサンダルなのよ
もうちょっといい格好をしてほしい。」
一方でコンラッドにお茶しにくる
日本人女性はいかにも港区女子!のような
全身がっちり整えてきましたという
人ばかり。でもどちらが本当の
富裕層かといえば、コンラッドに
宿泊しており、ラウンジをごく
気楽な格好で使っているお客様なのです。

日本のホテルはまだまだこうした
格好にうるさく、格好で判断されることが
多いわけですが、私はある時
帝国ホテルのラウンジにパーカーで
来ている若い男の子をみかけ
なるほど、この人が本物なんだ
と痛感し、そこから少し格好を
変えるようになりました。
というのも、普通は帝国ホテルの
ラウンジにパーカーなんて着ていくのは
勇気がいるわけですが、多分彼は
お金持ちの息子さんで、昔から
よくそこに来ていたのでしょう。
よく来る人、というのはそれが
普通なので、格好も仰々しくないわけです。
そんなわけで私もこの1年以上
帝国ホテルにひたすらスニーカーで
行っています。
さて、ではなぜ一般的には仰々しい
イメージで、映画の中の紳士淑女の
ような格好をしていてもよさそうな
欧米の富裕層は、「えっこの人が?」
というような格好をしているのでしょう。
私は断言してもいいですが
富裕層と普通の外国人を
30人くらい1箇所に集め、富裕層を
当ててみろ、と言われた時に
ほとんどの人は失敗すると思います。
なぜなら普通の人ほど仰々しい格好をし
彼らは驚くほどラフで普通の格好だから。
隠された僅かなポイントを見分けるには
相当な通にならなければいけないのです。
ではなぜ欧米の富裕層は
一般的なイメージのように
仰々しい格好をしないのでしょうか。
その理由を3つ考察します。
1点目。高級ブランドというのは
実はミドルクラスの一般人が買うものだ
というのはわりとラグジュアリー
関連の話では割と定説です。
現在は高級ブランドの危機または
転換期に近いようですが、その大きな
きっかけは、中国の経済が停滞し
一般の中国人が高級ブランドを
買わなくなったからだと言われています。
シャネルやエルメスはそれでも格が
違うかもしれませんが、いわゆる
高級ブランドに憧れ、大金をはたいてでも
それを買って、自分を高く見せたい
自分を格上げしたいと思うのは
一般人であり、そんな人たちの
憧れを育むためにラグジュアリー
ブランドはこれでもかというほど
広告を出しています。最近はこうした
モノの売れ行きが悪くなってきたため
ラグジュアリー業界はより富裕層に
焦点を当て、高級列車旅行やホテルなど
体験・経験にもシフトしつつあります。
では富裕層は何を買うのか?
というときに、2点目の定説として
「クワイエット・ラグジュアリー」という
話があります。つまり、高級ブランド
だけれども、知る人ぞ知るものです。