
碓氷峠百話#079〜峠の釜めし⑤:諏訪にもおぎのや
第七十九話 諏訪にもおぎのや
おぎのやの釜めしといえば横川である。
そのため、初めて諏訪のおぎのやを見た時、少し不思議だった。
ここは碓氷峠からずいぶん離れている。
しかも群馬県ではなく長野県。それも信越方面ではなく、中央道の諏訪インターのすぐ近くだ。
調べてみると、諏訪店が開店したのは1983年。
思っていた以上に古い。
佐久店や長野店ができるより、ずっと前から諏訪におぎのやはあった。現在も営業していて、釜めしの製造工場まで隣接している。
横川駅で生まれた駅弁が、鉄道から離れ、中央道を走る人たちにも売られるようになった。
考えてみれば、峠の釜めしが「横川で食べる駅弁」から「旅の途中で食べる釜めし」へ変わっていった頃だったのかもしれない。
今では諏訪で作られた峠の釜めしもある。
碓氷峠から離れても、名前から「峠」は消えなかった。
諏訪で食べても、峠の釜めしなのである。
本宮椿