メインコンテンツへスキップ
見出し画像

新人のその後

    「注目の新人デビュー!」

    どんなジャンルでもこうした謳い文句に事欠くことはないが、その新人を長年観察してその後がどうなったのかまで追うことは珍しい。

    Napaは狭い土地ではあるが、人材や投資が多く流入する地域なだけに、ワイナリーの新規開業も多い。特に、2000年代以降は、大型のワイナリーの開業だけでなく、中小規模の生産者の数も大きく増加してきているように見える。産業が成熟して、発展の段階に来ている証拠だ。

    そうした動きは、カリフォルニア・ワインを輸入している国にも伝播することになり、日本もその例外ではない。

    Buoncristianiという生産者は、一時期、日本国内でも大いに話題となった。Matt, Jay, Nate, AaronのBuoncristiani兄弟がスタートしたワイナリーで、医療業界で働いていたMatt氏は、当時Hess Collection Wineryで働いていたJay氏と共に1999年に設立された。Jay氏は後にWine Spectator誌で"Rising Star of Napa Cabernet"と評されている。同ワイナリーのワインも、Wine Advocate誌で98ptsを獲得するなど、高く評価されている。

    現代のNapaの綺羅びやかなワイナリーや職人的な生産者たちと比べると、随分牧歌的な雰囲気を感じる動画だが、どうしてこういうワイナリーが日本国内に輸入され、一定の人気を博したのかは、筆者にとっても謎だ。ワインが美味しいというなら、世界に美味しいワインは沢山あるのだから。

    それでも、かつて日本に輸入されたであろうワインを運よく入手することができた。カシス、ブラックチェリー、オリーブ、ブルーベリー、甘草、イチジク、コーヒー、ヴァニラの豊かな香り。濃厚な果実味は、果実味を追求していた時代のNapaを思い出す。国内では好まれないスタイルだろうが、バランスが崩れたり、アルコールの熱がある訳でもない。年月を経てタンニンも解れており飲み頃だろう。ステーキや魯肉飯なんかとペアリングするのにうってつけのワインだ。

    HPを確認したところ、今でもこのワイナリーは健在なようで、かつてと同じように良質なワインを生産しているという。競争が激しいNapaにあって、廃業の憂き目に遭う生産者も少ない中、健闘していると言って良いだろう。

    こうしたワイナリーも、10年、20年と続けていく中で、転機を迎えて発展するかもしれないが、できれば兄弟の趣味の延長のような雰囲気を残して欲しいところだ。

    本日のワイン:
    Buoncristiani Napa Cabernet Sauvignon 2012
    91+pts
    https://www.buonwine.com/

    画像
    画像

    あなたへのおすすめ