恋を死なせない|シロクマ文芸部
待つ時間が、つらくないんですか?
僕の質問は、なんて馬鹿げていたんだろう。
だって、彼女は言ったのだ。
「私が待っているあいだは、まだ恋が生きているから」
彼女の待っている相手は、もう何年も連絡すら寄越さない。
それでも彼女は待っている。
その相手との約束を信じている。
そこには意地もあるのかもしれない。
あとに引けなくなっているのかもしれない。
だけど、やはり待っているのだ。
何度目かの「僕じゃだめなんですか」がまた出てきそうになって、黙った。
彼女の言い方を借りれば、僕の恋はまだ生まれてもいない。
彼女が僕を選んだときに、それは生まれる。
そして、彼女の恋は僕から見れば、すでに死んでいる。
過去に取り憑かれているのだ。
「僕にすればいいのに」
現在と、未来を見ればいいのに。
新しい恋が、生まれるのに。
では、今も僕のなかにある彼女への思いは、何なのだろう。
シロクマ文芸部さんのお題に挑戦させていただきました。
ありがとうございました。
#シロクマ文芸部
恋愛ものって難しいですねぇ。
恋はいつ生まれるのか?
いつ死ぬのか?
色々考えてたら「僕」がかなり拗らせた人みたいになってしまいました。
「彼女」の理屈はシンプルです。
私が待っている間は恋が続いている。片思いだとしても。
「僕」のほうはちょっと変です。
叶わない恋は恋ではない、と言いながら、恋の苦しみを味わっている。
誰かを待つ彼女の恋が終わるのを、「僕」もまた待っている。
それが恋じゃなかったら何なんでしょうか?
……なんて、ぐるぐる考えました。
ああ難しい。
恋はいつ生まれて、いつ死ぬんでしょうね。