メインコンテンツへスキップ

ぷーちゃん

    小学1年生の頃、私は諸事情でクラス内で浮いていた。

    主に服装のせいである。

    母親の趣味で、私だけ毎日が入学式のような服装をしていたのだ。

    ちなみにお嬢様でもなんでもない庶民である。

    服装は過剰にフリフリしていたが、その当時私はいたって普通の小学1年生であった。

    友達はいなかったが、ひとりだけ仲良くしてくれた子がいた。

    ぷーちゃん。もちろん仮名だ。

    ぷーちゃんは、学校で私と遊んでくれたし、家で遊ぼうと言って一緒に遊んだりもした。

    ただ、ぷーちゃんはおそらく私の服か、私の服を脱がせることに、執着していた。

    ある日、ぷーちゃんの家で遊んでいると、ぷーちゃんが「服をとりかえっこしよう」と言った。

    帰るまでには元に戻すから、と。

    私はぷーちゃんに嫌われたくなくて、言われたとおりにした。

    本当はパンツまでとりかえっこするのは嫌だったけど、ぷーちゃんがそう言うのでそうした。

    また別の日、学校で体育の授業があり、体操服に着替える場面があった。

    体操服は普段、教室の後ろ側のロッカーに置いていて、それを席に持ってきてから着替える。

    ところが、その日はぷーちゃんが「先に服脱いでから、体操服取りに行って」と言った。

    私は、恥ずかしくていやだったけど、ぷーちゃんに嫌われたくなくて、服を全部脱いでから体操服を取りに行った。

    ぷーちゃんはそれを見て、別の友達と笑っていた。

    ぷーちゃんのおうちは、いつも誰もいなかった。

    おとうさんもおかあさんも、仕事で帰りがおそいのだといっていた。

    あるとき、ぷーちゃんが、いつもひとりでいるのがいやだから、親が帰ってくるまでうちにいて、と言った。

    わたしは、そんなにおそくまで遊んでいたら怒られると思ったけど、ぷーちゃんも寂しいんだなと思い、ぷーちゃんのおかあさんが帰ってくるまで一緒にいた。

    ぷーちゃんのおかあさんが帰ってきて、ぷーちゃんに「もう帰っていいよ」と言われて、わたしは外にでた。

    まっくらだった。

    こんなに暗い道をひとりで帰ったことはなくて、わたしは怖くなって、たぶん今まででいちばんはやく走ってかえった。

    家について、やっぱり怒られて泣いたけど、ぷーちゃんに言われたから、とは言えなかった。

    ぷーちゃんとは、一緒にたくさん悪いこともした。

    宿題を、とりかえっこしてやって、先生をだまそう(?)と言われて宿題をとりかえっこした。

    クラスのとある子が、何故か教室に落ちている折れた鉛筆の芯を集めていたから、それに協力しよう(?)と言われて、わたしのえんぴつを全部折って、またといで、また折った。何度も。

    たくさんの鉛筆の芯をその子にあげたのかどうかは、覚えていない。

    私は、途中で転校したので、ぷーちゃんと過ごした期間はそんなに長くない。

    あんなにぷーちゃんに嫌われたくないと思っていたのに、転校してみたら、すぐにぷーちゃんのことは思い出さなくなった。

     
     
    🐇📚️🍓 日常や思い出を詠んだり書いたりします。 俳句、川柳。エッセイ。 (初心者です) スキ、コメント、多め。

    あなたへのおすすめ