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倧堎玀章氏に聞く。日本の゚ネルギヌ転換はなぜ進たないのか

    日本の゚ネルギヌ問題は、原子力ず再生可胜゚ネルギヌの比率だけでは捉えられたせん。最終゚ネルギヌ消費に占める電力は3割匱にずどたり、残りを茞送甚燃料や産業甚の熱などが占めおいたす。原油調達の䞭東䟝存、LNGぞの䟝存床が高い電力䟛絊、電気自動車EV普及の遅れ、脱炭玠投資に䌎う費甚負担など、耇数の課題が絡み合う䞭、日本の゚ネルギヌ転換を阻むものは䜕でしょうか。

    政府や金融機関、さたざたな䌁業に助蚀する合同䌚瀟ポスト石油戊略研究所代衚で゚ネルギヌアナリストの倧堎玀章さんに、原子力・再゚ネ・火力の圹割、生成AIずデヌタセンタヌの電力需芁、産業・茞送の脱石油、GXに䌎う費甚ず責任、2040幎以降の展望を䌺いたした。さらに、幌少期から仕組みに惹かれおきた探究心、生き物ずの暮らし、䟡倀刀断ず人栌をめぐる思玢に぀いおもお話しいただきたした。

    ※ 本皿は党6章、玄17,800字のロングむンタビュヌです。気になる章からでもお読みいただけたす。

    【プロロヌグ】

    䜐野少しご無沙汰しおいたす。倧堎さんのデスクの氎槜にいるのは、カメさんですか

    倧堎ミツナビハコガメのPSIプサむ君です。私の䌚瀟「ポスト石油戊略研究所」は英語でPost‐Oil Strategy Instituteず曞くので、その頭文字から取りたした。2021幎に䌚瀟を蚭立した蚘念に、劻からもらったんです。

    䜐野PSI君、掻発に手足を動かしおいお、かわいいですね。爬虫類や䞡生類を怖がる方もいたすが、奥様はお奜きなんですね。

    倧堎はい。劻は「物心が぀いた頃からカナヘビを䞡手で握っおいた」ず蚀っおいたした。

    䜐野カナヘビを䞡手で驚。今回は、倧堎さんに日本の゚ネルギヌ問題や、倧堎さんの玠顔をお䌺いしたす。

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    【第1章】独立系゚ネルギヌアナリストは、誰に䜕を助蚀するのか

    ― ポスト石油戊略研究所では、どのような事業を展開しおいたすか。

    合同䌚瀟ポスト石油戊略研究所は、気候倉動問題や電気自動車の登堎によっお石油ぞの䟝存が䜎䞋しおいく「ポスト石油時代」に向けお、日本がどのような戊略を持぀べきかを考えるために蚭立したした。䞻な事業は、゚ネルギヌやモビリティ、安党保障、科孊技術に関する調査研究、政策提蚀、䌁業ぞの情報提䟛です。私ぱネルギヌアナリストずしお化石燃料の䟛絊、゚ネルギヌ安党保障、次䞖代自動車、産業政策などに぀いお政府や法人のお客様に助蚀しおいたす。

    ― どのような䌁業からご盞談を受けおいたすか。

    私が゚ネルギヌの専門家なので電力䌚瀟や石油䌚瀟、ガス䌚瀟ずの取匕が倚いず思われるかもしれたせんが、゚ネルギヌ事業者は瀟内で専門家を育成しおいるため、倖郚ぞ盞談するニヌズが比范的少ないんです。ご䟝頌がある堎合は、新入瀟員や䞭途瀟員を察象に゚ネルギヌ問題の党䜓像を解説する研修が䞭心です。

    むしろご䟝頌が倚いのは、゚ネルギヌを䜿う偎の䌁業です。自動車、家電、化孊などのメヌカヌをはじめ、鉄鋌、運送、航空、船舶、鉄道、蟲業、ITなど、さたざたな業界から「今埌、自瀟はどう察応すべきか」ず盞談を受けおいたす。゚ネルギヌを䜿わない䌁業はありたせんから、ほが党おの業皮が支揎の察象です。継続的に提案するため、アドバむザヌ契玄を結ぶこずもありたす。最近は、メガバンク、蚌刞䌚瀟、ヘッゞファンド、海倖の金融機関などずの仕事も増えおいたす。メガバンクでは融資先の䌁業を察象ずした勉匷䌚で講垫を務め、蚌刞䌚瀟やヘッゞファンドでは䞻にトレヌダヌぞ゚ネルギヌ情勢を解説しおいたす。

    ― JDSC、PHP総研、ちずせ研究所では、それぞれどのような圹割を担っおいたすか。

    JDSCでは、むンフラ領域におけるDXのうち、゚ネルギヌ政策や芏制に関する助蚀をしおいたす。ちずせ研究所では、埮现藻類を掻甚した事業の環境評䟡を支揎しおいたす。PHP総研では、倖亀・安党保障の芳点から、囜際情勢や地政孊リスクなどのグロヌバルリスクを分析しおいたす。

    スタヌトアップに察しおは、政策や芏制、利甚可胜な制床に぀いおアドバむスするほか、倧手䌁業や投資家ずの橋枡しもしおいたす。技術の甚途を䌁業や投資家ぞ説明したり、スタヌトアップ偎に「この事業者ず組んだほうがいい」「この投資家ず話したほうがいい」ず提案したりしたす。

    ― これほど幅広い䌁業や業界ず関わりながら、どのように独立性を保っおいるのでしょうか。

    私は自分の仕事を「コンサルティング」ではなく「アドバむザリヌ」ず呌んでいたす。コンサルティングずは、お客様ず䞀緒に走り、結果にも責任を負う仕事だず考えおいたす。その䞭で、私の圹割は倖郚の独立した立堎から芋立おを䌝え、刀断材料を提䟛するこずです。

    ゚ネルギヌ業界では、電力䌚瀟ずガス䌚瀟、倧手電力ず新電力の利害が異なりたす。自動車メヌカヌも、EVやハむブリッド車など、泚力する技術によっお立堎が違いたす。特定の䌁業や業界ず密接に結び぀けば、私の発蚀にその䌁業や陣営の色が぀き、自由に発蚀できなくなる恐れがありたす。そのため、顧客ずの面談は倚くおも月に1回、1時間皋床、少ない堎合は四半期に1回、1時間皋床にずどめ、適床な距離を保っおいたす。たた、寡占的な業界の倧手事業者から埗る収益が、売䞊高の1割を超えないように調敎しおいたす。

    【第2章】日本の゚ネルギヌ転換は、どこから始めるべきなのか

    ― 珟圚、日本が抱えおいる゚ネルギヌ問題の党䜓像を、分かりやすく教えおください。

    ゚ネルギヌ問題ず聞くず、原子力ず再生可胜゚ネルギヌをそれぞれ䜕%にするかなど、電源構成の問題を思い浮かべる方が倚いのではないでしょうか。しかし、実際に日本の最終゚ネルギヌ消費に占める電力の割合は3割匱です1。残りの7割匷は、ガ゜リンやガス、工堎で䜿甚する熱など、電力以倖の圢で消費されおいたす。䟋えば、自動車を動かす燃料、調理や絊湯に䜿うガス、鉄鋌やセメントの補造工皋で必芁ずなる化石燃料です。電力は重芁ですが、゚ネルギヌ問題の党䜓像を捉えるには電力以倖の甚途にも目を向けなければなりたせん。

    その䞊で日本固有の問題を挙げるず、たず゚ネルギヌ自絊率の䜎さがありたす。原油は、平時には茞入量の玄95を䞭東に䟝存しおおり2025幎実瞟、䞻芁囜の䞭でも突出しお高い氎準です。ホルムズ海峡を通らない米囜産原油などの代替調達が進み、2026幎春には必芁量の玄6割を代替ルヌトで確保する芋通しが瀺されたした。ただ、平時の調達構造ずしお䞭東䟝存床が高いこずに倉わりはありたせん2。

    それにもかかわらず、日本では電気自動車の販売比率が、䞻芁囜ず比べお極めお䜎いんです。石油の䟛絊リスクが高い囜でありながら、自動車の脱石油化が進んでいないずいう矛盟を抱えおいたす。

    倩然ガスの䟛絊構造にも特城がありたす。䞖界では、産出囜からパむプラむンを通じお倩然ガスを茞入する方法が䞀般的ですが、日本は囜境を越えるパむプラむンを持たず、ほが党量を液化倩然ガス、すなわちLNGずしお茞入しおいたす。LNGは倩然ガスをマむナス162床たで冷华しお液化したもので、原油のような長期備蓄には向いおいたせん。通垞は限られた圚庫䜙力を維持しながら、継続的に海倖から調達しおいたす。日本は発電電力量の玄3割をLNG火力に䟝存しおいるため、茞入が途絶えれば、比范的短い期間で電力䟛絊が逌迫するリスクがありたす3。

    このような䟛絊䞊の制玄を抱えながら電力垂堎を自由化しおきたこずにも制床䞊の難しさがあり、日本はかなり特殊だず蚀えたす。さらに、東日本倧震灜埌、長期間停止したたたの原子炉を数倚く抱えおいたす。自絊率の䜎さ、䞭東ぞの䟝存、LNGの備蓄制玄、EV普及の遅れ、停止䞭の原子炉ずいった耇数の問題が重なっおいるこずが、日本の゚ネルギヌ䟛絊構造の特城です。

    ― この問題に察し、日本は䜕を優先的に動かすべきだずお考えですか。

    政府、事業者、消費者のどの立堎から芋るかによっお、優先順䜍は倉わりたす。電気自動車の普及を想像しおみたしょう。日本で電気自動車が普及しない理由の䞀぀は、家庭で充電できる環境が敎っおいないこずです。商業斜蚭や高速道路の充電蚭備も必須ですが、電気自動車の経枈性や利䟿性は、自宅で日垞的に充電できるこずで発揮されたす。ずころが、充電蚭備の蚭眮には費甚がかかりたす。特に賃貞䜏宅や集合䜏宅では、居䜏者個人の刀断だけで導入できたせん。充電できる環境がなければ電気自動車を賌入せず、賌入者が少なければ蚭備の導入も進みたせん。この埪環を、個人の刀断だけで倉えられないですよね。

    既存の集合䜏宅にも、䞀定の条件ず期限を蚭けお充電蚭備の導入を求める方法がありたす。導入が必芁だず決たれば、管理組合もどの事業者ぞ発泚するか、費甚をどう負担するかずいう具䜓的な議論を始められたす。EUでも、新築や倧芏暡改修を行う建物を䞭心に充電蚭備の導入を促すずずもに、既存の集合䜏宅で蚭眮手続きを簡玠化する政策が進められおいたす。日本でも、個人や事業者の自䞻性に委ねるのみならず、普及を劚げおいる制床やむンフラ䞊のボトルネックを特定し、ルヌルによっお解消すべきでしょう。

    ― 察策が進たないのは、関係する事業者や組織の方針が異なるからでしょうか。

    それもありたすが、゚ネルギヌ政策の意思決定の仕組みにも理由がありたす。゚ネルギヌ政策は専門性が高いため、実質的には政府圓局ず事業者の間で決たるこずが倚いんです。これは必芁な面もありたすが、囜民的な議論になりにくいずいう問題もありたす。遞挙でも、゚ネルギヌ政策が䞻芁な争点になるこずはほずんどなく、゚ネルギヌ問題を重芖する政治家を遞ぶ人は数%しかいたせん。それは、日垞生掻の䞭で゚ネルギヌのこずを垞に考えおいる人は少ないからです。氎や食料ず同じように倧切なものでありながら、安定しお䟛絊されおいる間は政治課題ずしお意識されにくいんです。

    䞀方で、゚ネルギヌ分野には政治がトップダりンで決めなければ進たない問題が山積みです。しかし、遞挙の争点になりにくいため、政治のトップが継続的に関心を持぀動機も生たれたせん。この構造が繰り返されお重倧な課題が先送りされおいたす。

    ― 脱炭玠、安定䟛絊、゚ネルギヌ䟡栌、産業競争力、安党保障などを同時に満たせない堎合、䜕を優先すべきだずお考えですか。

    私は、必ずしもどれか䞀぀を犠牲にしなければならないずは考えおいたせん。䟋えば、囜内で賄える゚ネルギヌを増やせば、安定䟛絊や安党保障、脱炭玠や䟡栌の安定にもプラスに働く可胜性がありたす。耇数の課題を同時に改善する方法はあるず思いたすが、䞀぀だけ遞ぶのであれば経枈、぀たり「皌ぐ力」だず答えたす。ここで蚀う経枈ずは、産業競争力だけを指しおいたせん。囜党䜓の皌ぐ力ず、゚ネルギヌ䟡栌の䞊昇に耐えられる家蚈の力を合わせたものです。

    䞀般的には、゚ネルギヌ䟡栌が䞊がれば日本䌁業の産業競争力が䜎䞋するず考えられおいたす。もちろん、囜内に工堎を持぀補造業にずっお、゚ネルギヌ䟡栌は重芁です。ただし、日本䌁業は海倖にも倚くの生産拠点を持っおいたす。䌁業党䜓の競争力が、囜内の゚ネルギヌ䟡栌だけで決たるわけではありたせん。むしろ゚ネルギヌ䟡栌の䞊昇は、家蚈の負担や物䟡、政暩支持率に盎接圱響したす。産業競争力だけで捉えるのではなく、囜や䌁業が将来の遞択肢を持぀ための経枈力をいかに維持するかを考えたいですね。

    ― 珟行の政策のたた2040幎を迎えた堎合、どこで蚈画が行き詰たるず予想しおいたすか。

    特定の政暩を批刀する意図はありたせんが、政府が優先政策ずしお掲げおいる゚ネルギヌ関連事業の倚くは、行き詰たるリスクがあるず芋おいたす。補助金政策の難しさは、もずもず競争力のある分野には政府が介入しおいないこずです。そのため、政策支揎は、垂堎だけでは事業化が難航する分野に向かいたす。支揎を通じお技術や事業が成長し、最終的に自立できるのであればいいですが、補助金がなくなった時点で事業が成立しなくなるケヌスも少なくありたせん。

    これぱネルギヌ分野に限った話ではありたせん。政府が成長戊略ずしお掲げる事業であっおも、支揎期間䞭に自立できるだけの競争力を獲埗できなければ、政策の終了ずずもに行き詰たるのではないでしょうか。

    【第3章】電力䟛絊は、どう組み替えるのか

    ― 原子力、再生可胜゚ネルギヌ、火力の組み合わせに぀いお、日本にはどの皋床の遞択肢が残されおいたすか。

    先ほど、原子力ず再生可胜゚ネルギヌをそれぞれ䜕にするかなど、電源構成が゚ネルギヌ問題の䞭心だず捉えられがちだずお話ししたした。しかし、珟圚の日本は、理想的な組み合わせを自由に遞べる段階ではありたせん。すでに珟実的に取り埗る遞択肢が限られおいるため、「どのような構成にすべきか」ずいうより、さたざたな制玄の結果ずしお「この皋床にしかならない」ず考えるほうが実態に近いです。

    ― 生成AIの普及ずデヌタセンタヌの増蚭により、今埌は倧量の電力が求められるず蚀われおいたす。日本では、電源や送電網、立地にどのような課題が生じたすか。

    ミクロな芖点では、䜏宅の近くにデヌタセンタヌが建蚭されお冷华蚭備のファンの音が問題になるなど、地域䜏民ずの摩擊が生じるおそれはありたす。ただし、倚くのデヌタセンタヌは、人々が意識しおいない堎所に蚭眮されおいたす。郜心のオフィスビルがデヌタセンタヌぞ転甚される䟋もあり、生掻者から芋えにくい圢で立地が進んでいたす。䞀方で、圓初想定されおいたデヌタセンタヌの新増蚭蚈画は、盞次いで埌ろ倒しになっおいたす。蚈画自䜓は残っおいおも、半幎経぀ず皌働予定も半幎先ぞ延びおいるずいった状況です。

    私の芋立おでは、その背景には電力䟛絊偎の論理が先行しおいるこずがありたす。日本では、発電所や送電網を敎備するための需芁ずしお、デヌタセンタヌの誘臎が期埅される傟向がありたす。その結果、「電力を䜿う斜蚭であれば、どのようなデヌタセンタヌでもいい」ずいう発想になり、運営事業者が求める立地条件や蚭備が考慮されないこずがありたす。むンフラを敎備しお誘臎しようずしおも、事業者の需芁に合わなければ遞ばれたせん。電力䟛絊偎ず斜蚭運営偎の双方の条件を満たさなければ、蚈画は実珟したせん。デヌタセンタヌによる電力需芁は増えるものの、圓初期埅されおいたほど増えない結果に終わり、敎備したむンフラが空回りしたす。

    デヌタセンタヌの増蚭によっお電力が䞍足するずの懞念もありたすが、必芁な電力を確保できる芋通しが立った案件でなければ建蚭段階ぞ進みたせん。䟛絊力や系統接続を確保できなければ、蚈画そのものが延期たたは䞭止されたす。党囜で突然電力が足りなくなるずいうよりも、電力、通信、立地条件がかみ合わず、準備したむンフラや誘臎策が期埅した成果に繋がらないこずのほうが珟実的な問題だず考えおいたす。

    ― 倧堎さんは原子力の必芁性をおっしゃっおいたすが、日本瀟䌚に原子力を䜿い続ける胜力や意思があるかも問いかけおいたす。䜕が䞍足しおいるのでしょうか。

    原子力を取り巻く事情を理解しおいる人々の圓事者意識が䞍足しおいたす。誰かに決めおもらおうずする姿勢や、やや投げやりな空気を感じたす。もちろん、匷い圓事者意識を持っおいる方もいたすが、政治家は「原子力を掚進しおも祚にはならない」ず考え、前面に立ずうずしたせん。電力事業者も、原子力を積極的に蚎えれば批刀を受けるかもしれないため、衚立った発蚀を避けようずしたす。

    その結果、原子炉の建お替えなど、予定されおいた斜策が進たなくおも誰が責任を持っお状況を倉えるかが曖昧になりたす。私が問題ずしお捉えおいるのは、原子力を必芁だず信じおいる人々たでどこか他人任せになっおいるこずです。埌抌しが埗られないから進められないず蚀うだけでは、状況は倉わりたせん。自ら前面に立ち、批刀を受けながら意思決定ず説明に責任を持぀人が増えなければ、実珟可胜な斜策も進たないず思いたす。

    ― 再生可胜゚ネルギヌを脱炭玠のための電源ではなく、日本の゚ネルギヌ自立を支える囜内゚ネルギヌず捉えた堎合、政策や䌁業の刀断はどのように倉わりたすか。

    再生可胜゚ネルギヌの䜍眮付けは、すでに倉わり始めおいたす。東日本倧震灜埌の日本では、原子力発電を枛らし、その代わりに再生可胜゚ネルギヌを増やそうずいう機運が高たりたした。制床䞊の目的は䞀぀ではありたせんが、瀟䌚的、政治的な掚進力ずなったのは、原子力発電からの転換です。倪陜光発電を䞭心に、珟圚皌働しおいる再゚ネ蚭備の盞圓郚分がこの時期以降に導入されたした。

    その埌、2020幎前埌から、再゚ネは「脱原発のための電源」から「脱炭玠のための電源」ずしお語られるようになりたした。再゚ネ自䜓が倉わったずいうよりも、瀟䌚に察する説明の仕方が倉わったんです。ずころが、脱炭玠効果だけを再゚ネの䟡倀ずしお匷調したがゆえに「期埅したほど二酞化炭玠の削枛に至っおいない」「森林を䌐採し、むしろ自然を砎壊しおいる」ず批刀されるようになりたした。本来の再゚ネには、海倖から燃料を茞入せず、囜内で゚ネルギヌを生み出せるずいう倧きな䟡倀がありたす。この゚ネルギヌ自立の偎面が認められおこなかったため、再゚ネの䟡倀が過小評䟡されおきたず考えおいたす。

    たさに今、䞭東情勢などの地政孊リスクを背景に、化石燃料の䟡栌が倧きく倉動しおいたす2026幎9月取材時点。この状況では、䌁業が自ら再゚ネ蚭備を保有し、発電した電力を自家消費するこずにも意味がありたす。自家発電の電力は、電力䌚瀟から賌入するより割高になる堎合があるものの、蚭備投資額ず償华期間から将来の電力コストを芋通しやすいんです。今埌䜕幎分もの電力コストを予枬できれば、䌁業は事業蚈画を立おやすくなりたす。

    ぀たり、再゚ネは単に脱炭玠ぞ貢献する電源ではありたせん。囜にずっおぱネルギヌ自絊率を高める手段であり、䌁業にずっおは燃料䟡栌や電気料金の倉動リスクを抑え、経営の予芋可胜性を高める手段でもありたす。䌁業の刀断は、脱炭玠ぞの貢献だけでなく、゚ネルギヌ調達の自立性ず䟡栌の安定性を重芖する方向ぞ倉わり始めおいたす。

    【第4章】産業ず茞送は、どう石油から離れるのか

    ― 石油やガスを利甚する産業や茞送のうち、電化しやすい領域ず、電化が困難な領域を教えおください。

    乗甚車は、原理的には電気自動車ぞ転換できたす。長距離トラックやバスは電化が難しいずされおきたした。しかし、䞭囜では倧型トラックの電動化が急速に進み、2026幎8月には、新゚ネルギヌ車が囜内の倧型トラック新車販売の5割近く47.43を占めるたでになりたした4。珟圚は枯湟や鉱山などの短䞭距離甚途が䞭心ですが、実甚化の段階ぞ入っおいるず考えられたす。日本で難しいず蚀われる背景には、囜内メヌカヌによる車皮の展開や充電蚭備の敎備が進んでいないこずがありたす。技術的に電化できないずいうより、日本では補品ず利甚環境が敎っおいないずいう偎面が倧きいのではないでしょうか。

    石油化孊補品では事情が異なりたす。プラスチックなどの補造では石油を燃料ずしおではなく、ナフサなどの原料ずしお䜿っおいたす。これを石油以倖の原料ぞ眮き換える堎合、バむオマス由来の原料を䜿う方法や、再生可胜゚ネルギヌを掻甚しお原料を合成する方法がありたすが、いずれも原理的にコストが高くなりたす。工堎で䜿甚する熱も、必芁な枩床によっお電化の難易床が倉わりたす。40〜160床皋床たでであれば、ヒヌトポンプを利甚できる領域がありたす。しかし、補鉄、ガラス、セメントなど、500床や1000床を超える高枩が䞍可欠な産業では、党面的な電化が容易ではありたせん。既存の技術や方法だけでは枩宀効果ガスの排出を枛らしにくい産業や甚途は、『ハヌド・トゥ・アベむトHard-to-Abate』ず呌ばれおいたす。

    ― 航空、船舶、長距離の倧型茞送、高枩の熱が欠かせない工堎など、電化が厳しい領域は今埌、䜕で支えおいくべきでしょうか。

    圓面は、石油やガスなどの燃料に䟝存せざるを埗たせん。ただし、航空や船舶では、それらに代わる耇数の燃料が怜蚎されおいたす。航空分野では、持続可胜な航空燃料であるSAFの導入が進められおいたす。珟圚実甚化が先行しおいるのは、廃食油や怍物などを原料ずするバむオ燃料系のSAFです。しかし、䞖界の航空燃料に占めるSAFの割合はただ1にも満たないにもかかわらず、利甚可胜な原料をめぐる獲埗競争がすでに始たっおいたす。航空需芁を支えられる芏暡たで䟛絊量を増やせるかずいう倧きな制玄がありたす5。

    船舶では、LNG、アンモニア、メタノヌルなど、耇数の燃料が詊されおいたす。しかし、珟段階では、いずれも将来の可胜性が怜蚎されおいる段階であり、決定的な遞択肢はただ定たっおいたせん。

    ― EV、ハむブリッド車、燃料電池車、バむオ燃料、合成燃料は、今埌それぞれどのような圹割を担いたすか。

    日本でEVが普及するずすれば、軜自動車の領域からだず思いたす。そのためには、家庭で充電できる環境の普及が前提になりたす。日本ではすでにハむブリッド車が広く普及しおいるため、その次に拡倧する䜙地があるのは、倖郚から充電できるプラグむンハむブリッド車でしょう。充電蚭備があれば、走行距離や゚ネルギヌ䟡栌に応じお、電気ずガ゜リンを䜿い分けられるため、利甚者にずっお合理的な遞択肢です。

    燃料電池車に぀いおは、乗甚車向けの垂堎は、珟状では広がる芋蟌みが薄いず刀断しおいたす。日本では長距離トラックなど商甚車ぞの導入が暡玢されおいたすが、䞖界的にはバッテリヌ匏の電動トラックが䞻流になり぀぀ありたす。燃料電池を茞送に䜿う構想は今埌、甚途が限定されおいくかもしれたせん。バむオ燃料に぀いおは、日本でもバむオ゚タノヌルをガ゜リンぞ盎接混合する構想が具䜓化しおいたす。政府は、2030幎床たでに最倧10盞圓、2040幎床から最倧20盞圓の䜎炭玠ガ゜リンの䟛絊開始を目指しおいたす6。

    茞入する゚タノヌルの原料ずしお、米囜産のトりモロコシなどが想定されおいたす。この政策が進めば、日本は䞭東から茞入する石油ず米囜などで生産された蟲産物由来の燃料を組み合わせお、自動車を動かす囜になっおいきたす。合成燃料に぀いおは、政府が商甚化目暙を掲げおいる䞀方で補造コストが高く、民間事業の瞮小や芋盎しも起きおいるため、自動車向け燃料ずしお広く普及する可胜性は䜎いず芋おいたす。

    ― 日本䌁業が今埌の技術を遞ぶ際、性胜、コスト、原料、芏制、垂堎芏暡のうち、䜕を重芖すべきでしょうか。

    顧客のニヌズです。性胜、コスト、原料、芏制、垂堎芏暡は、顧客が求める補品を提䟛するために怜蚎すべき条件であり、それ自䜓が目的ではありたせん。珟圚の日本䌁業には、䟛絊する偎の郜合を優先しお補品を䜜ろうずする傟向が匷く、それが競争力を倱う䞀因になっおいるのではないでしょうか。

    最も高性胜な補品や、最も安䟡な補品が必ず遞ばれるわけではありたせん。顧客が求める性胜を、受け入れられる䟡栌で提䟛できる䌁業が匷いんです。たず垂堎を調査し、誰が、どのような甚途で、䜕を求めおいるかを把握しおから、それに盞応しい技術や性胜を決めるべきです。自瀟が䜜りたいものを起点に技術を遞んでいる限り、垂堎で競争に勝぀こずは厳しいでしょう。

    【第5章】GXの費甚ず責任は誰が匕き受け、2040幎に䜕が残るのか

    ― 倧堎さんが考えるGXの本質をお聞かせください。

    政府はGX、぀たりグリヌントランスフォヌメヌションを゚ネルギヌの安定䟛絊、経枈成長、脱炭玠を同時に実珟するための政策ず説明しおいたす。ただ、私は岞田政暩が掲げた゚ネルギヌ・産業政策のパッケヌゞに付けられた名称ずいう偎面が匷いず捉えおいたす。

    政策圢成の出発点の䞀぀にあったのは、鉄鋌、化孊、玙パルプ、セメントずいう、゚ネルギヌを倧量に消費する基瀎玠材産業をどこたで囜内に残すかずいう問題です。これらの産業が脱炭玠化に察応するには、倚額の蚭備投資が欠かせたせん。その費甚を䌁業だけで負担すれば囜際競争力が䜎䞋し、生産拠点が海倖ぞ移転するかもしれたせん。

    そこで政府は、GX経枈移行債を発行しお䌁業の投資を支揎し、将来のカヌボンプラむシングによる収入などを償還財源にする枠組みを蚭けたした7。しかし、䌁業ぞの支揎を拡倧すれば、最終的には囜民や䌁業の負担にも繋がりたす。産業を囜内に残しながら、脱炭玠化に䌎う゚ネルギヌコストの䞊昇を抑えなければなりたせん。その䞭で、安定的な脱炭玠電源ずしお原子力を掻甚する政策が組み蟌たれたした。私の蚀い方をすれば、GXは「原子力掚進」ず正面から打ち出さなくおも、結果ずしお原子力政策を進められる「マゞックワヌド」でもありたす。基瀎玠材産業を保護する政策ず、その負担を抑えるための原子力政策が䞀぀の枠組みにたずめられおいるのが、GXの本質の䞀぀だず考えおいたす。

    ― ゚ネルギヌ転換に必芁な費甚ず、政策や投資が倱敗した堎合の損倱は、政府、䌁業、金融機関、消費者の間でどのように分担すべきですか。

    原則ずしお、意思決定をした䞻䜓や成功した堎合に利益を埗る䞻䜓が、倱敗した堎合の責任も負うべきです。ずころが、珟圚の仕組みでは誰が倱敗の責任を負うのかが分かりにくくなっおおり、それがいかにも日本的なずころです。成功すれば䌁業や投資家が利益を埗るものの、倱敗が芋えおくるず関係者が撀退しお最終的な損倱だけが瀟䌚党䜓ぞ移される堎合がありたす。

    GXでは囜債を掻甚しお先行投資を支揎するため、事業が期埅した成果を䞊げられなければ、最終的な負担は広く囜民ぞ及びたす。成功時の利益を埗る䞻䜓ず、倱敗時の損倱を負担する䞻䜓が䞀臎しおおらず、この構造は歪んでいたす。誰が意思決定し、誰が利益を埗お、倱敗した堎合に誰が損倱を匕き受けるかを、事業の開始時点で明確にするこずが倧切です。

    ― 政府はどのような分野のリスクず費甚を負担すべきでしょうか。

    長期間にわたっお倚くの人が利甚し、日本瀟䌚党䜓に䟿益をもたらす共通むンフラです。短期間で利益を䞊げるこずは難しくおも、長い目で芋れば瀟䌚的な投資効果を期埅できる事業に、財政資金を重点的に配分すべきです。道路や橋は、代衚的な公共むンフラです。建蚭埌すぐに採算が取れなくおも、瀟䌚や経枈掻動を長期的に支えるため、政府が倧きな費甚ずリスクを負っおいたす。

    電力も瀟䌚に䞍可欠なむンフラですが、日本では電力䌚瀟をはじめずする民間事業者が長幎にわたっお蚭備を敎備しおきたした。そのため、道路などず比べるず、政府が盎接費甚を負担するずいう発想が匱いんです。第2章で述べた家庭甚のEV充電蚭備や、電力自由化埌の送配電網ぞの投資は、将来的に倚くの人や事業者が利甚する共通基盀です。ただし、民間䌁業にずっおは初期投資が倧きく、い぀回収できるか分かりにくいため、投資が進たない堎合がありたす。この共通むンフラに぀いおは、政府がリスクず費甚を匕き受け、囜債も掻甚しお敎備すべきです。個別䌁業の事業を無条件に救枈するのではなく、長期的に日本党䜓ぞ利益をもたらす基盀ぞ公的資金を投じるこずがポむントです。

    ― 倧堎さんは、「小孊生の頃に石油ぞ関心を持っおから30幎以䞊経ったが、根本的な問題は倉わっおいない」ず語っおいたす。2040幎の日本をどのように予想したすか。

    2040幎の日本も、基本的には今ずさほど倉わっおいないず予想しおいたす。もちろん、技術や蚭備は進歩しおいたす。この30幎で倪陜光発電は倧幅に増え、日本以倖の囜ではEVの販売比率も䞊昇したした。このような倉化は、明らかに時代の転換です。それでも日本党䜓が倉わりにくいのは、高床経枈成長期などの成功䜓隓を基準に物事を刀断する人が、今も瀟䌚を動かす立堎に倚いからです。倉革を望む䞖代の意芋が反映されるには、今埌10〜15幎ほどかけお䞖代亀代が進たなければなりたせん。それたでは倧きな倉化を期埅できないず、半ば諊めおいる40代も倚いずいう印象があるため、2040幎はなおも珟圚の延長線䞊にあるず芋おいたす。

    しかし、2050幎には珟圚の30代が50〜60代ずなり、政策や䌁業経営を担う䞭栞に入りたす。珟圚の意思決定局ずは異なる環境で育ち、異なる䟡倀芳を持぀䞖代が瀟䌚を動かすようになれば、日本の゚ネルギヌ政策や産業構造も倧きく倉わるでしょう。

    【第6章】倧堎さんの玠顔

    ― この章では倧堎さんの玠顔に぀いお䌺いたす。倧堎さんはどのようなお子さんだったのでしょうか。

    幌少期は、テレビで戊隊ヒヌロヌを芋おいたら、ヒヌロヌ本人よりもヒヌロヌが乗っおいた車に興味がありたした。映画でUFOが出おきたら、それがなぜ浮くのか、どう䜜るのかを考えおいたしたね。意図的に芋せられおいるものよりも、その仕組みに興味があったんです。たた、小孊3幎生の頃には倪陜光パネルに惹かれたしたが、1぀2䞇円したためお小遣いでは買えなかった。芪に叱られる時も「蚀うこずを聞かないなら、パネルを買っおあげない」ずよく蚀われたのを芚えおいたす。

    ― その頃から仕組みや構造、゚ネルギヌにご興味があったんですね。個人的に、倧堎さんにはヒキガ゚ルやヌマガ゚ルなどをかわいがっおいるむメヌゞもありたす。

    冒頭のカメのPSI君ず同様に、劻の趣味です。ポケモンGOが流行っおいた頃、公園でポケモンGOをしおいたら、スマホカメラにカ゚ルが映ったんです。そのたた捕たえお持っお垰ったのが、アズマヒキガ゚ルのぱくちゃんです。カ゚ルだけでなくヘビやカメレオンなど、いろいろず飌いたした。

    ― 倧堎さんは、コオロギも飌育しおいらっしゃいたした。

    䞖界最倧玚の倧型カメレオン「りスタレカメレオン」を飌っおいお、その子がコオロギを倧量に食べるんです。逌代がかかるので自分で繁殖し始めたら゚スカレヌトしお、気づいたら䜕十䞇匹に増えおいたした。そこで、わざわざ匕っ越しお専甚の工堎を敎備しお、投資家の方ず組んでコオロギ事業を始めたした。

    ずはいえ、日々の飌育や出荷ずいった実際の䜜業は、ほずんど劻が担っおくれたした。「皌ぎすぎおコオロギ事業を蟞めた」ずいう方に匟子入りしお飌育方法を教わり、販売ルヌトを開拓したおかげで、䞀時期はAmazonの冷凍コオロギの売れ筋ランキングで1䜍になったこずもありたす。これは劻の頑匵りによるずころが倧きいです。

    ― カメレオンの逌のために繁殖しおいたコオロギを事業化しお、Amazonで1䜍。すごいですね。「冷凍コオロギ」も初めお知りたした。

    コオロギの需芁には、倧きく分けお生き逌、冷凍、也燥の3぀のゞャンルがありたす。しかも、倧きさにもピンヘッド孵化したばかりの䜓長1〜3mm皋床の非垞に小さなサむズ、SS、S、MS、M、ML、Lず段階があっお、党おマヌケットが違いたす。しかも、小さいコオロギはすぐに育぀ので、非垞に高䟡で、グラム単䟡が銀より高くなるこずもありたす。そしお、玄1週間ごずにランクが倉わりたす。「生き逌」は䞀郚のカ゚ルやトカゲなど、コオロギが生きおいないず食べない動物に、「冷凍」はトカゲ、カ゚ル、アロワナ、鳥など、逌の芋た目がコオロギなら食べる動物に向けられおいたす。「也燥」は人間甚にもマヌケットがありたす。

    ― 食甚コオロギを粉末化した、コオロギプロテむンもありたすよね。

    はい。コオロギ食や昆虫食ず蚀われる分野で、也燥タむプでは、むンパクト重芖でコオロギの姿圢が残っおいるほうがいいケヌスず、粉砕しおパりダヌ状にしたほうがいいケヌスがありたす。うちは也燥はやらず、冷凍たでやりたした。コオロギ事業は劻ず二人䞉脚で5幎続けたしたが、子䟛が生たれたタむミングでやめたした。

    その圱響で、昆虫流通業界や昆虫ビゞネスに詳しくなりたした。日本には、クモの糞に着想を埗お、埮生物を䜿った粟密発酵で構造タンパク質玠材『Brewed Proteinブリュヌド・プロテむン』の量産化を進めおいるスパむバヌSpiberのような䌁業がありたすが、昆虫を扱う産業党䜓に぀いお幅広くコメントできる専門家はあたりいたせん。「倧堎さんは昆虫ビゞネスにも詳しいらしい」ずいう噂が巡りに巡っお、Nikkei Asiaから取材を受けたこずがありたす。「゚ネルギヌの専門家が昆虫ビゞネスを話しおも仕方ないから、別の肩曞き䜜っおくれ」ず蚀われお、『バグ・むンダストリヌ゚キスパヌト』の倧堎ずしお日本の昆虫産業に぀いおコメントしたした。

    ― 倧堎さんは普段のお仕事ず盎接関係ない分野でも、専門的に掘り䞋げおいらっしゃいたす。

    もずもず調べおたずめる䜜業が奜きなんです。小孊生の頃から気になったら調べお、勝手にレポヌトを曞いおクラスのみんなに芋せおいたした。やや無理やり玐づけるず、私にずっお゚ネルギヌは最終的には人が消費するものです。人が䜕のために゚ネルギヌを䜿っおいるかず蚀ったら、生きるためですよね。だから、人が䜕のために生きるかを垞に芋おいたいんです。

    私が初めお゚ネルギヌ問題に興味を持ったのは小孊4幎生ですが、石油の有限性ずリスクに気づいお、これは倧倉なこずになるず思いたした。倧孊に進孊する時、どの孊郚に進むか迷ったんですよね。党囜に゚ネルギヌずいう名の付いた孊郚や孊科はありたすが、その倚くはプラント蚭蚈などを扱う゚ネルギヌ工孊系で、私の孊びたい分野ずは違いたした。぀たり、既存の゚ネルギヌ事業で圹に立ちたいわけではなく、人類の゚ネルギヌ問題の根本を理解したいずいう思いが根底にあったんです。今でも、私は䞖の䞭の出来事を゚ネルギヌの芖点から眺める癖がありたす。囜際情勢も、産業の盛衰も、人々の暮らしの倉化も、その背埌にぱネルギヌの䜿い方に倉化があるのではないかず考えおしたいたす。

    京郜倧孊理孊郚に進孊しおからは森矅䞇象を孊がうず思い、最終的には物理や化孊を専攻したした。私が圚籍しおいた頃、この孊郚ではどんな勉匷をしおもよかったんです。孊科ずいう抂念がなくお、最も倚く単䜍を取った科目が卒業科目になりたした。

    ― NewsPicksでも、倧堎さんは女性甚䞋着・アスレゞャヌや、環境汚染によるホッキョクグマの生殖噚の倉化に぀いお専門的なコメントをしお、倚くの方からポゞティブな反響がありたした。

    よく芚えおいたすね。基本的に、興味を持ったずころはゞャンルを問わず、䜕でもやれるずころたでやっおいたす。瀟䌚人になっおあらゆる方々ず出䌚うようになっおから「女性」に぀いお少しでも理解するために、䞋着やその歎史、機胜性、トレンドを研究・考察しおいたした。男性からするず、謎じゃないですか。圓時、ある女性がPEACH JOHNの通販カタログを読んでいるのを芋お、「男性向けの䞋着専甚カタログを芋たこずがない」ず気づきたした。私自身はナニクロのトランクスで十分なのに、女性はこれほど倚くの皮類から䞋着を遞んでいるのかず驚きたした。男女間の違いが倧きい䞭で人間瀟䌚が成り立っおいるず実感しお、探究しおみたんですよね。

    私は動物行動孊的に䞖の䞭を芋おいお、あらゆる行動や身䜓的特城、思考回路は進化的過皋で埗た特質が䜕らかの圢で発珟しおいるもので、人間の䞍可思議な行動も動物行動の䞀皮だず捉えおいたす。どういう進化の過皋で珟圚に至ったかは、他の動物の類䌌行動からある皋床類掚できたす。ホッキョクグマの陰茎骚など、NewsPicksで曞いたコメントは面癜半分なずころもありたしたが、もずもず動物行動孊に関心が匷かったからです。

    ― 珟圚は、䜕に䞀番ご興味がありたすか。

    「䞖界に祝犏された経隓や感芚を持っおいれば、䞻䜓的な䟡倀刀断ができなかった人でもそれができるようになるか」ずいう仮説に興味がありたす。これにはいろんなパタヌンがあっお、生たれた時から家庭環境で吊定されずに育った人は、甘やかされおいたすが「䜕をしおも倧䞈倫だ」ずいう根拠のない自信を持っおいたす。友人知人にそういうタむプがいお、私からは想像できない刀断の仕方をしおいるんですよね。

    その䞀方で、䜕らかの疎倖感を抱えお生きおいる人もいたす。家庭で䜕をやっおも吊定されお自由にさせおもらえなかったり、我慢したら耒められたりした経隓によっお、我慢癖が぀いおいるんです。人に迷惑をかけたらいけないずいう忖床が匷すぎお、自らが思っおいるこずを我慢するタむプですね。孊校や䌚瀟で銎染めないず疎倖感を抱いお塞ぎ蟌んでしたう人は、実は倚いのではないでしょうか。

    そういう人が䞻䜓的に物事の䟡倀刀断ができるようにするには、「自分はこれでいいんだ」ず思うこずです。蚀葉で蚀うのは簡単ですが、なかなかできないですよね。これは、䞖界に祝犏された感芚を埗おいるかによるのではないでしょうか。日頃のコミュニケヌションやコミュニティぞの参加などで、この感芚を促進できないだろうかず考えおいたす。それから、人栌ずいう蚀葉がありたすよね。䜐野さんは「人栌者」ずいう蚀葉にどんなむメヌゞを持ちたすか

    ― 埳を積んだ方のこずでしょうか。

    そうですよね。䞀般的にも、日本語の「人栌者」は倫理的な人を意味する蚀葉ずしお理解されおいたすが、私の蚀う「人栌」は、それずは少し意味が違いたす。ここでは、倫理的に立掟な人ずいう意味の「人栌者」ず区別しお、「人栌のある人」ず呌びたす。

    もずもず人栌やパヌ゜ナリティずいう蚀葉に぀いお、私はカントの議論を「人栌を持たなければ物以䞋になっおしたう」ず、厳しいものずしお受け止めおいたす。人間が自らの理性や自埋性、぀たり道埳法則を自分に課す力を攟棄し、本胜や利害だけで動けば、物ず同じ「手段」になっおしたいたす。そこから、私は䞀貫性のある蚀動に責任を持おる人を「人栌のある人」ず捉えおいたす。

    未成幎者には倱敗が蚱容され、保護者が䞀定の責任を匕き受けたす。それは本人がただ、党面的に責任を負う䞻䜓ずしお扱われおいないからです。「あなたには人栌がある・ない」ず個別に刀断するこずはできたせん。そのため、瀟䌚は䞀定の幎霢に達した人を「自ら刀断し責任を負う䞻䜓」ずしお䞀埋に扱う圢匏の䞊に成り立っおいたす。

    しかし、倚くの人は日垞の䞭で「人栌のある人」ずしお振る舞うこずを求められずに枈んでいたす。倧それた責任を負う堎面は少なく、適圓にごたかしおも倧抵のこずは乗り切れるからです。これは個人ずいうより、瀟䌚の仕組みの問題でしょう。

    自分で意思決定する暩利がなければ、人栌を持぀こずは難しいですね。「私には意思決定や䟡倀刀断をする暩利がある」ず信じるこずが倧切です。先述のずおり、祝犏されおいない感芚が匷いず、自分の意芋が尊重されないこずを前提に生きるこずになり、人栌を持぀こずが難しくなるのではないでしょうか。

    「昚日、あなたはこう蚀ったよね」ず問われた時、「はい、蚀いたした」ず答えられるのは、その人が圓事者ずしお䟡倀刀断をしおいるからです。そうでない人は、䞍郜合なこずが起きるず「でも」「こうだったから、こうしたした」ず際限なく蚀い蚳を重ねたす。「人栌のある人」ずしおの蚀動を求められおいるこずさえ、理解しおいないからです。偉そうに蚀っおいたすが、私自身も、郜合が悪くなるず蚀い蚳が口を぀いお出るこずがありたす。カントの議論になぞらえれば「自分も物以䞋だな」ず実感するこずはしばしばありたす。

    珟圚の日本に欠けおいるのは、人栌に぀いおの意識ず教育だず思いたす。教育基本法は教育の目的を「人栌の完成」ず定めおいたすが、その意味が教える偎にも教えられる偎にも十分に共有されおいないため、結果ずしお倫理的な人を育おるこずにずどたっおいるのではないでしょうか。本来の瀟䌚に必芁な機胜を構築する仕組みを、日本は持ち合わせおいないように芋えたす。よりくだけた蚀い方で蚀うず、祝犏される人を増やさなければダメですね。

    ― 呚りの倧人が幌少期の子䟛を意識的に祝犏するず効果がありたすか。

    子䟛を䞀人前ずしお扱うこずは倧切ですね。自分の䟡倀刀断で意思決定をさせお、本人が結果の責任を負う。私も、自分の子䟛にはそう接したいず考えおいたす。ただ、集団の枠から倖れないように生掻しおきた倧人に、いきなり「今から自分の蚀動党おに責任を持っおください」ず求めおも、途方に暮れるだけですよね。それは本人の資質ずいうより、責任を匕き受ける経隓を積む機䌚がなかったからです。自分で刀断し、責任を匕き受ける人が身近に1人いるだけで、呚りの人も刀断しやすくなりたす。瀟䌚を匕っ匵るのが䞀握りのカリスマだけでは、秩序は脆いものです。できるだけ身近なずころで、責任を匕き受けおくれる人がどれだけいるか。それが、これからの瀟䌚にずっお倧切ではないでしょうか。

    これからのAI時代、知識や分析の倚くはAIが担うようになりたす。その時、人に残る最埌の圹割は、刀断するこずず、その結果に責任を取るこずだず考えおいたす。

    ― 倧堎さん、お話をお聞かせいただきありがずうございたした。

    【゚ピロヌグ】

    䜐野倧堎さんは先日「倧孊院時代や新人サラリヌマン時代、堀江貎文さんや成田悠茔さんのように目䞊の人に配慮しない物蚀いで無双っぜいこずをしお、䞀郚の人々から支持を集めおいた。しかし、瀟䌚では危険因子扱いされ、力を持おば持぀ほど远攟され、自分の䞖界でしか生きられなくなる。今は倧人になっお䞞くなり、぀たらないず蚀われおも盞手にリスペクトを持ち、無双しないように配慮しおいる。配慮ができる人ず芋なされ、協力しおくれる人の皮類が倉わっおきた気がする」ず、Xでおっしゃっおいたした。

    倧堎その埌、倧きな反響があっお身近な友人からは「党然倉わっおいないけど」ず䞀蹎されたした笑。気を䜿っおいるんだけどな。昔ほど、盞手がむラ぀くこずを蚀わなくなったはずです。

    䜐野今回、この蚘事を倧堎さんの第1匟ずしおリリヌスしたす。今埌も、折に觊れお倧堎さんのお考えやご掻動の進展を䌺いたす。

    倧堎はい。以前、私はNewsPicksでも「意芋を聞いおもらうためには、専門分野以倖でも奜きになっおもらうこずが倧事だ。だから、関係ない分野にも積極的にコメントしおいる」ず話しおいたしたね。有り難いこずに、今はちょうど専門分野の仕事が溢れお、こういう話がなかなかできなかったずころだったんです。

    䌁画・取材・執筆䜐野 桃朚  写真提䟛ポスト石油戊略研究所  最高顧問Z

    ● 参考資料
    1資源゚ネルギヌ庁「第1ç«  第1節 ゚ネルギヌ需絊の抂芁」

    2資源゚ネルギヌ庁「2025―日本が抱えおいる゚ネルギヌ問題前線」

    銖盞官邞「䞭東情勢に関する関係閣僚䌚議」什和8幎4月30日

    3資源゚ネルギヌ庁「゚ネルギヌの安定䟛絊を支える化石資源のこれから」

    4第䞀商甚車網「8月新胜源重卡熱銷2.68䞇茛 滲透率創新高」捜狐転茉

    5IATA「Sustainable Aviation Fuel」

    6資源゚ネルギヌ庁「バむオ゚タノヌル導入拡倧に向けたアクションプラン」

    7資源゚ネルギヌ庁「GX政策の今」

    ● stand.fmで裏話を配信䞭「ももりんの『あの経営者の䜙談』RADIO」

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    ● 関連蚘事「Gapから海苔事業の四代目ぞ。創業90幎ブランドの事業再構築ず需芁創出」

    #あの経営者のオフレコ #あの経営者の筋トレ #経営者の玠顔 #倧堎玀章 #ポスト石油戊略研究所 #゚ネルギヌアナリスト  #゚ネルギヌ問題 #原子力 #再生可胜゚ネルギヌ #電力 #LNG #火力

    取材察象者合同䌚瀟ポスト石油戊略研究所
    代衚 / ゚ネルギヌアナリスト 倧堎玀章
    取材日2026幎9月29日
    初回公開日2026幎10月27日
    最終曎新日2026幎10月29日
    䌁画・取材・執筆䜐野 桃朚
    写真提䟛ポスト石油戊略研究所
    最高顧問Z

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