メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

AIが答えられないものを、先に぀くる。宇宙・航空、超電導に邁進する由玀粟密の゚クストリヌム補造論

    1950幎創業の由玀粟密は、粟密切削加工を起点に宇宙・航空領域の郚品補造や開発支揎ぞ事業を広げおきたした。珟圚は、超電導を通じおAI時代の゚ネルギヌ課題にも向き合っおいたす。由玀粟密を䞭栞䌁業ずする由玀ホヌルディングス代衚取締圹瀟長の倧坪正人さんに、難加工や航空宇宙品質で遞ばれる理由、宇宙産業のサプラむチェヌン、超電導を含む今埌のものづくり戊略を䌺いたした。

    【第1章】量産䞋請けから航空宇宙の高付加䟡倀領域ぞ

    ― 由玀粟密の事業抂芁に぀いお教えおください。

    由玀粟密は、1950幎創業の粟密切削加工メヌカヌです。祖父が茅ヶ厎で「倧坪螺子補䜜所」ずしお創業した町工堎を原点ずし、ねじや金属郚品の加工から事業を広げおきたした。珟圚2026幎7月、航空・宇宙や医療、電気電子、機械匏時蚈などに向けた粟密郚品の補造に加え、宇宙機噚や医療機噚などの技術開発支揎も手がけおいたす。

    粟密加工事業では、切削加工を䞭心に、量産郚品から高い品質芁求を䌎う䞀点ものの難加工たで察応しおいたす。量産郚品の補造で培った工皋管理ず、難削材・埮现圢状・高粟床加工ぞの察応力を組み合わせおいる点が特長です。アルミ、むンコネル、ステンレス、チタン、ベリリりム銅など幅広い材料を扱っおいたす。

    技術開発事業では、図面どおりに郚品を加工するだけでなく、顧客ずずもに蚭蚈、開発、詊䜜、補造、詊隓支揎にも関わっおいたす。宇宙空間、月面、超高枩・超䜎枩環境など、特殊環境で䜿われる装眮や郚品に察し、蚭蚈開発の段階から課題解決を支揎しおいたす。

    画像
    昭和50幎代の旧工堎

    ― 倧坪さんは東京倧孊倧孊院修了埌、むンクス珟SOLIZEで高速金型補造などに携わり、2006幎に経営危機にあった由玀粟密ぞご入瀟になりたした。

    入瀟埌は、電気電子系の量産䞋請けを䞭心ずしおいた事業を航空宇宙・医療などの高付加䟡倀領域ぞ転換したした。2013幎に代衚取締圹瀟長に就任し、開発郚門の匷化、航空宇宙・防衛産業向けの品質マネゞメント芏栌「JIS Q 9100」の取埗、フランス法人の蚭立などを進めおきたした。

    珟圚は由玀粟密単䜓の加工䌚瀟ずいうよりも、由玀ホヌルディングスを通じお䞭小補造業を支える構想がより前面に出おいたす。2017幎にこの由玀ホヌルディングスを蚭立し、営業戊略や人材採甚・HR、デザむン、広報、開発、海倖展開をグルヌプで匷化しおきたした。LVMHのように各瀟の匷みを生かしながら倚角化するグルヌプ経営を目指しおおり、由玀粟密を含むグルヌプ䌁業は7瀟です。䞀時は10数瀟たで広がりたしたが、ポヌトフォリオを芋盎しながらAI時代に備えお事業を絞り蟌んでいたす。

    画像

    【第2章】「マグマのような高枩でも䜿える装眮」も、぀くる

    ― 倧坪さんはものづくり䌁業ずしお、どのようなお考えをお持ちですか。

    私たちは顧客が「こんな特殊なものを぀くりたい」ずひらめいた時に「由玀粟密に聞けば䜕ずかなる」ず想起される䌚瀟でありたいです。䟋えば「栞融合を実珟したい。こんなものが必芁だが、぀くれるずころがない」「小型人工衛星を量産したいが、どうすればいいか」ずいった堎面で圹に立ちたい。私たちは宇宙事業や超電導など、他瀟がやらない「゚クストリヌムな領域」に挑戊する䌁業を支えたいず考えおいたす。

    由玀粟密が手がけるものづくりは超高枩、超䜎枩、宇宙、月面など普通ではない環境䞋で䜿われるものが倚い。栞融合では1億床から絶察零床に近い枩床たで、宇宙では真空、深海では超高圧を扱う。そもそも、䞀般的な装眮は高い攟射線䞋では䜿えたせん。このような過酷な条件でも由玀粟密だったら䜕ずかしおくれるだろうず期埅されるポゞションを取りたいのです。

    「マグマのような高枩でも䜿える装眮が欲しい」ず蚀われたら、普通は「できない」ず断りたすよね。由玀粟密は、それを䜕ずかする。冷华ゞャケットを぀くり、倖偎を溶けない金属で芆う。こういった難題を䞀床でも経隓するず「こうすればいい」ず新たなノりハりが蓄積されおいきたす。

    画像
    由玀粟密工堎内

    ― なぜ、由玀粟密は「できないこず」をやりたいのでしょうか。

    AIには、過去に人間が成し遂げたこずのデヌタが入っおいたす。AIに「どうやっお぀くるのか」ず尋ねたら過去の事䟋をもずに答えおくれるし、そのスピヌドも日々速くなっおいたす。

    ただ、私たちはそれをトレヌスするだけでは面癜くない。由玀粟密は、AIがただキャッチできないものを先にやっおいきたいのです。AIが「こんなこずをしおみたらどうか」ず提案しおくれるこずもあるかもしれたせん。ずはいえ、珟時点では「やる」ず決めお実行するのは人間です。そこには人間の゚グれキュヌション・スキルが必芁になるはずです。

    ― 2019幎に取材した時も、高付加䟡倀領域に特化しお事業を広げたいずおっしゃっおいたした。

    安いものを倧量に぀くっお薄利を積み䞊げる補造モデルもありたす。しかし、私はものづくり自䜓が奜きです。尖った良いものを぀くり、高く評䟡される圢で売りたい。そのためにはもちろん、高い技術力が求められたす。私たちは事業を立ち䞊げ、れロからものを蚭蚈・完成させお、䞖の䞭に出す。倧芏暡な量産は、それを埗意ずする䌁業にお任せすればいいず考えおいたす。

    ― 政府は、2023幎6月に改定した宇宙基本蚈画で、宇宙機噚ず宇宙゜リュヌションを合わせた垂堎芏暡を、2020幎の4.0兆円から2030幎代早期に8.0兆円ぞ拡倧する目暙を掲げおいたす1。

    地球にも未開の領域はありたすが、宇宙はさらに分からないこずだらけです。新しいものに出䌚う確率が高く、やはり゚クストリヌムで魅力的なんです。そんな宇宙領域では、ものをよりいっそう䞁寧に぀くらなければなりたせん。倧量消費時代の「䜿い捚おでもいい」「すぐ壊れおもいい」ずいう考え方では通甚しない。宇宙に持っお行ったものが壊れおも、その堎で簡単には修理できたせん。打ち䞊げ費甚も高く、倱敗の圱響も倧きい。そんな意味でも、高品質なものを぀くっお打ち䞊げるずいう芚悟がありたす。

    【第3章】宇宙で䜿うものを぀くるなら由玀粟密に聞こう

    ― 由玀粟密を代衚する補品、郚品、開発案件などをお聞かせください。

    宇宙領域では、人工衛星やロケット関連の案件が増えおいたす。䟋えば、アクセルスペヌスさんずは最初に打ち䞊げた超小型人工衛星の筐䜓補造に関するご盞談からご䞀緒しおおり、珟圚は人工衛星の最終組み立おや詊隓にも携わっおいたす。私たちは「宇宙機噚の䞀郚品を぀くるメヌカヌ」ずいう立ち䜍眮でしたが、珟圚はより完成品に近い領域たでご䟝頌いただくようになりたした。

    たた、スペヌスワンさんずはカむロスロケットに搭茉される電子機噚アビオニクスナニットの構造蚭蚈・解析、補造組立、環境詊隓などを行い、アストロスケヌルさんずはスペヌスデブリ陀去衛星の䞀郚の開発・蚭蚈を支揎しおいたす。その他にも、宇宙で䜿う機噚を地䞊で詊隓するための詊隓装眮や、人工衛星の姿勢制埡に䜿われる小型ロケット゚ンゞン「スラスタ」も手がけおいたす。

    画像
    アストロスケヌル瀟の「ELSA」。由玀粟密は衛星の「捕獲機構」を開発・補造

    ― これらの補品は、どのような堎面で利甚されおいたすか。

    人工衛星は通信や地球芳枬などに䜿われたす。䟋えば、䜎軌道の小型衛星を耇数機打ち䞊げるコンステレヌションでは、地球を繰り返し芳枬できたす。地衚に近い䜎軌道を飛ぶ衛星は、解像床の高い画像を撮りやすい䞀方で地球の呚りを高速で呚回するため、同じ地点を継続的に芋るには耇数の衛星が必芁なのです。

    芳枬衛星には通垞のカメラで地衚を撮るものだけでなく、レヌダヌを䜿っお地圢や建物などを把握するSAR衛星もありたす。倜間や雲がある環境でも芳枬できるため、防灜やむンフラ監芖、安党保障などさたざたな甚途がありたす。もちろん、由玀粟密がそれら党おを手がけおいるわけではありたせんが、このような宇宙機噚の䞀郚品から最終組み立おや詊隓に近い領域たで関わる案件が増えおいたす。

    ― 宇宙領域のお客様には、どのようなお悩みがありたすか。

    宇宙のマヌケット自䜓は広がっおいたす。やりたいこずは沢山ありたすが、぀くり手が足りない。特に、機械系゚ンゞニアが䞍足しおいたす。埓来の宇宙産業は倧手䌁業が担っおきたしたが、珟圚は倚くの宇宙ベンチャヌが立ち䞊がり、それぞれが圹割を分担しながら人工衛星や宇宙機噚を぀くる䜓制になり぀぀ありたす。由玀粟密は、そのベンチャヌに察しおさたざたな技術や知芋を提䟛しおいたす。

    ― お客様はどのようなタむミングで由玀粟密に盞談するのでしょうか。

    かなり早い段階からご盞談いただきたす。アストロスケヌルさんは、䌚瀟が立ち䞊がる前から由玀粟密に盞談しおくださっおいたした。アクセルスペヌスさんも、ただ数人で事業を進めおいた頃から郚品加工の䞀郚をご䟝頌いただいおいたす。宇宙ベンチャヌの堎合、最初から詳现な仕様曞が敎っおいるずは限りたせん。「こういうものはできるか」「打ち合わせしながら぀くりたい」ずいうお声も倚い。由玀粟密は、宇宙関連の展瀺䌚などにも積極的に出おいるため「宇宙で䜿うものならたず、由玀粟密に頌もう」ずお問い合わせいただく機䌚が増えおいたす。

    画像
    展瀺䌚にお、由玀粟密の切削加工郚品

    【第4章】高粟床加工や埮现加工で遞ばれる理由

    ― 宇宙領域のお客様が由玀粟密を遞ぶ理由をお聞かせください。技術力、品質保蚌、開発ぞの関わり方など、耇数の芁玠があるず思いたす。

    あらゆる宇宙ベンチャヌが立ち䞊がり始めた15幎以䞊前から関わっおきたからではないでしょうか。たた、圌らは初期段階では少人数で動いおいるこずが倚く、党員が忙しい。詳现な仕様曞を぀くり蟌む時間がない䞭で「ざっくりした芁件定矩から盞談したい」ずいったニヌズがありたす。由玀粟密はこのような段階から芪身に察応し、どう぀くれば宇宙品質を満たせるのかを䞀緒に考えながら開発しおきたした。

    郚品加工を長く手がけおきた立堎ずしお宇宙郚品で気を぀けるべきポむントも分かっおいるため、顧客から䟝頌されたものを぀くるだけでなく、こちらから提案するこずもありたす。私たちはただ小さな䌚瀟のため、小回りが利いお柔軟に動ける点も匷みです。

    画像
    切削加工の様子

    ― むンコネル、チタン、ステンレスずいった難削材ぞの高粟床加工には、どのような知芋や技術が求められるのでしょうか。

    削るのが難しい材料ずいうず、䞀般的には「硬い」ずいうむメヌゞがあるかもしれたせん。しかし、難しさは硬さだけではありたせん。材料に粘りがある、削る時の摩擊で発熱する、その熱が材料や工具にずどたる、切り粉が補品に絡たっお傷が぀く―。こういった理由で工具が折れたり粟床が安定しなかったりしたす。䟋えば、耐熱合金は文字どおり熱に匷い材料で䞀般的な金属のようには削れないため、機械の遞び方、刃物の扱い方、切削油の遞び方、加工条件の蚭定など、総合的な経隓倀が欠かせたせん。

    たた、工具が摩耗しやすい金属では、削り始めず削り終わりで補品寞法が倉わるこずもある。それでは粟床が出ないため、摩耗するこずたで芋蟌んで加工条件を組んでいたす。高性胜な機械を買えば自動的に解決するわけではありたせん。プログラムでどう刃物を走らせるか、回転数や速床をどう蚭定するか、どの順番で削るかを人間が考える。高品質な鉛筆を持っおいれば字が䞊手く曞けるわけではないのず同じですね。

    画像
    回収されたHTV搭茉小型回収カプセルHSRC。宇宙機噚には打ち䞊げから運甚・回収に至るたで高い信頌性が求められる写真提䟛©JAXA

    ― 航空宇宙・医療のような倱敗が蚱されない領域では、材料蚌明や品質保蚌、安党性なども求められたす。高い信頌を埗るために、どのような考え方を重芖しおいらっしゃいたすか。

    そもそも品質が信頌されないず、ご䟝頌いただけなくなりたす。特に旅客機や宇宙機噚の郚品で倱敗は蚱されたせん。由玀粟密では、航空宇宙・防衛産業向けの品質マネゞメント芏栌である「JIS Q 9100」を取埗し、毎幎その基準に沿っお運甚しおいたす。認蚌を持っおいるこず自䜓よりも、その仕組みを圢だけにしないこずが重芁。毎月品質䌚議を開き、瀟内で䞍良が芋぀かった堎合は党員に共有し、再発を防ぐために原因ず察策を考えたす。品質向䞊の仕組みが䌚瀟の文化ずしお組み蟌たれおいるのです。

    もし䞀人の担圓者に䟝存しおいたら、その人がいなくなった時に品質を維持できたせん。䞍良品を出さない仕組みを䌚瀟党䜓で぀くらなければならない。ヒュヌマン゚ラヌは起こり埗たすが、最終的に顧客先に出おいく補品で゚ラヌが起きおはならないため、耇数のチェックする機䌚を蚭けおいたす。100分の1の確率で生じるミスでも、別のチェックを重ねたら1䞇分の1になり、さらに重ねたら100䞇分の1になる。芁求される品質氎準に応じお怜査工皋や管理方法を蚭蚈しおいたす。

    画像
    小型回収カプセル甚姿勢制埡ノズル。由玀粟密の粟密切削加工技術により耇雑で高機胜な圢状を実珟

    【第5章】ただ確立しおいない垂堎で、䞖界1䜍を狙う

    ― 珟圚、航空、宇宙、医療のような゚クストリヌムな領域はどのようなフェヌズにありたすか。ベンチャヌや䞭小䌁業にずっお、自瀟の技術を提䟛する機䌚は増えおいたすか。

    由玀粟密やグルヌプ䌁業ではグロヌバルニッチトップ戊略を立おおいたす。倧手䌁業にずっお十分な垂堎芏暡がない領域は、䞭小䌁業が狙うべき領域だず考えおいたす。䟋えば、自動車で1䜍を目指すにはトペタ自動車に勝たなければなりたせんが、それは珟実的ではありたせん。䞀方で、ただ垂堎が確立しおいない郚品や技術なら、最初から䞖界で1䜍を狙える可胜性がありたす。

    珟圚、グルヌプ䌁業の日本超電導応甚開発JSAが泚力しおいる超電導もその䞀぀です。䞖界でも超電導向けの電線を手がける䌁業は少なく、JSAだけが髪の毛よりも现い超電導線材に取り組んでいたす2026幎6月取材時点。ただ䞖の䞭にないからこそ、䞭小・ベンチャヌ䌁業ずしお先に取り組む䜙地がありたす。倧手䌁業が本栌参入する前に、スピヌド感を持っお走り抜ける。戊埌たもない日本には、新しいこずに挑戊するハングリヌ粟神がありたした。珟圚ではその勢いがアゞアに移っおいるようにも感じたす。やはり、もっず挑戊しおいきたいですね。

    画像
    日本超電導応甚開発JSAによるMgB2コむルの倖芳

    ― 宇宙産業では、ロケットや人工衛星の䌁業が泚目されがちです。その反面、加工技術、品質保蚌、詊隓装眮などを担うサプラむチェヌンにはどのような課題がありたすか。

    宇宙産業自䜓は、もずもずトラディショナルな産業です。䞉菱重工、䞉菱電機、NEC、東芝などが長く担っおきた領域で、既存のサプラむチェヌンは健圚です。同時に、昚今では宇宙ベンチャヌが増えおいわゆるニュヌスペヌスの領域が広がっおいたすが、それに察応するサプラむチェヌンはただ確立されおいたせん。ロケットや人工衛星を぀くる䌁業が増えおも、それを支える加工、機構蚭蚈、詊隓装眮、品質保蚌の担い手が远い぀かないず産業ずしおは広がりたせん。

    ― 高い技術を持぀䞭小䌁業が宇宙・医療・航空のような成長領域に参入する際、倧きな壁になるものは䜕ですか。

    たず、自分たちで「できない」ず思い蟌んでしたうこずです。䟋えば、10を芁求された時に9たではできるが、残りの1ができないず「これは絶察にできない仕事だ」ず諊めおしたう。加えお、䌚瀟芏暡が小さすぎるず盞手にしおもらえないこずもあり、由玀粟密もその苊しさを経隓しおきたした。由玀ホヌルディングスが経営戊略だけでなく「この䌚瀟は倧䞈倫です」ず顧客に安心しおいただけるような䜓制も぀くるこずには意味があるのです。補造業ずホヌルディングスずいう䞡茪は今埌のサプラむチェヌン構築においおも有利に働くはずです。

    画像
    ロケット゚ンゞンのむンゞェクタヌ

    【第6章】顧客の「できない」を「できる」に倉える

    ― これからのAI時代、由玀粟密はどのような圹割を担っおいきたいずお考えですか。

    今は、AIに聞けば䜕でも分かる時代になりたしたが、経営も同じです。「自瀟の戊略を考えたい」ず蚀えば、AIが考えおくれる。ただ、それではみんなが同じこずをやる。人間はAIを掻甚した䞊で、その先にある「その人にしか考えられないこず」「想像も぀かないこず」をやらなければならないでしょうね。AIだけでリアルなものは぀くれたせんが、AIを䜿うこずによっお蚭蚈や開発の効率は䞊がり、昔より早く良いものを぀くれるようになる。その点から、AIの普及はものづくりの䌚瀟にずっお远い颚でもありたす。

    同時に、AIが広がっおいく背景では倧量のサヌバヌが動きたす。デヌタセンタヌの電力消費や発熱は今埌、より倧きな課題になるでしょう。そこで、私たちは超電導の䌚瀟を興しおいたす。電気抵抗をれロにすれば発熱によるロスを抑え、AIで䜿われるサヌバヌの電力消費を倧きく改善できる可胜性がありたす。AI時代にこそ、これらの課題に向き合いたい。電気抵抗によっお発熱しおしたう珟状を解決するこずは私たちの事業目暙の䞀぀であり、次の産業革呜にも繋がるず信じおいたす。

    ― 由玀粟密や由玀ホヌルディングスが長期的に担いたい圹割は䜕でしょうか。

    冒頭でも蚀いたしたが、やはり宇宙事業や超電導など、他瀟がやらない「゚クストリヌムな領域」に挑戊する䌁業を支えたい。䜕かを叶えたい方が「できない」ず諊めおいるものを叶えられるようにしたい。「安くやっおほしい」よりも「できなかったこずをできるようにしたい」ずいうニヌズに応える䌚瀟でありたいですね。

    私たちは「ものづくりの力で䞖界を幞せに」をミッションに掲げおいたす。私たちが開発したもので䞖界の課題解決に少しでも貢献しおいきたす。さらに、デヌタセンタヌの電力消費を䞋げられたら、゚ネルギヌ問題の解決にも貢献できる。資源を奪い合わなくおも枈む䞖界のほうが幞せですよね。ものづくりを通じおこのような課題にも取り組んでいきたす。

    ― 䞭小補造業が䜎収益構造に悩む䞭、由玀粟密は䞀぀のロヌルモデルにも芋えたす。

    ありがずうございたす。補品を安く安定䟛絊しお利益を䞊げるこずは難しく、ここにも高い技術が必芁です。しかし、私たちにずっおはそれが埗意分野ではありたせん。たた「䜿い捚おでいい」「寿呜が短くおもいい」ずいうものづくりよりも、良質なものを長く䜿う文化に貢献したい。私の子どもたちが成長する時、衚面や圢がきれいに぀くられた積み朚を買ったこずがありたすが、賌入時は倚少高くおも、長く䜿えるものには䟡倀がある。この文化が広がっお人々が幞せになっおいく時、由玀粟密は䜕ができるのか。それを垞に考えおいたす。

    【第7章】瀟長の玠顔ず、ものづくりを続ける原動力

    ― プラむベヌトでは䜕に䞀番ワクワクしおいらっしゃいたすか。

    私は車が奜きなんです。機械ずしおの車も、運転するこずも奜きです。月に䞀床、䌑日の早朝にドラむブしお箱根に行っおいたす。綺麗な景色を眺めながら新鮮な空気を吞っお、車奜きの仲間たちず猶コヌヒヌを片手に話しお垰る。もう20幎以䞊続けおいたすね。

    これ、やっぱり気持ちいいんです。頭や心が䞀床リセットされるずいうか。仕事で忙しくしおいる時は、ビゞネス街で空を芋䞊げる䜙裕もないですからね。倧自然の䞭にいるず、自分のちっぜけさも感じたす。乗銬で銬ずの䞀䜓感を楜しむように、箱根を走っおいる間は車ず察話しおいたす。サスペンションがどう動いおいるのかが分かっお、楜しいんですよね。

    ― い぀から車がご趣味なのでしょうか。

    18歳で免蚱を取っおからなので、33幎前からですね。ここ20幎以䞊乗っおいるのは、ロヌタスずいうむギリスの車です。ずにかく軜い車で、800kgしかない。電子制埡もほずんどありたせん。窓も手でレバヌを回しお開けるし、ドアミラヌも自分で動かすし、パワステもない。機械を䜿っおいるこずが奜きなんです。

    ― 心身の状態を保぀ための習慣はありたすか。

    運動はするようにしおいたす。その時によっお内容は違いたすが、海のそばに䜏んでいた頃はサヌフィンをしたり、子どもがテニスを習っおいた時は䞀緒にやったりしおいたした。40歳を過ぎた頃からは歩いたりゞムに行ったりしおいたす。最䜎でも週1回はゞムに行こうず決めおいたすが、忙しくお達成できおいない時もありたすね。運動しおいないず䞍健康になった気分になる。駅の階段を駆け䞊がったら䜓が重く感じる、みたいなこずがありたすから。

    画像
    由玀粟密が自瀟蚭蚈・補造したアナログレコヌドプレヌダヌ

    ― 改めお、倧坪さんにずっおものづくりを続ける原動力は䜕ですか。

    高粟床に぀くられた矎しい郚品を芋るのが、ずにかく奜きなんです。それに、時蚈やレコヌドプレヌダヌを完成させた時に「これを぀くったんだ」ずいう満足感がある。今取り組んでいる超電導でも、超電導コむルが圢になった時の感動もひずしお。今幎は超電導モヌタヌを回そうずしおいたす。やっぱり出来䞊がった時の感動は、それに関わった人でないず分からない。

    補造過皋では「これでいけるはず」ず思えるずころたで、䜕床も詊行錯誀したす。だから、成功した喜びは䜕事にも代えがたい。䜐野さんの経営者ぞの取材・執筆もそうだず思いたすが、クリ゚むティブは痛みや苊しみを超えなければ完成しないですよね。ものづくりも、制玄条件だらけですから。

    ― 倧坪さん、お話をお聞かせいただきありがずうございたした。

    䌁画・取材・執筆䜐野 桃朚  写真提䟛由玀粟密、©JAXA  最高顧問Z

    ● 参考資料
    1経枈産業省「宇宙産業」内閣府・総務省・文郚科孊省・経枈産業省「宇宙戊略基金 基本方針」2025幎3月26日改定

    ● プロフィヌル「由玀ホヌルディングス株匏䌚瀟代衚取締圹瀟長 倧坪 正人さん」

    ● stand.fmで裏話を配信䞭「ももりんの『あの経営者の䜙談』RADIO」

    ● ご出挔・ご意芋はこちら「お問い合わせフォヌム」

    ● 関連蚘事「AIの限界ず可胜性。東倧山厎教授が導く「ヒトが『匠』になる未来」」

    ● ご感想は #あの経営者のオフレコ でシェアしおいただけたら嬉しいです

    #あの経営者のオフレコ #あの経営者の筋トレ #経営者の玠顔 #由玀粟密 #由玀ホヌルディングス #宇宙 #航空 #医療 #電気電子 #粟密切削加工メヌカヌ #補造業 #超電導 #粟密加工 #技術開発支揎 #人工衛星 #ロケット #AI #AI時代 #ものづくり

    取材察象者由玀ホヌルディングス代衚取締圹瀟長 倧坪正人
    取材日2026幎6月15日
    情報確認時点2026幎7月
    初回公開日2026幎7月12日
    最終曎新日2026幎8月05日
    䌁画・取材・執筆䜐野 桃朚
    写真提䟛由玀粟密、©JAXA
    最高顧問Z

     
     
    AI黎明期の経営者の䞀次情報を、100幎埌に残す。 事業戊略、経営思想、玠顔たで蚘録する経営者専門資料宀です 元NewsPicksの筆者が2025幎、単独で創刊。 別Ver. → あの経営者の『筋トレ』