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読み切り恋愛短編集【れれこい】7.プログレス 817

    読み切り恋愛短編集【れれこい】

    前日譚⤵️

    ※読み切りですが、関連のある章には同じヘッダー画像を使用していますので、ご参考になさってください


    第7話 プログレス

    れれ子「岩崎さん、こんにちは。
    いつもお待たせしてすみません」


    岩崎「れれ子さん、こんにちは。
    今日は可愛いワンピースですね。
    あ、これってセクハラになっちゃいますかね」


    れれ子「岩崎さんならいいですよ。
    でも、このワンピースはデートに向かないんです」


    岩崎「はっ⁇」


    れれ子「いえ、何でもありません。
    お気になさらないでください……」


    岩崎「どうぞ、又ソイラテとシナモンロールですけど」


    れれ子「ありがとうございます。
    覚えていてもらえて嬉しいです」


    岩崎「違うものが良かったら追加で言っちゃってくださいね」


    れれ子「岩崎さんの選ぶものなら何でも……」


    岩崎「えっ⁇」


    れれ子「いえいえ……」
    「あの、これ6回目の原稿です。
    前回までのが割りとシリアスな感じだったので、ちょっと軽めにと思ったんですけど、テイストは変えない方が良かったですか」


    岩崎「大丈夫ですよ。
    れれ子さんの枠ですから実験しちゃってください。
    良かったら、カットも違う人に頼んでみましょうか。
    ポップ系が得意な人もいますからね」


    れれ子「じゃあ、岩崎さんに読んでいただいて、イメージの合う人にカットをお願いしようかな」


    岩崎「僕が選んで良いんですか」


    れれ子「だ•か•ら、岩崎さんが選ぶものなら何でも、うふ」


    岩崎「えっ⁇」


    れれ子「何でもないです」


    岩崎「今日はよく空耳が聞こえるみたいです」


    れれ子「空耳じゃないです」


    岩崎「えっ⁇」


    れれ子「何も言ってませんけど……」


    岩崎「おかしいなぁ、何か調子が狂うなぁ」


    れれ子「素敵です……」


    岩崎「えっ⁇」


    れれ子「何も……」


    岩崎「おかしいなぁ……」
    「(気を取り直して)ところでですね、今はタイトルもペンネームも『(仮)』って付けてるじゃないですか。
    そろそろ本チャンを決めませんか。
    発行済みの4•5•6月号は仕方ないですけどね」


    れれ子「『れれこい(仮)』も『れれ子(仮)』も結構気に入ってるんですけど」


    岩崎「いつまでも(仮)ってわけには行かないでしょう」


    れれ子「じゃあ、岩崎れれ子?」


    岩崎「いやいや、それは僕の名前ですからね」


    れれ子「私は別にいいですけど」


    岩崎「僕の方はあんまりよくないですね」


    れれ子「どうしてですか。
    もしかして岩崎さんは私のことを、きら……」


    岩崎「ちょ、ちょ、ちょっとれれ子さん。
    ここで涙なんか流さないでくださいよ」


    れれ子「じゃあ、好き……?」


    岩崎「あのね、れれ子ちゃ……
    いや、れれ子さん」


    れれ子「今、れれ子ちゃんって言った‼︎」


    岩崎「言ってません。
    れれ子さん、聞いてくださいね。
    僕はれれ子さんの担当なんですよ。
    嫌いでは務まらないでしょう」


    れれ子「じゃあ、好きなんだ⁇」


    岩崎「……」
    「(気を取り直して)途中かられれ子さんが編集者と同じ名字を名乗ったりしたら、編集部内で勘繰られるでしょう」


    れれ子「私は別に良いですけど」


    岩崎「ない腹を探られては、僕が仕事をやり難いんです」


    れれ子「岩崎さんにとって私は、ない腹なのね……」


    岩崎「お願いですから、ここで涙は勘弁してください」


    れれ子「どこでならいいんですか。
    岩崎さんのおうち?」


    岩崎「ペンネームとタイトルどうしますか」


    れれ子「あ、居直った」


    岩崎「仕事です。
    ここで決めたら、4号に間に合いますから」


    れれ子「お花とか自然とかが好きなんですよね。
    野原れれ子って思ったんですけど、有名なアニメと同じ名字だし。
    水辺よりは花、野、山、咲く、とかかな」


    岩崎「野山れれ子では、後は野となれ山となれって感じだしね」


    れれ子「あ、秋‼︎」


    岩崎「秋?突然どうして」


    れれ子「ほら、私って花粉症じゃないですか」


    岩崎「いや、知りませんけど」


    れれ子「だから春より秋の方が好きなんです。
    岩崎さん、秋はお好きですか」


    岩崎「そりゃまぁ好きですよ。
    美味しいものも多いですしね」


    れれ子「でしょう?
    岩崎さんがお好きで良かった‼︎
    亡くなった父の名前にも秋が入ってるんです。
    丁度いいと思いませんか」


    岩崎「丁度、がよく解りませんけど」


    れれ子「花や原や野は、五十音順でもアルファベット順でも中くらいじゃないですか。
    でも秋は『あ』だし『A』ですよ。
    aikoもAIも絢香も『あ』だし『A』なんです」
    「岩崎さん、Alexandrosアレキサンドロスはお好きですか」


    岩崎「まぁ好きですけど。
    今日のれれ子さんはいつにも増して唐突だなぁ」


    れれ子「Alexandrosはね、元はChampagneシャンペインだったんです。
    でも改名したから『あ』だし『A』になったんです」


    岩崎「なるほどね。
    では秋……何にします?」


    れれ子「秋崎?」


    岩崎「言いにくくないですか。
    アキサキにしてもアキザキにしても。
    もしかして岩崎の崎を考えてるなら離れてください」


    れれ子「どうして分かっちゃったんですか。
    まぁ、何だかギザギザしてますしね。
    秋田は『飽きた』みたいで嫌だし」
    「秋は実りの季節ですよね。
    秋米、秋栗、秋芋、秋梨、秋林檎、秋葡萄……」


    岩崎「実りでしょう……
    秋実あきざねってどうですか。
    秋実れれこ、良くないですか」

    れれ子「岩崎さんが名付け親だなんて、か•ん•げ•き。
    一生着いて行きます‼︎」


    岩崎「はっ⁇
    ところで画数とかは確認しなくていいんですか。
    いわゆる姓名判断ってやつですけど」


    れれ子「めっちゃ気に入りました。
    岩崎さんの名付けに敵うものはありません‼︎」


    岩崎「では4号から『れれ子(仮)』改め『秋実れれ子』で行きますよ」


    れれ子「岩崎さん……」


    岩崎「ん?」


    れれ子「岩崎れれ子じゃなくなってごめんなさい……」

    岩崎「えっ⁇」


    れれ子「う、う、すん、すん……」


    岩崎「れれ子ちゃ……
    れれ子さん、ここで泣かないでくださいよ」


    れれ子「くす、今、れれ子ちゃんって言った‼︎」


    岩崎「言ってませんったら……」




    岩崎さんが褒めてくれたワンピース⤵️

    後日譚⤵️


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    #66日ライラン  8日目
    #ヤス_ウエダヤスシ 様⤵️

    #note祭 #プリン 様⤵️

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