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vol.183おひとひさま編【メランコリー】我慢発うつ病行き 1310


    前話

    我慢発うつ病行きマガジン
    ※モラハラ夫編•パワハラ編は別マガジンに収録



    気分が塞ぎがちなのは、日照時間が短くなったせいか、急に気温が下がったせいか、それとも仕事の疲れが溜まっているのか。
    元気がないのは仕方ないとして(いいのか?)、読むのも、書くのも、弾くのも、歌うのも、「やりたい」と思えないし、何もしたくない。

    先月には胸痛やめまいもあったし、私を動かすエネルギーというかパワーというかバッテリーというか、その残量が減っている気がする。
    メランコリーと秋は相性がいいらしい。


    うつ病と診断されて休職する前の期間がこんな感じだったと思い出す。
    朝起きたら吐き気がするほど気分が重い。
    義務感だけを原動力に、早めに出勤。
    カラ元気と痩せ我慢で自分を騙し、仕事仕事仕事。
    遅くに帰宅すれば家事。
    疲れ果てているのに寝付けず、眠りは浅い。
    いつになったらこの無限ループから抜け出せるんだろう?
    私は何のために生きているんだろう?

    こんな毎日を続けていて、職場で突然倒れたんだった。
    目も開けられず、顔も上げられず、立ち上がれなくて、タクシーに押し込まれて帰ったんだった。
    過剰にエネルギーを放出しすぎて、空っぽになってしまったうつ病だと言われたんだった。
    「これからは休むのが仕事です」と言われたんだった。

    三連休も出勤。
    事前にシフト希望を提出していても、勤務不可日以外は考慮されていない。
    職場にはうつ病•休職のことは伏せているし、シフト作成の大変さは経験上よく解るから黙っといてやる。

    なんてことを考えながら徒歩で出勤中のこと。
    向こうの方から車道を挟んだ向かい側を歩いてくるのが、由美(仮名、長女)だと気づいた。
    手を振ってみたけれど、近視の上に「母とは設定ゼロ希望」の由美が反応するわけない。
    声が届くほど近づいたときに「おはよう‼︎」と更に大きく手を振ったら、ちらりとこちらを見たような。
    よし、今日はいつもより良い日になる。


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    通勤路の道端の小さな植え込みで
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    奔放に生きてるコキア


    と思ったのに、ミスをした。
    上向きになりかけていた気持ちが大いに凹む。
    この種のリカバリーには権限が必要で、その権限が私にはない。
    何食わぬ顔をして自力で処理することは叶わず、更に凹む。
    直ぐさま男性社員に状況を説明してリカバリーを依頼。
    何の支障も残さず事なきを得たけれど、私の気持ちはドンヨリ。

    ところで、職場には私が「吊し上げ」「晒し者」と勝手に名付けている帳票があり、オープンスペースに丸見えの状態で置かれている。
    正式名称は「○○○クレーム報告書」。
    報告書とは名ばかりで、ケースの共有にも再発防止にも繋がらない。
    「誰がミスしたか?」だけが印象に残る帳票。



    リカバーしてくれた男性社員は、笑顔が少なく、必要最小限のことしか喋らず、言葉はいつもズバッと単刀直入で、はっきり言って、怖い。
    私はちょっと苦手。
    彼は私のミスを書き込まなかった。
    書かなかった理由は解らない。
    自らミスを申し出たからかもしれないし、迅速にリカバリーを依頼したからかもしれない。
    もしかしたら「書いても改善には繋がらない」「書かれた人が一時的に落ち込むだけでメリットが少ない」と解っているのかもしれない。
    だとしたら、怖そうだけどいい人やん。
    私は「彼が書かなかったからこそ、一層気を引き締めよう」と思った。

    翌日も出勤。
    業務中に寝落ちすることはないけれど、振り払っても眠気は去らないまま。
    前日のようなミスは繰り返さないよう、でも張り切りすぎないよう、自分の機嫌と体調にお伺いを立てながらすごす。

    と、先輩が顧客からクレームを受けた。
    先輩からは、まるで顧客に非があるように経緯を聞いたけれど、私には「どっちもどっち」と受け取れる内容。
    この件に関して先輩は権限を有しており、自立でリカバー。
    例の「○○○クレーム報告書」には、さも顧客が悪いように自分で書き込んだ。

    ほらね、こういうことができちゃうんだよ。
    状況を知らずに「○○○クレーム報告書」だけを読んだ人は、先輩には何の落ち度もないと思うはず。
    「何が原因?」「どこがネック?」「再発を防止するには?」なんて、当事者も含め誰も考えないで済んでしまう。

    モヤモヤと考え続けている自分に気づいて、ハッとする。
    これ、私の問題とちゃうやん。
    こんなところに正義感を発揮してどうするの。
    先輩が「ほんと、災難だったわ〜」とまるで被害者のように言ってきても、「大変でしたね」って言っておけばいいやん。
    無駄なことにエネルギーを使うな、私。

    帰宅してしばらくしたら、修(仮名、長男)が荷物を取りに来た。
    修が私と喋らないのはいつものこと。
    私がひとりで話しかけるのもいつものこと。
    修からの返事はないけれど、聞いてるし覚えてるってことを私は知っている。



    「明日も仕事、だりいなぁ」と思うと、未だやることは沢山あるのに、もう眠い。
    やる気はちっとも戻ってこない。
    メランコリー。
    知ってるよ、やる気スイッチなんか端はなからどこにもないんだって。

    昨日は由美に会えたし、今日は修に会えたし、少しくらいはエネルギーチャージになったかな。
    母親って安上がりだ。


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    半身だけ紅葉中










    全記事をマガジンに収録しています 2025.11.6

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