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【VRバイク日本一周】 北海道編:1 「北海道、デカすぎない?」


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    第二話 北海道、デカすぎない?

    「……北海道、デカすぎない?」

    キサマは、VRの地図を見つめたまま固まっていた。

    画面に表示されているのは、北海道。

    日本地図の上では、ひとつの島。

    だが――。

    実際に拡大してみると、やたら広い。

    「これ、本当に一日で走れるのか?」

    もちろん、ゲームだから移動そのものはできる。

    けれど、今回の旅はただクリアするための旅じゃない。

    北海道を走る。

    景色を見る。

    食べる。

    そして、知らない土地を知る。

    そのための日本一周だ。

    キサマは相棒の前に立った。

    そこにあったのは――。

    カワサキ GPz750F。

    「お前で行くぞ」

    1980年代の空気をまとった、カウル付きの750cc。

    空冷エンジン。

    最高出力は77馬力。

    中身は、カワサキらしいザッパー系エンジンだ。

    最新のバイクとは違う。

    でも、この姿がいい。

    「昔のバイクなのに……77馬力もあるのか」

    キサマは少し笑った。

    「これ、北海道に似合うんじゃないか?」

    大きな道。

    遠くまで続く景色。

    そして、どこまでも広い空。

    GPz750Fのカウルの向こうに、北海道の景色が広がっていく。

    キサマは走り出した。


    大雪ダム

    最初に向かったのは、大雪ダム。

    山の中へ進んでいくと、周囲の景色がどんどん変わっていく。

    建物が減る。

    車も減る。

    そして――。

    目の前に、大きなダム湖が現れた。

    「うわ……広っ」

    湖の向こうには山。

    そのさらに向こうにも山。

    北海道の大自然が、画面いっぱいに広がる。

    キサマはバイクを止めた。

    「こういうところ、バイクで来ると気持ちいいだろうな……」

    走ることだけが目的じゃない。

    途中で止まって、景色を見る。

    それもツーリングの楽しみだ。

    キサマはしばらく湖を眺めた。

    そして、ふと思う。

    「北海道……まだ始まったばっかりなんだよな」


    層雲峡へ

    次に向かったのは層雲峡。

    大雪山系の山々に囲まれた、北海道を代表する景勝地のひとつだ。

    道路を進んでいくと、岩壁が目に入ってくる。

    「おお……」

    今度はキサマも言葉が少なくなった。

    巨大な岩壁。

    深い谷。

    その中を道路が伸びている。

    「これ、ゲームじゃなくて本当に見たらヤバそうだな」

    バイクのミラーに映る景色まで、北海道だった。

    GPz750Fのエンジン音が響く。

    それが妙に心地いい。

    キサマは少しだけ速度を落とした。

    景色を楽しむためだ。

    「急がなくていい」

    そう言って、また前を見る。


    三国峠

    そして北海道のツーリングスポットとして外せない場所へ。

    三国峠。

    標高は約1,139メートル。

    北海道の国道の峠としては最高地点にあたる。

    キサマは峠へ向かって走っていく。

    山の中を進み、視界が開ける。

    「……うわ」

    そこには、どこまでも続くような森があった。

    北海道の大きさを、今度は数字ではなく景色で感じる。

    「北海道、デカすぎない?」

    また言った。

    そして少し考える。

    「いや……デカいっていうより、広すぎる」

    キサマはGPz750Fを止めた。

    ヘルメットの中で、思わず笑う。

    このバイクで、この景色を見に来る。

    それだけで旅になる。


    北海道といえば……

    「腹減った」

    景色を見ていたら、腹が減った。

    キサマの頭に浮かんだのは――。

    ジンギスカン。

    「北海道、食べ物まで強ぇな!」

    羊肉を焼いて食べる北海道の代表的な料理。

    旅先で食べると、なぜか普段よりうまく感じる。

    さらに北海道には海鮮もある。

    寿司。

    海鮮丼。

    ホタテ。

    カニ。

    そしてラーメン。

    味噌ラーメンをはじめ、北海道には地域ごとに特色あるラーメン文化もある。

    「待て……」

    キサマは真剣な顔になった。

    「北海道、一周する前に太るんじゃないか?」

    旅の最初から、重大な問題が発生した。


    もうひとつ、知りたいこと

    北海道を走っていると、キサマはあることに気づいた。

    観光地や食べ物だけではない。

    ここには、北海道の先住民族であるアイヌの人々が育んできた文化がある。

    言葉。

    物語。

    音楽。

    工芸。

    自然との関わり。

    北海道を知るなら、景色だけでは足りない。

    その土地で暮らしてきた人たちの歴史や文化にも目を向けたい。

    キサマはそう思った。

    「日本一周って、観光地を集める旅じゃないんだな」

    知らなかったことを知る。

    それも旅だ。


    MISSION CLEAR!

    そのとき、VR画面に文字が浮かんだ。

    MISSION CLEAR!

    北海道・道北エリア走破!

    キサマは画面を見て笑った。

    「よし!」

    ……しかし。

    北海道の地図を見る。

    まだ、ものすごく広い。

    「……北海道、残りすぎじゃない?」

    日本一周の旅は、まだ始まったばかり。

    キサマはGPz750Fにまたがった。

    「次はどこへ行こうか」

    そのとき、ふと思った。

    自分だけで決めなくてもいい。

    この旅には、見てくれている人たちがいる。

    「みんな、教えてくれ!」

    キサマはカメラに向かって言った。

    「北海道で、バイクで行ってほしい場所はどこ?」

    「これは絶対食べろっていうものは?」

    「北海道ならではの文化で、知ってほしいものは?」

    そして――。

    「このバイクで走ってみろ!って場所も教えてくれ!」

    キサマは笑った。

    「次の北海道は、みんなのおすすめで走る!」

    こうして――。

    キサマと、みんなで走る日本一周。

    北海道編は、まだ始まったばかりだった。

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    誕生日が2月29日誕生の激レア人間です! 今は家で過ごしながら「文章コンクールに入賞してガッツリお金を稼ぐ!」という野望に向かって、本気で執筆中。 のんびり屋、でも熱意は誰よりも熱く書いています。僕の文章に合いそうなコンクールを知っている読者の方、ぜひ声をかけてください!

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