
【短編】先生と私
私は私の顔が嫌いです。
先生聞いてらっしゃいますかと彼女が言うので。
私は聞いてますよと答える。
それならいいんですと彼女が言って、そこからしばらく口を閉ざした。
お金を貯めて顔を変えるんですと彼女が言うので、あなたは素直でかわいいと思うけれど、と私は答えた。
でも先生はお化粧をなさるんでしょうと彼女が言うものだから、私は確かにとうなずいた。
化粧なら落とせるけれど、一度顔を変えてしまえばきっとキリがなくなるわよと私は答えた。
でもやっぱり私は私の顔が嫌いだわと彼女は答えた。
私はかわいいと思うんだけどなと私が答える。
彼女は口をぎゅっと結んで沈黙した。
私は少し失敗をしたかなと思ったので、先へ進むことにした。
お金が貯まったらどこを変えるのかしらと私は聞いた。
すると彼女の口角が一気に上がり、変えたい場所についてどんどんと話し始める。
その話を一通り聞いて私は思った。
それだけ変えてしまえばもはや別人ではないのかと。
だから私は、全く別の人になってしまうわねと言った。
先生、私の話を真面目に聞いていないでしょうと彼女は怒った。
いいえ聞いてますよと私は答える。
いいえ聞いてないわ。だって私、私の顔が嫌いだって言ったんだもの。私の顔が嫌いなんだから、それを変えるなら全部変えなきゃと彼女は言った。
でもそんなに変えてしまったら、私あなたにあってもきっと分からないわと私は答えた。
それは少し寂しいわねと付け加えた。
彼女はそれで少し困った顔をした。
でもやっぱり私は私の顔が嫌いなのよと彼女は答えた。