メインコンテンツへスキップ
見出し画像

『デジタルタトゥーを消したい』 〜アマノ文筆クラブ〜

    甘野さんの企画に参加させていただきます☺️

    ●タイトル:デジタルタトゥーを消したい

            ***

    「もうママ友、イヤ。デジタルタトゥーを消したい……」

    ママ友から友達になった、ミキコからそんな相談を受けた。

    彼女がそこまで深刻な顔をするなんて……驚くしかない。今まで見たことのない表情で。

    「……でも、また痛い思いするんじゃない?それでも消したいの?」

    私は、そう言った。

    「全然わからなかったけど……どこにあるの?」

    ミキコは、ビミョーな顔をして帰っていった。


    夜になって、スマホで検索をする。
    ミキコのことが気になっていた。

    あの時。
    雰囲気的に、それって何?とも聞けなくて。

    ーータトゥーってあれよね……。

    私の頭には、よくある入れ墨しか浮かんでいなかったのだ。

    救いを求めるようにちらりと見た先に……電子ピアノがあって。
    そういえば最近、デジタル機器が増えているなと思った。
    ピアノは昔からあったけれど、ドラムにも電子ドラムというものがある。
    電子ギターがあると言う話を、そういえば聞いたところだ。

    騒音問題からなのか……最近、いろんなことが問題になっているなと思った。

    と。
    ……深刻な話から現実逃避するかのように私の頭は本題からズレていって。
    最終的に脳裏に浮かんだのは……電熱ペンみたいなやつだった。

    多分そう!よくレーザー脱毛に使う機械みたいなやつで……レーザー的なアレでタトゥーでも入れたのかな?
    そう思って。
    私なりに、精いっぱいアドバイスをしたつもりだった。

    そんな顔するような場所のタトゥーって、いったいと?どこよ?

    と、盛大に勘違いをしたまま……。

    ーーごめんミキコ!
    言った言葉は取り消せない。
    でもどうしても謝りたくて、メッセージを送るために、アプリを開く。

    ーーそういえば……ママ友?あの言葉の前に、グループ面倒くさいとも言っていたっけ。

    ミキコとの会話を思い出しながら、アプリを開いた途端。

    「やっば……」

    まず……グループ連絡のアイコンについた、3桁数字の未読マークが目に飛び込んできた。
    私が悪い。
    でも、あまりにも頻繁にピコピコ鳴るし、スタンプの応酬がすごすぎて……面倒くさがり屋の私は、通知をオフにしていた。

    とりあえず既読にするために、そこをポチッと押す。

    グループ連絡の場であるはずのそれ。
    なのに……目に飛び込んできたものに思わず震えた。
    私に対するものだろうと伺えるイニシャルを使った悪口、誹謗中傷がずらっと並んでいたのだ。

    ーーえ?
    名指しじゃなくても、わかるものは、わかる。

    いろいろ問題になるからSNSはやっていない。
    だから、エゴサーチもしたことはない。

    それでも。
    念のため、もう一度検索画面を開いて……恐る恐る自分の名前を打ち込んでみた。

    『デジタルタトゥーとは』と検索したときに並んでいた言葉と同じような情報が、私の名前と一緒に並んでいた。

    知らなかっただけ。
    私もミキコと同じだったのだ……。

     
     
    長い間…自分のために書いていた物語たちを、形に残そうと思い立ちnoteをはじめました。 自己紹介をご覧ください。 今は、創作エッセイや企画のお話しに参加させていただき、書くことを楽しんでいます。 不思議な余白が好き。 (長編は、児童文学寄りかも?) よろしくお願いします🌳。

    あなたへのおすすめ