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デジタルタトゥーを消したい|アマノ文筆クラブ作品

    こちらに参加させて頂きました。

    「私の過去、消せませんか?」

    国民的アイドル・リナが探偵の俺に泣きついてきた。昨夜、彼女の学生時代の素行不良な写真が流出。「清純派の裏の顔」と大炎上し、ネットに刻まれたデジタルタトゥーとなっていた。

    「海外サーバーの画像は、物理的には消せない」

    俺が告げると彼女は絶望に沈んだ。だが翌朝、不可解なことが起きる。検索結果から例の写真が“消滅”したのだ。

    「一体どんな凄腕ハッカーが?」

    首を傾げる俺に、助手が笑ってスマホを見せた。

    「消したんじゃないですよ。沈めたんです」

    検索ワード『リナ 不良』。トップに並ぶのは、昨夜から突如始まったファン達による『リナに似合う最強ヤンキー設定』という大量の妄想イラストや小説だった。

    数万の“推し”たちの愛ある投稿がアルゴリズムを味方につけ、悪意ある元画像を検索結果の深海、数百ページ目へと追いやったのだ。

    「最高のファンですね」

    画面の中で、特攻服を着た彼女のイラストがピースをしていた。
    ネットは悪意だけでは出来ていない。

    (了)

     
     

    waki

     
     
    50代。 新聞販売店勤務を経て、体調不良から在宅ワークを模索中。 AIにノセられ、webライターや創作に挑戦しています。 ChatGPTと相談しながら、人生を少し立て直し中。 このnoteでは、50代の日常、AIとの付き合い方、働き方の不安や挑戦を、静かに書いています。

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