
【エッセイ|愛しき毒親】祈り
私の朝のルーティンで、
洗濯機のスイッチをオンにしてから、洗濯が終わるまで窓辺で読書をする。約30分間。
裏庭に数本の木があり、その奥には小さな山があり、山の上にはトトロに出てきそうな大きな樹がいくつかあって我が家を見下ろしている。山の中腹くらいからはたくさんの竹がしなっているので、小さな山というより竹林といった方がいいのかもしれない。鳥の歌声が早朝から聞こえてくる。それをBGMにして本を読むのが好きで、夜の鳥も寝静まった時間の読書と同じくらい、朝のこの時間をとても大切にしている。
車で1分も走れば、普通の市内。鳥の声も聞こえなくなる。
つくづく私の家の立地に感謝している。
ある日、2階のベランダで本を読んでいるとき、ふと顔を上げると白い蝶々が一匹、木のてっぺん辺りを飛んでいた。
あら、お父さん。
今日はお母さんと一緒じゃないの?
私は今とても平穏で幸せだから、
妹のことをよろしくね。
と心の中で言い終わる前に白い蝶々はどこかへ行ってしまった。
その直後、ふわぁっと風が吹き、木の枝が揺れて心地よい葉音が私を包んだ。
「妹のことをよろしくね」と心の中で呟いたのには理由がある。
毒母とそっくりな妹は、母より強い毒を持っている。
前のエッセイにも書いたが、母が亡くなってから私は妹によって実家事から排除された。
排除されてから一年以上経過。
排除された直後から、私の癖でもある「なぜ?」に対する分析が止まらなくなった。妹とのやり取りを何度も読み返し、振り返った。
他責思考、感情のみで行動する、味方になってくれそうな人には良い人アピール、気に入らない人には攻撃する、自分ができないことがあると弱さアピールをする、その場のノリで調子の良いことを言い、あとで矛盾しても適当な言い訳や「あれは冗談だった」とどこまでも自分は悪くないスタンスを崩さないという妹にとってはラクな生き方が、私の前では通用せず、調子が狂ってしまうのだろう。だから、私そのものを排除した、という結論に至った。
いつもイライラしている(ように見える)妹は幸せなのだろうか?
実家事から排除され、「関わるな」と言われてから四季も一巡し、私の中から怒りや悲しさ、疑問などは消えた。
そして、この先もう会わないであろう妹の幸せをただ祈るようになった。