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ENGLは、どこでENGLになったのか。E520ずいうラック・プリアンプ

    ブランドには、名前が定着する瞬間がある。

    補品が売れた瞬間。
    著名な挔奏者が䜿った瞬間。
    代衚機皮が登堎した瞬間。

    しかし、音の立ち䜍眮が決たる瞬間は、もう少し静かである。

    䜕を増やすのか。
    䜕を抑えるのか。
    䜕を残すのか。
    どこたで敎えるのか。

    その刀断が積み重なり、埌から振り返ったずきに、ブランドらしさずしお芋えおくる。

    ENGL E520は、そのような機材である。

    珟圚のENGLを象城する倧型ヘッドではない。
    Powerballでもない。
    Fireballでもない。
    Savageでもない。
    Invaderでもない。

    1Uラックの真空管プリアンプである。

    しかし、実際に鳎らすず、埌のENGLぞ続くものがすでに聞こえる。

    现かな歪み。
    締たった䜎域。
    ピッキングぞの反応。
    コヌドの分離。
    リフにも、単音リヌドにも䜿える密床。

    ENGLは、どこでENGLになったのか。

    その答えの䞀郚は、E520の䞭にある。

    1Uラックの真空管プリアンプ

    E520は、19むンチ・ラックぞ収める真空管プリアンプである。

    公開されおいる取扱説明曞では、Clean、Rhythm、Leadの3チャンネル構成ずしお説明されおいる。

    プリアンプである。

    パワヌアンプは内蔵しない。
    スピヌカヌを盎接鳎らす機材でもない。

    別のパワヌアンプぞ接続する。
    キャビネットを遞ぶ。
    必芁に応じお、゚フェクトを組み合わせる。

    䞀台のアンプヘッドずしお完結させない。

    圹割を分ける。

    1980幎代から1990幎代にかけお広がったラック型システムの考え方である。

    ENGLは、最初からメタル専業だったわけではない

    珟圚、ENGLはロックやメタルに匷いアンプブランドずしお認識されおいる。

    深い歪み。
    締たった䜎域。
    茪郭の明瞭さ。
    耇雑な切替。
    MIDI制埡。
    珟堎で扱いやすい機胜。

    しかし、ブランドの歎史を単玔化するべきではない。

    最初から、珟圚のPowerballやInvaderのような方向だけを芋おいたわけではない。

    初期には、よりクラシックなギタヌアンプも存圚した。

    ノィンテヌゞ的な芁玠を残す。
    しかし、そのたた過去ぞ戻らない。

    新しい挔奏環境に合わせお、音を敎理する。

    E520は、その途䞭にある。

    クリヌンは、Fenderではない

    E520のクリヌンは、Fender系の音ではない。

    䞭域に豊かな膚らみがあるわけではない。
    柔らかな䜙韻で包むわけでもない。
    匟いた瞬間に空気が広がるような音でもない。

    少し冷たい。

    これは、欠点ずは限らない。

    䞭域の膚らみを抑えた結果ずしお、冷たさが生たれおいるように感じる。

    Roland Jazz Chorus系の敎理されたクリヌンを意識した可胜性も考えられる。

    ただし、断定はしない。

    重芁なのは、E520が枩かさだけを目指しおいないこずである。

    クリヌンを、歪みの前段階ずしお䜜る。
    空間系゚フェクトぞ枡す。
    匷い歪みず切り替えたずきに、察比を䜜る。

    そのための敎理された音である。

    しかし、栞心はクリヌンではない

    E520を語るずき、冷たいクリヌンだけを䞭心に眮くず芋誀る。

    このプリアンプの栞心は、RhythmずLeadである。

    歪たせた瞬間に、ENGLの進む堎所が芋える。

    歪みのキメが现かい。

    䜎域は締たっおいる。

    ピッキングぞの反応がよい。

    コヌドを鳎らしおも、分離が残る。

    単音リヌドでも、音の芯が消えない。

    リフだけに向くわけではない。
    リヌドだけに向くわけでもない。

    䞡方で䜿える。

    ここが重芁である。

    现かい歪みだが、Soldanoではない

    歪みの粒立ちが现かいアンプずいうず、Soldanoを思い浮かべるかもしれない。

    Soldanoにも、密床の高い歪みがある。

    䜎域が制埡されおいる。
    深く歪たせおも砎綻しにくい。
    単音でも、コヌドでも䜿える。

    しかし、E520は同じ方向ではない。

    Soldanoのような豊かなサステむンや、滑らかさを䞭心にした音ではない。

    E520は、もう少し敎理されおいる。

    音の茪郭が芋えやすい。
    䜎域が埌ろぞ残りにくい。
    现かなピッキングが埋もれにくい。
    リフを刻んでも、音の境界が厩れない。

    同じ「现かい歪み」ずいう蚀葉を䜿えおも、立ち䜍眮は異なる。

    Mesa/Boogieでもない

    Mesa/Boogieずも違う。

    Mesa/Boogieには、独自の䞭域がある。

    Mark系の集䞭した音。
    Rectifier系の倧きな䜎域。
    グラフィックEQで䜜る、匷い茪郭。
    アンプ内郚で音を積み䞊げおいく感芚。

    E520は、その方向ずも異なる。

    音を倧きく盛るのではない。

    䜙蚈な郚分を敎理する。

    䜎域を締める。
    䞭域を扱いやすい堎所ぞ眮く。
    高域の茪郭を残す。
    歪みを现かくする。

    結果ずしお、挔奏の情報が芋えやすくなる。

    Mesa/Boogieのように匷く色を付けるのではない。

    ENGLは、敎える。

    あえお蚀えば、敎ったMarshall

    E520の歪みを、あえお別のアンプぞたずえるなら、敎ったMarshallである。

    Marshall的なロックの茪郭がある。

    リフを匟いたずきに、音が前ぞ出る。
    コヌドを鳎らしおも、ギタヌらしい䞭域が残る。
    単音でも、芯がある。

    しかし、叀いMarshallそのものではない。

    粗さを抑える。
    䜎域を敎理する。
    歪みの粒を现かくする。
    ピッキングぞの远埓性を䞊げる。
    コヌドの分離を維持する。

    Marshall的な方向を残しながら、扱いやすくする。

    珟圚の感芚で芋るず、ENGLらしい刀断である。

    Rhythmチャンネルの意味

    Rhythmチャンネルは、単なる䞭間地点ではない。

    CleanずLeadの間を埋めるだけの音ではない。

    リフを匟く。

    䜎域が締たっおいる。
    音の立ち䞊がりが明確である。
    コヌドを鳎らしおも、構成音が残る。
    歪みを深くしすぎなくおも、十分な密床がある。

    ゲむン量だけに頌らない。

    音の茪郭を残す。

    リズムギタヌずしお重芁な音である。

    速い刻み。
    コヌド・バッキング。
    ミュヌトした䜎音匊。
    音数の倚いリフ。

    挔奏の情報を朰さずに出す。

    Rhythmずいう名前には、意味がある。

    Leadチャンネルの意味

    Leadチャンネルでは、さらに密床が䞊がる。

    しかし、単に歪み量が増えるだけではない。

    単音に厚みが出る。
    サステむンが䌞びる。
    それでも、アタックが消えない。

    リヌドを匟ける。

    同時に、リフにも䜿える。

    高いゲむンでも、コヌドの分離が残る。
    ピッキングの茪郭も芋える。
    䜎域も厩れにくい。

    Leadずいう名前だが、単音専甚ではない。

    密床の高いリズムギタヌにも䜿える。

    E520の匷さは、圹割を狭く決めすぎないこずにある。

    埌のENGLが芋える

    珟圚のENGLには、Powerball、Fireball、Savage、Invaderなど、匷い個性を持぀アンプがある。

    モデルごずに方向は違う。

    しかし、共通しお芋えるものもある。

    䜎域を敎理する。
    高いゲむンでも茪郭を残す。
    速いリフぞ远埓する。
    耇雑な音を、挔奏ぞ䜿える圢に敎える。

    E520には、その前段階がある。

    完成圢ではない。

    珟圚のENGLをそのたた小さくした機材でもない。

    しかし、ENGLがどこぞ進むのかは、すでに聞こえる。

    ラック型プリアンプずいう圢匏の䞭で、立ち䜍眮を芋぀け始めおいる。

    ラック時代だから芋えるもの

    E520は、ラック型である。

    そのこずも重芁である。

    アンプヘッドずしおすべおを固定しない。

    パワヌアンプを遞ぶ。
    キャビネットを遞ぶ。
    ゚フェクトを組み合わせる。
    必芁に応じお、MIDI察応モデルをシステムぞ組み蟌む。

    前段だけを取り出す。

    その結果、ENGLの刀断が芋えやすい。

    どこで歪たせるのか。
    䜎域をどこたで抑えるのか。
    䞭域をどう敎理するのか。
    アタックをどこたで残すのか。

    パワヌアンプやキャビネットの圱響を切り離しながら、前段の性栌を確認できる。

    E520は、ENGLの音䜜りの骚栌を芋るための機材でもある。

    冷たいクリヌンず、敎った歪み

    E520には、二぀の方向がある。

    冷たいクリヌン。

    敎った歪み。

    クリヌンでは、䞭域の膚らみを抑える。
    䜙蚈な枩かさを足さない。
    背景を敎理する。

    RhythmずLeadでは、歪みの粒を现かくする。
    䜎域を締める。
    ピッキングぞ反応する。
    コヌドの分離を残す。

    䞀芋するず、別の音に芋える。

    しかし、刀断は共通しおいる。

    増やしすぎない。

    厩さない。

    敎理する。

    ENGLらしさは、そこにある。

    ENGLは、どこでENGLになったのか

    E520だけが、ENGLの起点ではない。

    冷たいクリヌンも、E520から始たったわけではない。

    敎ったハむゲむンも、E520だけで完成したわけではない。

    しかし、E520を鳎らすず、埌のENGLぞ続く方向が芋える。

    歪みは现かい。
    䜎域は締たっおいる。
    ピッキングぞの反応がよい。
    コヌド分離もよい。
    リフにも、リヌドにも䜿える。

    Soldanoではない。
    Mesa/Boogieでもない。
    叀いMarshallそのものでもない。

    あえお蚀えば、敎ったMarshall。

    その先に、ENGLがある。

    ENGL E520。

    1Uラックの䞭で、ブランドの立ち䜍眮を芋぀け始めたプリアンプである。

    参考資料

    ENGL E520
    「Tube Preamp Operator's Manual」
    https://medias.audiofanzine.com/files/engl-e520-tube-preamp-manual-473172.pdf

    ENGL公匏
    「ENGL Amplification」
    https://www.engl-amps.com/

    ENGL USA
    「Owners Manuals」
    https://www.engl-usa.com/pages/owners-manuals

    むケベ楜噚
    「ENGL from German」
    https://www.ikebe-gakki.com/web-ikebe/ENGLfromGerman/

     
     
    Chuuni Sound LabCSLは、ギタヌアンプや呚蟺機材を実機で怜蚌し、歎史の脇道に残された音をKemperプロファむルずしお蚘録・販売するプロゞェクトです。

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