
ロールケーキをナメてた自分を殴りたい。京都の路地裏で見つけた絶品スイーツ|松濤カフェ KYOTO
私はロールケーキをナメていました。
子どもの頃、母親がスーパーでよく買ってきたヤマザキの「スイスロール」。70%の確率で巻かれたフィルムが焼き面を剥がしてしまうアレ。
あまりに身近で、庶民的で、懐かしさはあっても特別感がない。
「ロールケーキなんてさ」
そう侮っていたのです。この一切れに出会うまでは。
それは、浅はかな自分をぶん殴りたくなるほど、幸せすぎる体験でした。
ようやく辿り着けたお店
京阪三条駅から歩いて2〜3分ほど。
だけど、え?どこ?と、地図アプリを見ながらでも迷ってしまう。
そんな京都の路地に「松濤(しょうとう)カフェKYOTO」さんはひっそりと佇んでいます。

こちらのお店を知ったのは、かれこれ1年半前。
京都のグルメ情報を発信されているArieさんの記事で紹介されていて、ずっと行きたいと思っていました。
本店は東京・渋谷区松濤。
店主が「もっとゆっくりカフェをしたい」と、京都に開いた2号店なんだそう。
周りは歴史あるお寺や住宅、そして銭湯が並ぶ、庶民的で下町情緒あふれるエリア。瀟洒なイメージの渋谷区「松濤」とのギャップがすごい。

「こんなところにカフェがあるん?」と少し不安になります。
キョロキョロしながら歩いていると、小さな看板を発見。
でも、これがまた、「え?やってるの?」と思ってしまうぐらいの、ひっそり感なんです。
そっと扉を開けると、マスターと店員さんがめちゃくちゃフレンドリーに出迎えてくれました。
ほっと安心。
案内されるまま、細くて急な階段を上がって2階へ。
そこには、小さいながらも店主のこだわりが感じられる、落ち着いたカフェスペースがあります。

席についてメニューを開く。
すると、名物のシフォンケーキがドンと目に飛び込んでくる。
トッピングもいろいろあって、目移りします。
「シフォンケーキのバタートーストって、なに……?」
焼き目のついたシフォンケーキに、どでんとクリームが載っている。
あまりに魅惑的で、もうカロリーへの罪悪感なんて、どこかへふっ飛んでしまいそう。

うーん、なかなか決められない。
ここは初めてのお店。
まずは定番から攻めるべきか。
いや、これから友達と食事なので、バタートーストはちょっと…
そんなことを考えながらメニューをさまよっていると、目に留まったのがロールケーキでした。

ロールケーキなんて、どこにでもあると思っていた
私はこれまでカフェに行って、あえてロールケーキを選ぶことは、ほとんどありませんでした。
スーパーにも、コンビニにもある。
ケーキ屋さんの隅っこにちょこんといるよね、ぐらいの感覚。
なんだか特別感がないのです。

でも、この日はなぜか違いました。
メニューの中で、たっぷりのクリームが私に「おいで、おいで」と手招きしているではないか。
美味しそう……純白のクリームを包み込む淡いお月様のような色の生地。
その引力にはあらがえず、ロールケーキに決めた。

続いては、サイズを選びます。
SS、S、M、L。
高さ(cm)で書かれているが、ちょっとイメージがつかない。
そこで店員さんに、「どれが標準的なサイズですか?」と聞いてみると、「Sでも十分大きいですよ!」と力強いご案内。
ならば、Sでお願いします。
無事に注文を終え、ホッと一息。
店内を眺めつつ、しばし待ちます。

見た目も味も普通じゃなかったロールケーキ
そして、運ばれてきたロールケーキを見てびっくり。
思ってたんより、でっかい!!
Sサイズって「Small」じゃなくて「Special」のSですか?
そんな心の声が聞こえたのか、「ちょっと大きめを選んできました!」と店員さん。
もう、あなたを神と仰ぎたい。

このサイズは嬉しい。
子どもの頃、ロールケーキが出てきたら、わざと等分ができないフリをして、自分の分だけを大きめに切っていたセコい自分を思い出します。
でも、今はもう大人ですから。
さすがにこの量を食べて胸焼けしないだろうか……
ちょっとだけ不安になりながら、そっとフォークを入れてみると、生地がふわっとしていて柔らかい。
そして、一口食べてみる。
………こ、これは!
お、美味しすぎるやん……
思わず天を仰ぎ、椅子の背もたれに身を預けてしまう。
これ、めちゃくちゃ好き。

生地は、もっちりしているのに軽い。
口の中でほどけていく感じが心地いい。
そこに、たっぷりのクリーム。
ミルクのコクがしっかりあるのに、甘さが前に出すぎない。
生地とクリームを一緒に食べると、そのバランスがちょうどいい。
たっぷりなのに、重くない。
気づけば、もう一口。
もう一口。
「食べ切れるかな」と心配していたのは何だったのか。
止まらない。
もう誰にも止められない!

見た目は、いたって普通のロールケーキ。
色とりどりのフルーツが入っているわけでもないし、思わず写真を撮りたくなるような、派手なデコレーションもない。
名前だって、お店の名前をそのまま冠した「松濤ロール」。
ド直球すぎて空振りしそう。
必要以上に主張しないけれど、しっかり記憶に残る味。
マスターの軽快なノリとは裏腹に、すごく丁寧でに作り込まれたことを感じます。
本当に美味しいものって、いつもひっそりとしている。
そして、これだけはハッキリと言えます。
こんな美味しいロールケーキを私は食べたことがありません。
これを越えるものには、もう出会えないんじゃないかと思うぐらいに。
私にとっては、そんな忘れられない逸品です。

隣の席の女子大学生が、土管みたいなロールケーキ(Lサイズ?)をペロリと平らげていて壮観だった(笑)
「また来ます」と、本気で思った
食べ終わるころには、気持ちもふわふわ。
満足感たっぷりだけど、「また食べたい」と思っていました。
どうしてもっと早く来なかったんだ!ってちょっと自分を責めたくなる。

レジへ向かうと、先ほどの店員さんが、「もうお帰りですか?」と声をかけてくれました。
その一言が、なんだかうれしくて。
初めてなのに常連さんのような気分で、味でも十分なのに、気持ちまで少しあたたかくなります。
「また、来ます!」
心の底から、そう答えて私はお店を後にしました。

京都には、「え?こんなところに?」と思うような場所に、ひっそりと素敵なお店があったりします。
そんな一軒を見つけるのが本当に楽しくて嬉しい。
今回の松濤カフェさんも、そんなお店でした。

さて、次に来たときは
シフォンケーキにすべきか、
あのロールケーキにすべきか、
それが問題だ。
とにかく腹ペコにしていくことだけは、決めている。

松濤ケーキバタートースト、濃厚バニラアイス&大納言あずきをトッピング
出てきてびっくり、食べて悶絶
美味しすぎて二度見した。
背徳感MAX!てか、逆写真詐欺。
少し塩味のするシフォンケーキが絶品で、食後の重たさは全くなし。
私の中では日本一のシフォンケーキ!

Arieさん、ありがとうございました。
松涛カフェKYOTO
左京区新丸太町75-9
(京阪三条駅徒歩2分)
営業時間|11:30−18:00
*売切次第終了
定休日|月曜
*現金のみ
https://www.instagram.com/shotocafe_kyoto/