
コミュニティの通知を切る人が増えている
夜9時を過ぎると、スマホの画面がやけに静かになる。
以前運営していたコミュニティでは、逆だった。夜になると通知が止まらなかった。告知、リマインド、雑談。良かれと思って増やした投稿が、いつのまにか掲示板のようになっていた。
メンバーの一人から「最近、通知を切りました」と言われたことがある。悪気のない、軽い言い方だった。でも、その一言が長く残った。
イベントの制作をしていたころ、チラシを配りすぎて逆に見てもらえなくなる、という経験をしたことがある。情報は、量を増やすほど、一枚あたりの重みが薄くなる。通知も同じ構造を持っている。
告知の多いコミュニティほど、活気があるように見える。でも、活気と情報量は、途中から反比例に変わる。
投稿数を運営の成果として見ていたころは、通知を切られることを、失敗のように感じていた。数字が落ちるたびに、もっと発信を増やさなければと焦っていた。でも、増やすほど、通知を切る人も一緒に増えていった。
チャンネルを分けて、告知だけの場所と、雑談の場所を切り分けてみたことがある。数字の上での投稿数は減った。でも、雑談のほうの反応は、以前より温度が上がった。読む必要のある投稿と、読みたい投稿が、初めて別の場所に分かれた。
告知を減らす代わりに、まとめて週に一度だけ流すようにした運営もある。情報量そのものは変わらないのに、受け取る側の負担は目に見えて軽くなった。
イベントの制作をしていたころ、チラシを1枚に絞って渡していた時期のほうが、実際に足を運んでくれる人は多かった記憶がある。情報を選び切る作業は手間だが、受け取る側の一枚あたりの重みを取り戻す作業でもある。
通知を切った人を、離れた人だと思わないようにしている。むしろ、必要な分だけ受け取ろうとしている人だ。
減らすことが正解なのか、まだ確信は持てていない。通知を切る人が増えるたびに、告知の量を見直すべきなのか、それとも見せ方を変えるべきなのか、今も考え続けている。
山田克基(こにー)
PRアドバイザー・コミュニティデザイナー・ワークショップデザイナー
京都を拠点に、企業・自治体・NPO・スタートアップの「きっかけ創り」に伴走しています。
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