
はじめて広報を任された人が、最初にやるべきこと
ある朝、上司に「明日から広報、お願いね」と告げられて広報担当になった人を、これまで何人も見てきた。
「まず何から手をつければいいんでしょうか」「プレスリリースって、どう書けばいいんですか」「そもそも、うちに広報するネタなんてあるんでしょうか」
はじめて広報を任された人から受ける質問は、たいていこの三つに集約される。
一つずつ答えていく。まず何から手をつけるか。最初にやるべきは発信ではなく、社内の情報を集めることだ。どの部署が、何を、いつまでに、誰に伝えたいのか。これを整理しないまま発信を始めると、あとで方向性がぶれる。
プレスリリースの書き方は、実は後回しでいい。型はいくらでも学べる。それより先に決めるのは、どの媒体の、どの記者に読んでほしいかだ。プレスリリースはもともとすべてメディアに向けて書くもので、読者はその先にいる。どの媒体が、どんな読者に向けて記事を作っているのか。そこが見えていないまま書くと、自社の言いたいことだけが並んだ文面になる。
「うちにネタなんてない」という誤解も、よく聞く。だが、たいていの会社には、社内の人が「当たり前」だと思って気づいていない話が眠っている。新人が入って驚いたこと、取引先によく褒められること。それらは全部、外から見ればネタになる。
はじめて広報を任された人が最初にやるべきことは、発信することではなく、聞いて回ることだ。社内の当たり前を、外の目線で拾い集める。
社内を聞いて回るときは、成果だけでなく、失敗や苦労話も拾うようにするといい。うまくいかなかった話には、その会社らしさが特に強く出ることが多い。
聞いて回る期間は、焦らなくていい。最初の1ヶ月で全部を把握しようとせず、少しずつ社内の理解者を増やしていくほうが、結果的に長く続く広報の土台になる。
焦って完璧な発信を目指すより、小さな発信を重ねながら、社内の反応を見て調整していくほうが、結果的に早く軌道に乗る。
広報の仕事は、最初の数ヶ月の聞き取りの質で、その後の何年かが決まると言ってもいい。焦らず、社内の当たり前を一つずつ拾っていってほしい。
もし何から聞けばいいか迷ったら、まず話を聞かせてほしい。一緒に、拾うべき当たり前を探すところから始められる。
山田克基(こにー)
PRアドバイザー・コミュニティデザイナー・ワークショップデザイナー
京都を拠点に、企業・自治体・NPO・スタートアップの「きっかけ創り」に伴走しています。
🔗 燈スタジオ:https://akaristudio.jp
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