
サードプレイスとは何か、コミュニティとの違い
会社でも、家でもない場所。行きつけの喫茶店。夜更けの居酒屋の隅の席。
サードプレイスという言葉を説明するとき、多くの人はこうした「場所」のイメージから入る。それ自体は間違っていない。だが、サードプレイスとコミュニティを同じものとして扱ってしまうと、設計を誤ることがある。
サードプレイスは、もともと社会学者レイ・オルデンバーグが提唱した概念で、家庭でも職場でもない、気軽に人と関われる第三の居場所を指す。特徴は、上下関係が薄く、出入りが自由で、目的がなくても居られることにある。
一方でコミュニティは、共通の関心や目的を持つ人の集まりを指す。サードプレイスより、つながりの意図がはっきりしている。
多くの人が、コミュニティを作ろうとして、サードプレイスのような「なんとなく居られる場所」を目指してしまう。そして、参加者が集まらないと悩む。目的のあるコミュニティを作りたいのに、目的をあえて薄めた設計をしているのだから、うまくいかないのは当然だ。
逆に、サードプレイスを作りたいのに、テーマや目的を強く打ち出しすぎて、気軽さを失っている場もよく見る。
自分が作ろうとしているのは、目的でつながる場なのか、目的がなくても居られる場なのか。ここを最初に切り分けるだけで、設計の迷いはかなり減る。
実務の現場では、この二つを併存させる設計も可能だ。目的のあるコミュニティの中に、あえて雑談だけの時間帯を設けることで、サードプレイス的な余白を持たせる場も増えている。
自分がどちらを設計したいのか迷ったときは、その場に来る人に何を持ち帰ってほしいかを考えてみるといい。関係の深まりを持ち帰ってほしいならコミュニティ寄り、ただ息をつく時間を持ち帰ってほしいならサードプレイス寄りになる。
どちらの場を作るにしても、共通して大事なのは、運営者自身がその場を楽しんでいることだ。義務感で回している場は、目的の有無に関わらず、参加者にも伝わってしまう。
どちらを目指す場か、一緒に整理してみたい相談があれば、話を聞かせてほしい。
山田克基(こにー)
PRアドバイザー・コミュニティデザイナー・ワークショップデザイナー
京都を拠点に、企業・自治体・NPO・スタートアップの「きっかけ創り」に伴走しています。
🔗 燈スタジオ:https://akaristudio.jp
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