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違う畑の人と話すと、なぜか自分の仕事が言語化される

    Blooming Camp では、畑の違う人どうしが顔を合わせる場に、何度も立ち会ってきた。

    そういう場で、よく目にする光景がある。まったく違う業界の人と話した人が、帰りぎわに「自分の仕事、はじめてちゃんと説明した気がする」と言うのだ。

    なぜ、畑の違う相手と話すと、自分の仕事がふいに言葉になるのだろう。

    同業者どうしで話すときは、専門用語がそのまま通じてしまう。「あの案件のこういうところが」で会話が成立するので、自分のやっていることを、あらためて説明する必要がない。

    ところが、違う畑の人が相手だとそうはいかない。専門用語を使えば「それはどういうことですか」と聞き返される。当たり前だと思っていたことを、一から言葉にし直すことになる。

    その説明を重ねているうちに、自分でも気づいていなかった仕事の芯のようなものが見えてくる。うまく言えない部分は、たいてい自分のなかでも曖昧なままだったところだ。逆に、するすると言葉が出てくる部分は、ほんとうに大事にしている軸だったりする。

    これは、共創の副産物として、あまり語られない。異業種の対話は新しい事業や企画を生むためのものだと思われがちだが、実際に最初に起きるのは、自分の輪郭がはっきりすることのほうだったりする。

    同じことが、その場の全員に起きている。自分の仕事を話しているはずの人が、話しながら少しずつ言い方を変えていく。何人かに説明するころには、最初よりずいぶん短くなっている。言葉は、聞く人がいて初めて磨かれる。

    だから共創の場では、雑談の時間をあえて削らないようにしている。本題の外の会話にこそ、おたがいの言語化が起きる余地がある。あとから振り返ると、議事録に残らないその時間のほうを、よく覚えている。

    自分の仕事を説明する機会は、案外、自分からはつくりにくい。畑の違う人と話すことは、その機会を自然に運んでくる。

    新しい何かを一緒に始める前に、まず自分の仕事が、少し言葉になる。違う畑の人と話す価値は、そこにもある。



    山田克基(こにー)
    PRアドバイザー・コミュニティデザイナー・ワークショップデザイナー
    京都を拠点に、企業・自治体・NPO・スタートアップの「きっかけ創り」に伴走しています。
    🔗 燈スタジオ:https://akaristudio.jp 

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