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インドネシア、webtoon巨大市場と「LGBTコンテンツ禁止法案」のはざま

    東南アジアのオタク市場を語るとき、インドネシアは避けて通れません。人口2億7,000万人超、世界有数のアニメ視聴率を持つとされる巨大市場です。しかし同時に、この国はいま、コンテンツ規制の重大な岐路に立っています。今回は市場性と規制リスクの両面を、できるだけ冷静に整理します。

    市場としてのインドネシア: 数字は強い

    まず市場面です。インドネシアはK-webtoonの最速成長市場のひとつとされ、アクティブ読者は2,500万人超、うち15〜29歳が70%以上を占めるという報告があります(この数字は物流企業ブログによるもので未検証です)。アニメでは、『鬼滅の刃』柱稽古編が2024年に初めてインドネシア語字幕で同時配信された際、APAC地域の新規会員登録が1週間で35%急増したという業界レポートもあります。

    東南アジア全体のアニメ市場は2024年の12.58億ドルから2033年に26億ドルへの成長が予測されており、その中でもインドネシアは常に「最速成長国」の筆頭に挙げられます。ライセンス体制の整備が消費者需要に追いついておらず、「取りこぼされている収益」が大きい市場とも指摘されています。

    規制リスク: 放送法改正の行方

    一方で、規制環境は厳しさを増しています。インドネシア国会では、放送委員会(KPI)の権限をテレビ・ラジオからYouTube、Instagram、TikTokなどのデジタルプラットフォームにまで拡大する放送法改正が議論されており、この法案ではLGBT関連コンテンツがインターネット上で初めて明示的に禁止対象になるとされています。同国では2016〜2018年にすでに169のLGBTQ+関連サイトがブロックされた実績があります。

    BLはこの規制の直接の標的として名指しされているわけではありませんが、法案が成立すれば、BLドラマやBL webtoonの配信が影響を受ける可能性は否定できません。

    気をつけたいこと

    当ブログの立場を明確にしておきます。
    インドネシアのBL・オタク市場を分析することと、現地のファンに向けてBLコンテンツを推奨することは、別の行為と考えています。規制強化の局面では、後者は現地ファンをリスクに晒しかねません。市場の数字と規制の動向を事実として記録し、現地コミュニティの安全を最優先に考える—それがこの市場を扱う際の最低限の作法だと考えています。

    (とは言え、現地の腐女子仲間と仲間内でキャッキャしているのは個人の活動として許してほしいです)

    巨大な需要と強まる規制。この緊張関係がどう決着するかは、東南アジアのコンテンツ市場全体の行方を占う試金石になりそうです。

    出典:

    ※webtoon読者2,500万人、APAC登録35%増はいずれも二次情報で未検証です。法案の状況は執筆時点の報道に基づくもので、最新の審議状況は変わっている可能性があります。

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    アジアと中南米を飛び回り、日本のコンテンツと海外を繋いでいます。オタク文化がどのように国境を越えて広がるか、各国の腐女子のコミュニティーから情報収集&分析、現地で出会った人や仕事の裏側・キャリアについても書いています。 Contents Construction合同会社代表

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