
海外個人商社が800台輸入した『モバイル北海道』 | ショートショート #06
この夏、北海道の小さな家電メーカーが発売した小型のアイスクリームメーカー『モバイル北海道』が日本で大ヒットした。
USB充電式で持ち歩き可能。専用カプセルと水を入れると1分足らずで完成する。
東南アジアを拠点に個人商社を営む、私の勘が働いた。
年中暑いこの地域では、「北海道」はブランドだ。
うまくやれば市場価格の倍、いや3倍で売れるだろう。
AIエージェントに任せて日本全国の余剰在庫をかき集め、夏の終わりで格安だった800台の輸入を手配した。
配送網と販路はすでにある。
久々に大きく稼げそうだ。
思わず、笑みがこぼれた。
* * *
現地倉庫への搬入が完了すると、私は現物確認のために商品の箱を一つ、開けた。
細い棒や糸が付属した、北海道をかたどった美しい板が入っていた。
額に汗が滲む。
在庫の山を前に、改めて箱の表示を見る。
モビール 北海道 (電動)
英語で、やっちまったのか……。
焦ってスピードを優先し、AIに丸投げしたことを猛烈に後悔した。
(413文字)
おはようございます。
実はカタカナが、とっても苦手。
ぽていとぽたあとです。
「モバイル北海道」というお題を見た時、英語の「Mobile」の日本語の意味やカタカナ表記が複数あることをネタにできないかな?と思いました。
「モバイル北海道」と「モビール北海道」、どちらも英語ではMobile Hokkaidoですね。
東南アジアを拠点に個人商社を営む主人公は、ビジネスチャンスを前にスピードを優先し、AIエージェントまかせで小型アイスクリームメーカー『モバイル北海道』の輸入を手配したんですね。
AIエージェントはすべて英語で手配したため、アイスクリームメーカーではなく「吊るして揺れる電動モビール」のMobile Hokkaidoを800台、輸入してしまった、というオチのつもりです。
800台って輸入規模としては極小かもしれませんが、個人事業にとっては、なかなかの損失ですよね。
仕入れ単価を1台50〜80ドル程度としても、輸送諸々含めてざっくり750万〜1,200万円程度はぶっ込んじゃった計算でしょうか。
ひー恐ろしい。
これに近しいようなことって、すでにたくさん起きてるんじゃないかなあ。なんて思う今日この頃です。
AIを使えば超速で色んなことができちゃうがゆえに、「ちょっとしたミス」が取り返しのつかないことになっちゃう、みたいな。
ひー恐ろしい(2回目)。
ところでMobileの表記って、「モービル」もありますよね?
バットマンが乗っている「バットモービル」みたいな。
なんで全部、カタカナ違うの? 大混乱です。
何を隠そう、私は今回の記事も最後までオチは「モービル北海道」で書いていました。本気で区別がつかないんです。
ChatGPTにテニオハ校正を依頼しましたが、ChatGPTも「モービル」の誤植に気がつきませんでした。
念のためClaudeに2回目の校正を依頼したら、以下のようなツッコミがきましたよ。

「バ行の位置が一文字違うだけの語」😤フンッ
※ちなみにClaudeの上記の説明も微妙に間違っていて、「モビール」「モバイル」「モービル」の区別なく、英語のmobile 自体がフランス語のmobile 由来である、というだけです。
完全に自分のミスですが、私はChatGPTに「なんで気づかないんだよ」と叱りちらかしましたよ。
ちゃーんと、大人気ないですからね。
AIは賢いんだから、人間のミスをちゃんと見つけてもらわないと困りますよ。

モバイル、モビール、モービル以外にも、カタカナってこういうの、たくさんありますよね。
コップとカップとか。
紙コップ、マグカップなど、組み合わせによって変化しますね。
ガラスとグラスとか。
窓ガラス、ワイングラス、ステンドガラ…… ステンドグラス? え、窓なのに?
ややこしすぎます。
人知れず毎回、スマホで確認してから使っていますからね。
やれやれです。
ということで、今週も毎週ショートショートに参加しました。
田原にかさん、いつも楽しいお題をありがとうございます。
お題:モバイル北海道
🥔・🥔・🥔
ほかにもショートショートを書いています。
よければお読みくださいね。