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暗号資産の投資助言事業はどう変わる?|登録を検討する事業者が押さえたい実務上のポイント

暗号資産に関する投資情報を有料で提供している事業者にとって、令和8年の金融商品取引法改正は、今後の事業運営を考えるうえで重要な制度変更です。

これまで暗号資産に関する情報提供サービスを運営してきた事業者の中には、現物暗号資産の売買に関する分析情報や投資判断に関する助言を、有料会員やコミュニティの参加者などに提供している事業者もいるでしょう。

今回の改正を踏まえると、こうした事業者は、自社のサービス内容が今後どのような規制の対象となるのか、投資助言・代理業の登録を検討する必要があるのか、また、登録を目指す場合にはどのような準備が必要になるのかを整理しておくことが重要になります。

もっとも、法改正が行われたからといって、すべての暗号資産関連サービスについて一律に同じ対応が必要になるわけではありません。実際の検討に当たっては、提供する情報の内容、サービスの仕組み、顧客との契約関係、報酬の受領方法などを踏まえて、自社の事業を個別に確認する必要があります。

また、法律の成立と、施行に伴う具体的な制度や実務上の取扱いがすべて明らかになることも同じではありません。将来の制度を見越して登録を急ぐことが適切なのか、それとも現行制度の下で具体的な事業計画や管理体制を整理しながら、関係する法令や公表資料を確認していくべきなのかは、事業者ごとに検討する必要があります。

そこで本記事では、暗号資産に関する投資助言サービスを事業として提供している事業者を対象に、令和8年の金融商品取引法改正の要点を確認したうえで、投資助言・代理業の登録を検討する際に押さえておきたい実務上のポイントを整理します。

具体的には、自社のサービス内容を点検する際の考え方、登録申請に向けた準備、人的構成や内部管理体制を検討する際の留意点、そして登録後も適切に事業を継続するために必要となる管理の視点を取り上げます。

なお、本記事は、個別の事業者について登録の要否や登録可能性を判断するものではなく、登録申請の具体的な手続を網羅的に解説するものでもありません。法令上の要件と今後確認すべき事項を区別しながら、事業者が自社の状況を整理し、次に検討すべき課題を把握するための実務的な手掛かりを提供することを目的としています。

第1章 令和8年金商法改正と暗号資産の投資助言事業への影響

1.暗号資産に関する規制の見直し

令和8年には、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律が成立しました。

今回の改正では、暗号資産の取引に関する規制について、従来の資金決済法を中心とする枠組みから、金融商品取引法を中心とする枠組みへ移行するための制度整備が行われています。

背景には、暗号資産が決済手段としてだけではなく、投資対象としても広く利用されるようになっていることがあります。投資対象としての性格を踏まえ、情報公表や不公正取引への対応、関連事業者に対する業規制などを整備することが、今回の改正の重要な目的の一つです。

この改正は、暗号資産交換業者だけに関係するものではありません。暗号資産を対象とする投資運用や投資助言を業として行う事業者にも影響します。

2.現物暗号資産に関する投資助言の位置付け

今回の改正で実務上重要なのは、現物暗号資産を対象とする投資助言行為が、金融商品取引法上の投資助言・代理業の枠組みに位置付けられることです。

従来から、株式や投資信託など一定の金融商品について、投資判断に関する助言を業として行う場合には、投資助言・代理業の登録が問題となります。一方、現物暗号資産については、従来の規制体系の下では、同じ形で投資助言・代理業の登録が求められるわけではありませんでした。

今回の改正は、この取扱いを見直し、現物暗号資産を対象とする投資助言行為についても、金融商品取引法上の業規制の対象とするものです。

ここで注意したいのは、暗号資産を対象とする投資助言が、すべて暗号資産交換業の登録にまとめられるわけではないという点です。改正法では、暗号資産を対象とする投資助言行為は、既存の投資助言・代理業の枠組みを拡張する形で位置付けられています。

したがって、暗号資産関連サービスを運営する事業者は、自社のサービスがどのような業務に該当するのかを整理する必要があります。

3.どのような事業者が確認を必要とするのか

例えば、次のようなサービスを提供している事業者は、自社のサービス内容を点検する際の参考として、本記事を活用できます。

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上記はあくまで検討例です。サービス名や提供媒体だけで、登録の要否が決まるわけではありません。

例えば、「情報配信サービス」と称していても、実際には特定の暗号資産について個別具体的な売買判断を助言している場合があります。一方、暗号資産に関する情報を提供しているからといって、必ずしも投資助言・代理業に該当するとは限りません。

重要なのは、サービスの名称ではなく、実際にどのような情報を、誰に対して、どのような契約や報酬体系の下で提供しているのかという点です。

4.施行に向けて確認すべき事項

法律が成立したことと、具体的な施行日や実務上の取扱いがすべて確定していることは異なります。

暗号資産関連の規定については、改正法の附則に施行時期が定められており、公布から1年以内に政令で定める日から施行される構造となっています。実際の対応を検討する際には、施行日や関係政省令、監督指針、経過措置などの公表状況を確認する必要があります。

特に、これまで現物暗号資産に関する投資助言を提供してきた事業者については、施行後にどのような取扱いとなるのか、既存事業者に関する経過措置がどのように適用されるのかを確認することが重要です。

将来の制度に対応するためだけに、現行制度の下で抽象的な登録計画を立てても、具体的な事業内容や業務運営体制が整理されていなければ、実務上の準備として十分とはいえません。

まずは、現在のサービス内容と運営体制を把握し、現行制度の下で確認できる事項と、今後の公表を待って判断する事項を分けて整理することが有用です。

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