
【続いてる写経 2054日め】これは貴重な"モフモフ"体験、『円山応挙』展
会期終了間近となってしまった三井記念美術館で開催中の『円山応挙』展。
同じように慌ててくる人いっぱいで、場内盛況でした。

円山応挙について、この展覧会では「革新者から巨匠へ」とサブタイトルが付いている通り、応挙が生み出し、現代へとつながる絵画の革新性に迫るものでした。
応挙こそが、18世紀京都画壇の革新者でした。写生に基づく応挙の絵は、当時の鑑賞者にとって、それまで見たこともないヴァーチャル・リアリティーのように、眼前に迫ってきたのです。そして、そんな応挙の画風は瞬く間に京都画壇を席巻し、当代随一の人気画家となりました。そして、多くの弟子たちが応挙を慕い、巨匠として円山四条派を形成することとなりました。
”写生派”と呼ばれ、緻密な描き込みの生き生きとした動植物の絵。
自分も応挙の絵画を、当たり前のように”美しい絵”としか捉えておりませんでした。
その美しさを生み出したことが、いかに”革新的”であったか。
眼鏡絵から着想を得た遠近法の構図、微細にいたるスケッチなどをもとに、応挙が始めた絵画の革新をよく知ることができる展示内容でした。
構成も練られたものでありましたが、なんと言って目玉は、
香川県の金刀比羅宮の襖絵の出品です!!
『遊虎図襖』がやってくる〜〜。
『竹林七賢図』もだって。やばいよ。やばいよ。
金刀比羅宮、太っ腹ですな。
(というか、三井家が出資したから三井家が太っ腹だったのですが)
金刀比羅宮の表書院にて、『遊虎図襖』などは2度拝見したことがあります。
部屋の中には入れないので、遠くから眺めるのみ。さらに水場で遊ぶ虎の絵は、正面では見られないのです。
それをガラス越しとはいえ、間近に観られるのは貴重すぎます。
しかも、この目玉の『遊虎図襖』が”撮影OK”なんですよ。びっくりです。
金刀比羅宮では撮影禁止だったはず、ありがたや。
というわけで、”モフモフ”をじっくりと堪能するとともに、たくさん撮影させていただきました。



襖絵が素晴らしかったのはもちろん、隣に出品されていた『虎皮写生図屏風』という、虎皮のスケッチ画に驚きました。
細かく図柄を写すだけでなく、微細なサイズを書き止めているのです。
これが立体になったらどんな姿になるのか、想像されていたのですね。
その準備の成果が、あの襖絵の虎なのです。
実際に目にしたこともなく、本物の写真もなかった時代に、ここまで生き生きと、骨格もしなやかに描かれていたのは観察と構成力のなせる技だったのです。
そして、国宝の『雪松図屏風』。
雪の部分は下地の色をそのまま生かしたもの。
この雪の光を反射したような美しさ、見惚れました


普段はあまり座り込まないのですけど、しばらく襖絵のコーナーのベンチにて、『遊虎』や『三保の松原』、『雪松図屏風』に囲まれる幸せを堪能しました。
う〜ん、”神”展示ですね。
他も伊藤若冲との2 曲 1 隻作品『梅鯉図屏風』、伊藤博文が愛でたという『驟雨江村図』など、ぼーっとみとれる美しい作品も多数。

抽象画的でもある
そして、江戸時代から大人気だったという子犬ちゃんたちの『狗子図』も多数。
多少デフォルメされた今に通じる”キャラ”っぽい描き方、コロコロ、モフモフ、もう「カワイイ〜〜」としか言いようがない。
写実性も漫画っぽさも、お手のもの。見事すぎます応挙画伯!!
ああ、来られて良かった。
前期の展示も観るべきだった…。
三井記念美術館は年間パス4000円なので、3回くれば十分モトがとれる。
来年はこれ、購入を検討しましょう。