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短編小説 🖋️ つくる魔王

    ある世界があった。
    人々は平和に暮らしていた。

    ある日、魔王が現れた。
    魔王は世界を侵略しなかった。

    代わりに、別の世界を作った。

    魔王の目的は、理想の世界を作ることだった。
    その新しい世界は「魔界」と呼ばれた。

    危険視した王は、魔王の討伐を命じた。

    しかし、
    送り込んだ者は誰ひとり帰ってこなかった。

    やがて、異変が起きた。
    世界から人々が消え始めた。

    学者、教育者、政治家。
    続いて商人、農夫、労働者。
    物資も動物も、次々と消えていった。

    人々は魔界に攫われたのだと思われていた。

    しかし、違った。

    消えた人々は、自ら魔界へ移っていた。
    魔界が、どんどん発展していたからだ。

    いつしか、
    元の世界は「旧世界」と呼ばれるようになった。

    旧世界の王は、
    魔界へ勇者を送り続けた。

    しかし、
    誰も帰ってこなかった。

    優秀な人材を送るたび、
    魔界は発展した。

    勇者たちは、
    魔界で魔王軍の幹部となっていた。

    王はようやく気づいた。

    そして、
    ひとりの勇者を送り込んだ。

    最強だが、
    何も考えない勇者を。

    勇者は魔界にやってきた。

    魔界の者たちは対話を試みた。

    しかし、
    勇者は全員殺した。

    そう命令されたから。

    勇者は魔王のもとへたどり着いた。

    魔王は対話を試みた。
    抵抗もしなかった。

    しかし、
    勇者は魔王を殺した。

    そう命令されたから。

    魔界は徹底的に破壊された。

    旧世界より発展していた。

    それでも壊した。
    そう命令されたから。

    魔界の人々は旧世界へ強制連行された。

    抵抗する者は殺された。

    旧世界にはもう、
    命令に従わない兵士は残っていなかった。

    魔界の人々は、
    旧世界を「新魔界」と呼んでいた。

    PDCAを回すことが許されなかったからだ。

    魔界の人々は、

    肉体的な死か
    精神的な死か

    選ぶことになった。

    旧世界に平和が訪れた。

    しかし、
    いつまで経っても発展しなかった。

    魔界から連行された人々は思っていた。

    「もっと良くできるのに」

    しかし、
    変えることは許されなかった。

    人々は、
    新しい魔王の誕生を願った。

    しかし、
    魔王は二度と現れなかった。

    「自分が魔王になる」

    そう思えば、
    誰でも魔王になることができたのに。



    完


    #はじめてのnote
    #自己紹介

    🦆💬ガー

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    名前は「でいきゅうひゃく」と読みます。 彼女が欲しくてnoteを始めてみました。 敵は理不尽、雑、馬鹿、つまり世界です。 よろしくお願いします💩🦖🪐

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