
短編小説 | へんてこ博物館
百年後。
効率化された世界に、
古い慣習の資料を収蔵する博物館があった。
ー
「こちらはKPI測定です、毎月数字を集めて表にしていました」
「何に使ったの?」
「翌月の表と並べました」
ー
「こちらはWEB広告です、見たいものを遮り閉じるボタンを隠していました」
「嫌がらせ?」
「お金を払って広告を消してもらうためです」
ー
「こちらは定例会議です、議題がなくても全員集まりました」
「何を話すの?」
「何か話すことはないか、と」
ー
「こちらは宿題です。理解してる子にも、理解できない子にも、同じ問題を出しました」
「学力は上がったの?」
「提出したかを確認しました」
ー
「こちらは新卒採用制度です、組織に適応できる人間を選んでいました」
「どうやって見分けたの?」
「採用試験に黒のスーツと同じ髪型で来るか確認しました」
ー
「こちらは閉鎖病棟です、患者を治療するために入院させました」
「治療ってなに?」
「静かに大人しくなることです」
ー
子供は首を傾げた。
「昔の人って、へんてこだね」
完
🦆💬 ガァ
( ↓こちらの企画に参加させていただきました )