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一杯の記録|第166話 基峰鶴 純米 ひやおろし(佐賀・基山)

    一杯の酒から、その土地をたどる。

    基山。

    基肄城の、
    秋霞。

    背振の、
    嶺から、
    湧く、
    水脈。

    眼下に
    ひろがる、
    筑紫平野。

    遠く、
    滲む、
    山並み。

    千年の、
    時を、
    越えて。

    古の、
    ひとも、
    同じ、
    空を、
    見上げたか。

    山頂を、
    吹き抜ける、
    静かな、
    風。

    変わらぬ、
    景の、
    深み。

    基山商店。 

    基峰鶴。
    純米。
    ひやおろし。

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    開栓。

    静かに、
    薫る、
    熟れた、
    米の、
    艶。

    一滴。

    口に、
    含む。

    微かに、
    萌ゆる、
    清冽な、
    気配。

    やわらかく、
    解れる、
    丸み。

    秋を、
    越えて、
    澄み渡る、
    豊潤な、
    旨み。

    静かに、
    寄り添う、
    柔和な、
    酸。

    すっと、
    心地よく、
    引く。

    穏やかな、
    余韻。

    この一杯は、
    時を紡ぐ風。

    ここに、
    記録しておく。

     
     
    日本酒と、その土地の気配を記録しています。 旅先でも、家飲みでも。

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