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【アマノ文筆クラブ】『過激な淑女』【サスペンス】

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    ようこそ、皆さま!セイウチです。

    今夜は、あるボトルから、少し刺激的な物語をお届けします。

    誰にも見せない、もう一つの顔を持つ彼女の、心の奥底にある熱い想いを感じてください。

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    昼の彼女は、型通りの完璧な淑女だ。

    控えめで、聡明で、誰に対しても等しく柔らかい。
    隙のない仕草には育ちの良さが滲み、その佇まいは一幅の絵のように澄んでいる。

    ​だが、夜の暗がり、ステージの灯りが灯ると、もう一つの素顔が剥き出しになる。

    ​身に纏うのは、見る者を挑発するような艶やかな衣装。
    見回す視線ひとつで、フロアを魅了した。
    美しいだけではない。
    そこにはそこには抗いがたい毒がある。

    ​最初は流れるように、しなやかに。
    静かな熱を孕んだ身のこなしから、一転して激しさを増していく。
    なりふり構わず振り乱した髪から、飛び散る汗。
    それがスポットライトを反射して、一瞬の火花のように光る。
    その生々しさが、かえって彼女の美しさを研ぎ澄ませていた。

    ​パフォーマンスが最高潮に達し、曲の終わりに差しかかると、彼女はゆっくりと動きを殺していく。
    滑らかに、余韻を弄ぶように。

    ​最後の音とともに、汗に濡れて張り付いた髪をバサリと振り上げた。
    息を荒げながらも、微かに開いた唇の端を持ち上げて不敵に笑う。
    すべてを奪い尽くした後のような、底の知れない穏やかな眼差しを客に向けた瞬間、暗転。

    ​潔く、影の中に消えていった。

    ​明くる日。

    陽光の差し込む部屋には、いつもの穏やかな彼女がいた。
    品格を纏い、何事もなかったかのように微笑んでいる。

    ​昨夜、暗闇の中で狂気と汗を撒き散らしていた女と同一人物だとは、誰も気づかない。

    野暮な種明かしなど、誰も望みはしないのだから。

    ​

    (了)

    ※この物語はフィクションです。
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    最後まで読んでいただきありがとうございます!


    昼の完璧な淑女という静の姿と、夜のステージで狂気を撒き散らす過激な動の姿という二面性というテーマで企画お題の『過激な淑女』を書かせていただきました。
    楽しんでいただけると幸いです。

    【甘野 充】さん本当に素敵な企画ありがとうございます!


    毎週火曜日に自分の作品を投稿、企画に参加させていただく時は不確定的に投稿します!

    気に入った方は是非スキやフォロー、シェアしてもらえると嬉しいです。


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    現在連載中❗『世界でいちばん遠回りな呪いの殺し方』 〜10年かけて俺を殺すはずの黒羽さんが、婚姻届を出してくるまで〜
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    寄せては返す波打ち際で、流れ着いたボトルメッセージを拾い集めるセイウチです。 ​ここに並ぶショートショートや日記は、すべて海が運んできた「誰かの漂流物」。 いつかあなたの心に届く言葉が見つかりますように。 ゆっくりしていってください。

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