
温度と呼吸。【116】いやな予感
昨晩、
美波がメッセージを送って、
朝になっても、
アリーシャからの返事がなかった。
いつもなら、すぐ返信がくるし、
深夜にスタンプだけ、そっと送られてくることもあった。
……今回は、既読スルー。
美波は、コーヒーを飲みながら首をひねる。
(ピアノの練習に夢中になって、そのまま寝ちゃったのかな?)
ありそうだ、と思って微笑む。
でも、昼休みになっても連絡がない。
午後、仕事の合間に電話をしてみるが、出ない。
美波は、付き合う前にアリーシャがぽつりとこぼした言葉を思い出して、
眉をひそめた。
スマートフォンを机に置くと、
キーホルダーが、
冷たい音をたてた。
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🌙 エッセイ
【登場人物】
・七海 美波
高級車ショールームで働く、20代前半の女性。アリーシャと交際中。
・アリーシャ
20歳のロシア人ピアニスト。世界的な才能を持つ。美波と恋人関係。
・メラニー
フランス人画家。自由で、おしゃべり。
・三田 りお
美術館キュレーター。落ち着いた雰囲気を持つ20代中盤の女性。