
長編SF 『ノヴェル・オルガヌム/残響界』
新作長編小説 『ノヴェル・オルガヌム/残響界』 の連載を、Talesとカクヨムで開始しました。
AIが物語ではなく、世界そのものを生成するようになった未来。
無限に分岐する世界線のなかで、「現実として残す痛み」を選び取り、世界を安定させてきた男が、ある日、存在してはならない女と出会う。
彼女は言う。
別の世界で、あなたは何度も私を愛し、何度も選ばなかった。
そんな話です。
ジャンルとしては、並行世界SFであり、恋愛小説であり、逃走劇であり、同時に「物語とは何か」「創作とは何を選び、何を捨てることなのか」をめぐる小説でもあります。
ただ、まずは難しいことを抜きにして、“未採用になった世界から来た恋人”との物語として読んでもらえたら嬉しいです。
連載開始にあたって、TALESとカクヨムに第一話を5エピソードに分割して公開しました。
Webで読みやすいように切り分けていますが、全体としてはひとつながりの長編です。
最初は、古びた劇場で、舞台だけが光っているところから始まります。
この作品でやりたかったのは、単にAIや並行世界をネタにすることではありません。
むしろ逆で、そうした時代だからこそ、最後に残るのは「誰が何を誰に届けるのか」という、ひどく古くて地味な問題なのではないか、という感覚を書きたかった。
恋愛も、喪失も、創作も、結局は「何を届けるか」の問題としてやってくる。
けれど人は、届けるべきものを届けきれず、戻すべきものを抱え込み、どこにも出さなくていいはずの痛みにまで意味を与えすぎる。
この小説は、そのあたりを、SFの形を借りて真正面からやってみようとしています。
おそらく、万人向けの軽さではありません。
でもそのぶん、
並行世界ものが好きな人
少しひねった恋愛SFが好きな人
メタフィクションや創作論に惹かれる人
「物語」と「現実」の境目が揺らぐ話が好きな人
には、かなり深く届く気がしています。
TALESとカクヨムはこちらです。
これからしばらくは、Talesとカクヨムで本編を連載しつつ、noteではこの作品の周辺にある話――
なぜこの小説を書こうと思ったのか、
この作品が何をやろうとしているのか、
AI時代の創作と物語をどう考えているのか、
そんなことも少しずつ書いていくつもりです。