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泰夢(たいむ)のお話:3

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    誰からも何も言われない夏休みって素敵です!
    それでは、どうぞ!!

    ===============
    「えっ! マジで? オレだけひとりでばーちゃんちに? よっしゃあ、やったーっ!」
     はじめに父から話を聞いたときは、泰夢(たいむ)は両手をあげて大喜びした。
     父も母もいないのなら、夏休みのあいだはずっとゲームをしたりマンガを読んだりしていても、おこられずに自分の好き勝手ができると思ったのだ。
     ネット回線の通信があれば、どこでも学校の友だちとゲームができるし、いくら動画を見ていてもおこられない。口うるさい母もかみなりを落とす父もいない、やさしい祖母のいる家にひとりで行くのは本当にうれしかった。
    「いんたーねっと? かいせん? さあ、おばあちゃんはよく知らないけれど、テレビは見られるように電気屋さんが来たらたのんでおくからね」
     あとから父に聞いた話だが、祖母の家のある場所はスマートフォンのつながりも悪く、また祖母はほとんどテレビを見ないということだった。
    (そんな場所なんて、本当にあるのかよ……)
     この話を聞いた泰夢は、すっかり落ちこんでしまった。
     泰夢の家では共働きをしている父と母の休みがあわないので、正月やおぼんのなどの長い休みの時は祖母の方が家に来ることがほとんどだ。
     むかしに泰夢が祖母の家に行ったのは、まだ小学校に通う前の話で、そのころの事はあまり覚えていなかった。
     しかし、まさか祖母の家があるのがそんな所だとは知らず、これで泰夢の計算はみごとにくずれてしまい、残された楽しみはネットにつながらないゲーム機と祖母の家のテレビ━━見られるようにしておくと言ってはいたけれど、あやしいものだ━━と、見るのもいやだけれども、今となってはひょっとしたらヒマつぶしぐらいにはなるかも知れない夏休みの宿題ぐらいしかない。
     それ以外にもうひとつ━━こっちもなぜ夏休みなのにそんなことをしなくちゃならないんだろうと思うのに、父からむりやりもたされた学習スクールの「夏休み特別コース」のパンフレットがあった。
    (スクールなんて、友だちが行ってるから通ってるだけなのになぁ)
     駅の前にある学習スクールには小学四年になった去年から通っている。
     父も母も週に三回きちんと通う泰夢を見て「勉強にめざめた」と思っているらしい。
     こっちとしては、学校で遊び足りない分を満たすために通っているのが本当のところで、勉強なんてものはそっちのけで、スクールの授業の間も講師の先生の目をぬすんではしゃべったりふざけあったりして、友だちと遊んでいる。
     そんなことは、テストの点が相変わらずなのを見ればすぐに分かるのだろうけれども、両親は「勉強しようという気持ちがすばらしい」と勝手にかんちがいをしてくれているので、泰夢としてもそれを自分から正そうという気はなかった。
    ===============

    泰夢の行先はどうやら暗そうです…
    では、次回もお楽しみに!

    小林るい


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    小学校三年生の時に初めて見た図書室の、その広さと蔵書量に胸を打たれて、いつかは物語を書きたいと強く心に誓う。 現在はゲームシナリオライターとして活動中。 Kindleにて拙書「夜明けの前の静かな紫」などを販売しております。 ぜひ一度、読んでみてください!!

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