メインコンテンツへスキップ
見出し画像

「黒板、全然見えてなかったでしょ」眼科医の一言に、凍りついた

    以前、リクの視力が急に下がった話を、少しだけ書いた。今日は、その顛末を。

    毎日2〜3時間、ゲームに沈んだ日々

    リクが小学2年生の終わり頃。習い事をサボって、1ヶ月以上、ほぼ毎日、親のいないお友達の家に通っては、ゲームを2〜3時間していた。

    しかもリクは、大人が見ていても、画面から10cmも離れていない。集中すればするほど、顔がぐんぐん近づいていく。今思えば、これで一気に、目が悪くなってしまったのだと思う。

    「すごい下がってるじゃない!」「うん」

    毎年、春には健康診断がある。その眼科検診で、リクは「眼科を再受診してください」の用紙を持ち帰ってきた。

    「リク! すごい視力下がってるじゃない!」

    そう言っても、リクは「うん」と、まるで他人事だった。

    夫と相談して、その年の誕生日に予定していたゲーム機の購入は、見送ることに決めた。リクにも伝えたけれど、まだ2ヶ月ほど先の話だったし、"買う"と確約していたわけでもなかったので、本人は「あっそ」と言っただけだった。

    …もし、ゲーム機を買ったあとだったら。こだわりの強い子にとって、毎日のルーティンになったものを取り上げられるのは、ものすごい苦痛だ。きっと、怒って大変だったと思う。まだ毎日の楽しさを知る前で、よかったのかもしれない。

    眼科で言われた、衝撃の一言

    用紙をもらったその日に、眼科へ行った。

    そこで、先生がリクに、何気なく聞いた。

    「席は、前のほうだったの?」
    「一番後ろ」
    「……黒板、全然見えてなかったでしょ」

    私は、驚いた。そして同時に、「確かに」とも思った。

    一般的に、教室の一番後ろの席から黒板の字をしっかり読むには、視力が1.0近く必要だと言われている。学校では0.7を切ると「見えにくい」とされ、受診をすすめられる。リクの0.6と0.4では、一番後ろから黒板なんて、到底見えていなかったのだ。

    ひどい憤りを感じた。半年近く、この子は何も見えないまま、教室にいたのか、と。

    「別に、困らなかったし」

    待合室で、リクに聞いた。

    「どうしてたの? 黒板見えてなくて、困らなかったの?」
    「別に、困らなかったし」

    ……どういうこと?

    たぶん、後ろの席で黒板は見えていなかったけれど、その間ずっと本を読んだり、他のことをしていて、そもそも授業を聞いていなかった。だから、本人としては「困っていなかった」ということなのだと思う。

    リクのような子は、自分の状態を客観的に見る力が、少し弱い。「見えにくい」と自覚しにくいし、比べる相手もいないから、「これが普通」だと思ってしまう。

    明らかに「それ、困っているよね」ということでも、困っていることにすら気づけない。これは、高校生になった今でも、見られている。

    だから、周りの大人が「本当に見えてる?」「本当に困ってない?」と、具体的に確認してあげることが、大事なのだと思う。本人の「大丈夫」を、そのまま信じきってはいけない場面が、ある。

    ここから、メガネ生活が始まった

    この時から、リクは毎年のようにメガネを作り替えるようになった。壊すことも多いが、それだけではない。毎年、視力が下がっていくからだ。

    https://note.com/dekoboko_ikuji/n/n9ddc952d0c84

    親が注意しても、今の時代、学校の連絡も提出物も、友達とのやりとりも、スマホやPCが必要になる。完全に制限するのも違う。かといって手放しにすれば、たぶんずっと使ってしまう。その加減が、本当に難しい。今も、試行錯誤の真っ最中だ。

    そして今年も

    今年も、一昨日、眼科受診の用紙を持ち帰ってきた。

    …いや、正確には違う。6月の初めに「眼科の用紙は? まだもらってないの?」と聞いたときは、「さあ。もらってない」と言っていた。それなのに、昨日リクが出してきた紙には、「5月15日」の日付があった。

    「リク、これいつもらったの?」

    バレた、と思ったのだろう。「あー、昨日カバンの中を片付けてたら出てきた。いつもらったんだろうね? 覚えてないや」と、これまた他人事の温度感。

    叱りたいところだった。でも、「これ大事だからね。また黒板、見えてなかったと思うよ。忘れないようにしないと」とだけ言った。リクは「はーい」と、気のない返事。

    もう少し言いたかったけれど、どうせ忘れるだろうし、長くなると喧嘩になるだけで意味がない。用紙を出してきただけ、良しとしなくてはと思った。

    でも、成長も、ある

    そして、リクは、まさに今日、眼科を受診する。

    今年は、私が言わなくても、自分から「眼科行かなきゃ」と言って、いつ行くかの予定まで立てていた。予約も取らなきゃ、と自分で確認までしていた(結局、予約のできない眼科なので予約はできなかったけれど)。

    何も言わずに、ここまで自分で行動できるようになった。不本意な眼科受診ではあるけれど…成長した! と、正直、驚いた。
    以前は受診するのに本当に一苦労だったからだ(これはまた後日の記事で)

    こうやって、ひとつずつ、生活のスキルを積み重ねていってほしい。

    最後に、教えてほしいこと

    とはいえ、いつまで視力が下がり続けるのか、心配ではある。今はもう、両眼とも0.1くらいだと思う。

    同じように、お子さんの視力低下と向き合っている方は、どうされているのだろう。何か良い方法や工夫があれば、ぜひコメントで教えてもらえたら嬉しいです。


    発達グレー育児の記録を、毎日更新しています。
    「うちだけじゃなかった」と思えた方、フォローしてもらえると嬉しいです。

     
     
    ADHD・ASDの特性がある高2の長男とASDの診断が出たばかりの多動の年中次男。凸凹兄弟ママ/元看護師です。長男は学校では「元気な子」。でも家では大変で、わかってもらえない孤独がありました。受診にたどり着くまでの経過と、葛藤した日々のリアル、今だからわかる気づきを書いています。

    あなたへのおすすめ