そこに だれか 011 旧約聖書 05 申命記
旧約聖書 (ヘブライ語聖書) の概略。救済史の観点から示す。順番はキリスト教基準。プロテスタントの用いる39書を扱っていく。
5. 申命記 全34章。 モーセによるとされる。伝統的にはBC 1400~1200年頃、現在のヨルダン西部、死海の東側に広がるモアブ平野で、約束の土地へ入る直前の新しい世代に語られた教えである。「申命」は別の律法という意味ではなく、すでに与えられた神の教えを新しい世代にもう一度聞かせる書である。モーセは出エジプトと荒野の失敗を振り返り、神との契約に忠実であるよう求める。中心は「聞け、イスラエルよ。主はわれわれの神、主は唯一の主である」で始まるシェマで、「心をつくし、精神をつくし、力をつくして」神を愛するよう命じる。当時の西アジアでは、小国の王が大帝国の王に忠誠を誓う契約が広く行われていた。申命記にも「愛する」「仕える」「他の主人について行かない」「祝福と呪い」という似た契約の言葉がある。しかしここでは帝国の王ではなくYHWHに究極の忠誠をささげる。土地は征服者の絶対的所有物ではなく、神から託された賜物であり、貧しい者、孤児、寡婦、外国人を守る責任がある。王も律法の上に立つのではなく、神の教えを読み続けなければならない。また神は将来、モーセのような預言者を民の中から立てると約束される。祝福と呪い、心の割礼、神への愛、隣人への正義、預言者、ただ一人の神への忠実が、その後の歴史を読む大切な基準となる。
最初 1:1「これはヨルダンの向こうの荒野、すなわちパラン、トペル、ラバン、ハゼロテ、デザハブの間のアラバで、モーセがイスラエルのすべての人に告げた言葉である。」
最後 34:12「またモーセがイスラエルのすべての人の目の前で行った大いなる恐るべき事は、みなそのとおりであった。」