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「昼食代をゼロ円にする方法」


     昼食は会社の近くのスーパーの中にあるイートインコーナーで済ませている。始めのうちは、体力をつけないとと思い、いろいろ買っているうちに六百円ぐらいになった。しかしあまりお腹に入れすぎると午後の仕事中に眠くなった。ダイエットした方がいい体重だったこともあって、どんどん食べる量は減っていった。次第に菓子パン二つ、ペットボトル飲料一本、という形に落ち着いた。大体330円程度の値段になった。

     飲料は味を重視して好きな銘柄のカフェオレを飲んでいた。しかしコロナ感染の後遺症で、しばらく味覚障害になり、以前のように美味しく感じなくなってしまった。ならば味重視ではなく値段重視でいいのでは、と気が付き、セール品などで安くなっている銘柄に変えた。パンもいつも選んでいた種類ではなく、割引シールの貼られている物を選ぶことにした。味覚障害以前から、味など詳しく分かっていなかったと気付いたのだ。

     次に無料のお茶があることに気が付いた。カップ麺などを作る人向けだと思っていた給湯器から、紙コップで飲めるお茶が出ることを知ったのだ。これを利用することにより、割引されたパン二つと無料のお茶のおかげで、昼食費を150円程度にまで減らせた。

     ここまで行くと際限なく昼食費を減らしたくなった。イートインコーナーを使う限りは、そのスーパーで買い物をしなければいけない。一個十円の駄菓子とお茶で済ませても、なんとか午後から働くことはできた。

     ついに気が付いた。イートインコーナーで食べるから買い物をしなければいけない。外で食べればいいのだ。あちこちに草が生えていた。木も茂っていた。肌寒い季節にはなっていたが、蝶は飛んでいるしトカゲも歩いていた。近くの川には水があった。

     もちろんそれらを食べることはしなかった。火を通さずに食べたらお腹を壊すし、火を使ったら通報されるだろう。自然の景色を眺めつつ、それらを味わうことを妄想しながら昼休みを過ごした。午後からの仕事では毎日倒れた。


     
     
    ドロベ・ゴロウ。二児の父。脳脊髄液減少症。何かしら書いてます。旧名「名無しさ」「村野」「楢山孝介」「新都社モラトリアム新書」「山下チンイツ」など。「みんなのフォトギャラリー」で画像を使用していただいた記事にスキをつけることがあります。見知らぬ人からのスキだと怖がらないでください。

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