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「メタル信長」


     西洋かぶれの信長は、中世の騎士風の鎧兜だけではなく、積極的に自らをメタル化した。天下統一のスピードは速まり、謀反を起こして本能寺を取り囲んだ明智光秀の軍勢も、一人で全滅させた。毛利の治める中国地方も瞬く間に勢力下に置かれ、四国・九州も間もなく併呑した。同時期に若くして奥州の覇者となっていた伊達政宗もメタル化していたために気が合い、方面軍団長としていた。

     そうして天下統一を果たした信長はどうしたか。韓国・中国を目指したのか。否。宇宙へ飛んだ。星間航空ロケットを開発し、月に中継地点を作り、太陽系を飛び出した。その頃には配下の武将と兵士は全てメタル化を終えていた。

     老いを捨てた信長は秀吉、家康、政宗、メタルゾンビとして復活した光秀らとともに星々を侵略し、領土を増やしていった。そのようにしなければ配下に褒美を与えられなかったからだ。

     メタル利休の点てるオイルをメタル信長は飲み干した。利休が問う。
    「どこまで、お行きになるので」
    「どこまでも」メタル信長は即答した。地球に残してきた者らの顔は既におぼろげになっていた。
    「人間五百年、いや、五千年」メタル信長の舞う「敦盛」を、バックバンドどしてメタル秀吉、メタル家康、メタル政宗、メタルゾンビ光秀らが盛り立てた。次の目標としていた惑星が、大船団を繰り出して待ち構えているのが見えた。ひるむどころか、メタル信長は心底嬉しそうに笑うのだった。度重なるメタル化手術で、表情筋も大幅に性能強化されていたので。


     
     
    ドロベ・ゴロウ。二児の父。脳脊髄液減少症。何かしら書いてます。旧名「名無しさ」「村野」「楢山孝介」「新都社モラトリアム新書」「山下チンイツ」など。「みんなのフォトギャラリー」で画像を使用していただいた記事にスキをつけることがあります。見知らぬ人からのスキだと怖がらないでください。

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