
豊胸は本当に安全か〜30年後を語らない美容医療〜
最近、キャバ嬢を取り上げるYouTubeが増えた。
アラフィフの僕が見ると、出てくる女性がみな同じ顔に見える。鼻が不自然に高く、小顔で、胸が大きい。個人差のはずのものが、判で押したように揃っている。整形だろうと思う。それ自体をどうこう言うつもりはない。
僕の世代は、流行り顔の移り変わりを定点で見てきた。アイドルの顔も、グラビアの体型も、十年単位で変わる。その目から見ると、今の画一性は際立つ。同じ設計図から起こしたように、輪郭が揃っている。
気になるのは別のことだ。あの鼻、あの胸は、30年後にどうなるのか。
施術の話は動画に出てくる。ビフォーアフターも出てくる。だが「30年後」を扱った動画を、僕は見たことがない。
安全という前提
豊胸は安全とされている。最近はそう思われている。
ただ、規制の動きを追うと、話はそう単純ではない。
2021年10月、米FDAは生理食塩水・シリコン両方の豊胸インプラントに、ブラックボックス警告を義務づけた。医薬品・医療機器に対する最も強い警告だ。患者に向けて伝えたい中身は、こうだった。豊胸インプラントは一生もたない。合併症は時間とともに増える。あるタイプのがんやその他の症状と関連しうる。
「安全」のお墨付きが出たのではない。むしろ逆だった。
決定的な一文がある。長期安全性のデータが不足しているため、豊胸インプラントが引き起こす健康問題はいまだ解明の途上にある。FDAはそう認めている。2025年2月の時点でも監視は続き、疲労・ブレインフォグ・関節痛・自己免疫様の症状への報告が、なお寄せられている。
これは海外の話だ。日本では1980年代から使われてきたが、長期データはやはり乏しい。問題は、この海外の警告強化が、日本の自費クリニックの説明にどこまで届いているかだ。最も強い警告が一方で出され、もう一方の店頭で「安全です」と語られる。その温度差の中に、患者が立っている。