
美容PRPに褥瘡の薬が混ぜられていた〜外科医が驚いた理由〜
2月27日、美容クリニックで「プレミアムPRP皮膚再生療法」を受けた女性3人が、顔にしこりができたとして東京地裁に提訴しました。賠償請求額は計約1850万円。
最初にこのニュースを見たとき、率直に「厳しいだろうな」と思いました。美容医療の訴訟で患者側が勝つのは簡単ではありません。同意書にはサインしているはず。カルテにも説明の記録は残っているでしょう。自由診療のリスクを承知の上で受けたんでしょう、と言われればそれまでです。
ところが、施術の中身を調べていくうちに、まったく違う景色が見えてきました。
外科医の手が止まった瞬間
PRP療法そのものは、自分の血液から多血小板血漿を抽出して注入する治療法です。スポーツ医学でも使われていて、自己由来なので重篤な副反応は起きにくい。美容領域でもそれ自体は広く行われています。
問題は「プレミアム」の中身です。
この施術ではPRPにbFGF(ヒト塩基性線維芽細胞成長因子)を添加しています。商品名はフィブラストスプレー。
ここで私の手が止まりました。
フィブラストスプレーは、外科の現場では褥瘡(床ずれ)の治療に使う薬です。潰瘍でえぐれた組織に吹きかけて、肉芽を盛り上げて傷を埋める。それが目的の薬剤です。私は日常的に使っています。
これを、健常な顔の皮下に注入する。ありえません。