
摂食障害でBMI12以下の人がSNSで体を晒す理由〜医師が見た死への行列〜
XやInstagramを開くと、細い腕、浮き出た鎖骨、くびれた腰。コメント欄には「綺麗」「羨ましい」「目標」の文字が並びます。同じような写真がタイムラインに溢れています。
「仲間がいる」と感じているかもしれません。
「理解してくれる人がいる」と思っているかもしれません。
医師として、そして一人の人間として伝えたいことがあります。
それは仲間ではありません。崖に向かって一緒に歩く行列です。先頭の人間が落ちても、後ろの人間は気づきません。気づいていても止まれません。後ろからも押されているから。
SNSは「居場所」を与えたように見えます。実際は違います。集団での自殺を可視化し、加速させるプラットフォームを提供しただけです。
SNSが生んだ「見せ合う病気」
摂食障害は、もう個人の病ではありません。
SNSというプラットフォームと共進化しています。変異し、増殖しています。アルゴリズムは痩せた体を求める人に、さらに痩せた体を見せ続けます。一つの投稿に「いいね」を押せば、次々と類似のコンテンツが流れ込んできます。
投稿する。「いいね」がつく。承認される。もっと痩せる。また投稿する。
この無限ループの中で競い合っています。誰がより細いか。誰がより骨が浮き出ているか。誰がより「完璧」か。
「いいね」の数だけ、死に近づいています。
フォロワーが増えるごとに心臓は弱ります。コメントが増えるごとに骨は脆くなります。「目標」と呼ばれるたびに、誰かが後を追って同じ崖に向かって歩き始めます。