
私はミステリーの人生なんか望んでいない。けれども。
第11話(最終回)
大学の円形ベンチ中央に大きな楡の木があった。
季節はまだ寒々として、楡の木も沈黙を保っているかのようだった。
誰もが口を開かなかった。
いや、開けなかったのだ。
悪意があって赤ワインをプレゼンしたわけでもないことは皆知っている。
だから、
後味悪い卒業式となって、みんな散らばった。
それから8年
私と体育系男との再会プロポーズとなった。
何度も何度も恋をし、
過去を持つ女もまたしても、こんなストーリーが舞い込む。
「君は強い女だから、一人でも生きていける。大丈夫」と
男たちは、笑いながらいう。
本当は誰かに寄りかかり守られたいが、それを表に出せない。
「萌芽しとる。私、萌芽しとる」
そう叫びたい。
そんな時の体育系男のプロポーズ。
「SAY YES」
と言おう。
依存ではなく、揺れる私をしっかり支えてくれる男。
だけども。
「SAY YES」
と言えない。
幸せを掴もうとしても
何故か別れが私の足元でつきまとう。
広いハーブ園のラベンダーが寂しそうに揺れている。
完
