
【退院後の暮らし⑤】退院して、最初のお参り——足の神様・服部天神宮へ、お礼参り
無事に退院できて、今週、最初のお参りに行ってきた。彼女と一緒だ。行き先は、大阪府豊中市の服部天神宮。「足の神様」として知られる神社だ。
■ なぜ、服部天神宮だったのか
私は、10年間、糖尿病から目を背けて、足を壊死させた。半年の入院を経て、10月に退院した。
入院中、彼女が、私の足のために、この神社で祈願してくれた。だから、退院できたら、まず最初に、お礼を伝えに行きたかった。
■ 足の神様のいわれ
服部天神宮の主祭神は、医薬の神・少彦名命(すくなひこなのみこと)と、菅原道真公だ。
由緒によれば、5世紀、允恭天皇の時代に、渡来系の氏族・秦氏が、織物をつかさどる織部司に任じられて、この地を本拠にした。そのとき、医薬の神である少彦名命を祀ったのが始まりとされる。
■ 道真公と、足の病
延喜元年(901年)、菅原道真公は、大宰権帥として左遷される道中、この地で持病の脚気に襲われた。里人にすすめられて、路傍の天神祠に平癒を祈ったところ、健康を取り戻したと伝わる。
道真公は、そのあと太宰府まで、無事にたどりついた。この伝承と、道真公を祀る天神信仰の広がりから、この社は「足の神様」として崇敬されるようになった。
■ 境内に残る歴史
境内には、藤原魚名の墓がある。延暦2年(783年)、左遷される途中でこの地で病に倒れ、亡くなった人だ。
奉納された草履などの履物を納める「草履堂」もある。足の病気や、足の健康を願う人が、昔から参ってきた神社なのだと思う。
このあたりは、能勢街道の宿場町として栄えた。江戸時代の文化・文政のころには、門前の市がにぎわったという。
■ 最初のお参りで
入院前の私は、足の異変を、ずっと見ないふりをしていた。
いま、足のむくみは、少しずつ治まってきている。
「足の神様」の前で、彼女への感謝を胸に、手を合わせた。心のなかで伝えたのは、「足があって、ありがとう」。これからは、足を大切にしていこうと、あらためて思った。
退院して最初のお参りが、彼女と一緒に、この場所で、よかった。
■ 次回へ
退院後の暮らしは、まだ続く。また、ひとつずつ書いていきたい。