
沖縄からの風便り182
恋でも愛でもない、その先にあるもの
恋とは何だろう。
愛とは何だろう。
恋は浅くて淡く、初々しいもの。
胸がときめき、相手の言葉ひとつで心が揺れ動く。
愛は、恋よりも深く、大人になった恋のようなものだろうか。
けれど、恋も愛も、目には見えない。
確かな形があるわけでもなく、私たちの心の中で揺れ動くものだ。
結婚して33年になろうとしている今、ふと思う。
恋も愛も、二人が本当の意味で二人になるまでの、ひとつの過程だったのではないかと。
長い年月を一緒に過ごす中で、楽しいことも、そうでないこともあっただろう。
その一つひとつを経て、信頼が生まれ、尊敬が育ち、思いやりや感謝が自然と心に宿るようになる。
そして、ある日、何でもない日常の中で、ふと感じるのだ。
恋とも愛とも、少し違う何かを。
それは、特別な言葉で確かめる必要もなく、何かをしてもらったから感じるものでもない。
長い年月をかけて、二人の間に静かに積み重なってきたものなのだろう。
恋は心をときめかせ、愛は心を動かす。
そして年月は、二人の関係を少しずつ深めていく。
恋や愛が消えてしまったのではない。
その姿を変えながら、信頼や尊敬、いたわりや感謝へと、少しずつ溶け込んでいったのかもしれない。
愛は、感情から始まり、いつか生き方になる。
今の私には、そんなふうに思える。
恋や愛という言葉だけでは表せないもの。
それこそが、長い年月を共に歩んできた二人だけが知る、名前のない感情なのかもしれない。
