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PEPは下方修正でも買い?AEM・EverpureとAI株の評価|Mad Money 2026年10月8日

    利益予想を引き下げたPepsiCoが上昇し、AI関連株が売られる一方で、Home Depotなどが買われる。今回のMad Moneyは、決算の良し悪しだけでは説明できない株価の動きを取り上げました。

    クレイマーが強調したのは、分散投資と買う価格です。Agnico EagleとEverpureのCEOインタビューを通じて、金鉱株の成長の見方、AI時代のデータ保存需要も掘り下げました。最後にはSpaceXについて、事業への期待と株価への判断を分けて説明しています。

    今回のポイントは3つ

    • 分散は、下落局面でも投資を続けるためにある。 AI・データセンター株に資金を集中させると、同じ材料で一斉に下がることがあります。クレイマーは、この日の消費関連株の上昇を分散の意味が表れた例としました。

    • PepsiCoの下方修正は、売上回復と合わせて読む。 利益予想は引き下げられましたが、売上の改善と販促投資を評価。悪材料が株価にどこまで織り込まれていたかも、反応を左右したと見ています。

    • 良い会社でも、株価次第で判断は変わる。 AEMでは1株当たりの生産量、Everpureでは大型顧客と利益率に注目。SpaceXの事業は高く評価しながら、株価には割高感があるとしました。

    AI株の下落と、分散投資の意味

    この日はダウが約52ドル上昇した一方、S&P500は約0.47%、ナスダックは約1.25%下落しました。クレイマーは、OpenAIの売上見通しに関するFinancial Timesの報道が、AI・データセンター関連株への売りにつながったと説明しています。

    ただし、本人はOpenAIから報道内容を明確に確認できたわけではないと話しました。売上の数字や比較条件についても慎重で、報道された不足額を確定した業績として扱っていません。AI関連株の下落が反転する可能性にも言及しましたが、それも本人の予想です。

    一方、この日はHome Depotなどが上昇しました。クレイマーは、30年国債の入札終了後に金利への警戒がやや和らぎ、売られていた小売株が買われたと見ています。

    Home Depotには、住宅売買の停滞、高い住宅ローン金利、ガソリン価格による家計への負担という課題があります。それでも、金利上昇が落ち着けば株価が反応する可能性がある。AI株とは違う材料で動くことが、分散先としての意味になるという説明でした。

    クレイマーは、調子の良い分野だけを持ちたくなる気持ちを認めつつ、集中による損失が大きすぎると、投資そのものをやめてしまいかねないと指摘しました。分散の目的は、毎日すべての保有株を上昇させることではなく、厳しい日にも市場に残れるようにすることです。

    McDonald’sとHome Depotの評価

    • McDonald’s(MCD):割安感を評価し、段階的な購入に前向き
      番組内では翌年予想PERを約17.2倍とし、過去の評価より低いと説明しました。ただし、立て直し策を実行するにはフランチャイズ加盟店の協力が必要です。割安さだけでなく、現場で計画が進むかも課題になります。

    • Home Depot(HD):長期の回復を見据えて評価
      金利や住宅市場の逆風を認めながら、不人気な時期に注目する姿勢です。この日の上昇を、債券市場が落ち着いたときの反応の例としていました。住宅需要の回復がすでに確認できたという話ではありません。

    Agnico Eagle――金鉱株は「1株当たり」で見る

    Agnico Eagle Mines(AEM)のAmmar Al-Joundi CEOとの対話では、金価格の見通しに加え、鉱山会社をどう評価するかがテーマになりました。

    クレイマーは、週初めに紹介したCarly Garner氏の金への強気見通しを受け、お気に入りの金鉱株として同社を取り上げています。CEOも、中央銀行による購入や財政・通貨への不安が、金を支える要因になると見ています。季節的に価格が弱くなりやすい時期を、長期の投資を始める機会として捉える意見でした。

    ただし、今回のインタビューは決算発表前の静かな期間に行われており、新しい四半期業績が示されたわけではありません。中心は、経営戦略と金に対する考え方です。

    地域への集中が競争力になる

    Al-Joundi CEOは、世界中へ広く進出するより、鉱床の可能性と政治的な安定性があり、何十年も複数の鉱山を運営できる地域で強い立場を築く方針を説明しました。

    同じ地域で長く事業を続ければ、小規模な鉱山会社、供給業者、請負業者、地域社会への理解が深まります。人材の定着にもつながり、単に鉱山の数を増やす以上の強みになる、という考え方です。公式の投資家向け説明でも、地域の地質的な可能性と政治的な安定性を重視しています。

    もう一つの軸が、1株当たりの生産量です。買収で会社全体の生産量が増えても、新株の発行で株数が大きく増えれば、既存株主が受け取る価値が同じように増えるとは限りません。CEOは、株主が1株単位で投資する以上、経営も1株単位の成果を重視すべきだと話しました。

    番組では、過去20年で1株当たりの生産量を約3倍にしたと説明しています。金価格の上昇だけでなく、生産量とコスト管理で価値を高めることを目指すという話です。

    現物金・金ETFとの違い

    CEO自身も、鉱山株には金ETFより多くのリスクがあると認めました。採掘コストなどの負担があるため、金価格が上昇すれば利益が大きく増える可能性がありますが、価格下落や操業上の問題では逆に振れます。

    金への強気見通しを持つことと、鉱山事業のリスクを引き受けることは分けて考える必要があります。金ETFにも価格下落リスクはあり、安全が保証されるわけではありません。

    Bitcoinとの比較では、CEOは中央銀行の金購入や政府規制への懸念を挙げ、金の歴史と独立性を重視する見解を示しました。クレイマーは両者の比較について中立的な立場を示しながら、Agnico Eagleの経営を引き続き高く評価しています。

    PepsiCo――利益予想を下げたのに、なぜ株価は上がったのか

    PepsiCoは通期の利益見通しを引き下げましたが、株価はこの日約3.7%上昇しました。クレイマーは、予想引き下げが広く警戒されていたことに加え、売上の改善が評価されたと説明しています。

    2026年第3四半期の主な数字は次の通りです。

    • 売上高:252.74億ドル、前年同期比5.6%増。

    • オーガニック売上成長率:3.1%。 為替や買収・売却の影響を除いた成長です。

    • コアEPS:2.34ドル、前年同期比2%増。 通常の会計基準に沿ったGAAPのEPSは2.23ドルでした。

    • コア営業利益率:前年同期比0.35ポイント低下。 売上が伸びても、コストと投資の負担は残っています。

    北米の食品事業では、価格の手頃さを意識した施策がスナックの数量やシェアの改善につながりました。一方、北米飲料事業の売上5%増には、前年の買収が大きく寄与しています。各部門の売上増を、すべて既存商品の需要回復と読むのは慎重でありたいところです。

    下方修正の中身は「増益率の縮小」

    会社の通期予想では、オーガニック売上成長率を従来の2~4%から約3%に絞り、売上高全体の成長率は従来の4~6%に対して約6%としました。

    一方、コアEPSの成長率予想は、従来の5~7%レンジの下限から、2.5~3.5%へ引き下げています。為替の影響を除くコアEPS成長率は、従来の4~6%レンジの下限から1~2%です。減益予想へ転じたのではなく、増益の幅が小さくなったという修正でした。

    クレイマーは、価格を下げる施策、小容量の商品、広告、商品開発などが売上に効き始めている点を評価しました。それらを続ける費用に加え、燃料や包装材料のコスト上昇が利益を圧迫する構図です。

    そのため、今回の修正を単純な需要崩壊と捉えるより、回復を続けるための投資と、コスト負担を現実的に反映した見通しとして受け止めています。

    クレイマーの判断は改善。ただし完全回復とはしていない

    番組内では、新しい利益予想の中央値に対してPERが約15倍、配当利回りが約4.6%と説明しました。これらは番組時点の株価と予想に基づく目安です。

    クレイマーは、利益見通しへの不安がいったん整理され、売上への信頼が戻ったことで、以前より買いを検討しやすくなったとしています。ただし、構造的な課題が解消したとは判断していません。

    また、高い国債利回りが配当株の競争相手になる点も指摘しました。配当収入があっても、株価の下落を必ず防げるわけではありません。今後は、販促による数量回復が続くか、それが利益率の改善に結び付くかが焦点になります。

    Everpure――AIの保存需要とデータ管理への拡大

    旧Pure StorageのEverpure(P)では、Charles Giancarlo CEOが、大手クラウド企業向けの事業とデータ管理への拡大を説明しました。

    同社は、メモリーやストレージ部品を供給する会社とは異なり、企業やデータセンター向けの保存システムとソフトウェアを提供します。CEOは、フラッシュを直接扱う技術により、性能や信頼性を高めながら、設置スペース、電力、冷却の負担を抑えられると説明しています。

    AI向けの設備では、計算能力だけでなく、大量の情報を速く保存し、取り出す能力も必要です。データ保存の効率が、データセンター全体の運営費に影響するという話でした。

    大型顧客の拡大と、会社が示した見通し

    CEOは、現在2社の大手クラウド企業に販売しており、既存の企業向け事業に加えて、その需要が今後の成長を支えると話しました。番組ではMetaにも言及しています。

    8月発表の2027年度第2四半期は、売上高が約12億ドルで前年同期比38%増。GAAPの営業利益は6300万ドル、調整後の営業利益は2.30億ドルでした。両者は費用の扱いが異なるため、同じ利益指標として並べないことが大切です。

    9月23日の説明会では、2028年度の暫定見通しとして売上高70~73億ドル、調整後営業利益17~19億ドルを示しました。高い成長を見込む数字ですが、実現済みの業績ではありません。

    クレイマーは、株価がすでに大きく上がっていることを認めながら、事業の広がりを評価しています。大型顧客の採用と、その売上・利益への寄与が続くかが重要になります。

    コストをすべて転嫁せず、顧客との関係を優先

    部品コストの上昇について、CEOは顧客にすべてを転嫁せず、主力事業の粗利益率を想定レンジの下側で運営する判断を説明しました。短期の利益率には負担がかかりますが、顧客との長期的な関係を優先する方針です。

    さらに、AIエージェントの普及は保存需要を増やすと見ています。同時に、企業内のデータが各部署やシステムへ分散し、整合していない問題にも注目しています。

    データをためるだけでなく、どこに何があり、どう関連しているかを把握し、使える状態にする。Everpureへの社名変更は、こうしたデータ管理への拡大を反映したものだと説明しました。

    成長期待に加え、部品コストへの対応が利益率にどう表れるか、大型顧客への販売がどれほど安定して続くかも確認したいところです。

    視聴者からの質問――AXPとCELH

    • American Express(AXP):低迷を認めつつ、長期の評価は維持
      業績や株価への厳しい質問に対し、ブランドと若い顧客への訴求力を引き続き評価しました。ただし同日、OCCは子会社American Express National Bankの資金洗浄対策の不備に対して3.5億ドルの制裁金を発表。ブランドへの信頼と、管理体制の問題は分けて見る必要があります。

    • Celsius Holdings(CELH):見送り
      クレイマーは事業が壊れたというより実行面の問題と見ていますが、現在の運営を十分に評価できず、買いには動かないと回答しました。

    Lightning Round――銘柄判断を短く整理

    • Kulicke & Soffa Industries(KLIC):下落を機会として評価
      半導体の接合・組立装置を評価。ただし半導体製造装置ではLam Research(LRCX)を第一候補、Applied Materials(AMAT)を第二候補としました。

    • Flagstar Bank(FLG):保有継続に慎重
      預金をより高い利回りの銀行へ移す流れが、地域銀行に与える影響を懸念。強い流れに逆らわず、別の銘柄へ移る判断を示しました。

    • STMicroelectronics(STM):会社を評価しつつ、Intel(INTC)を選好
      この日の下落ではIntelに注目し、2028年を見据えた段階的な買いに前向きでした。短期の反発を保証する判断ではありません。

    SpaceX――事業を好きでも、株価は高いと判断できる

    最後にクレイマーは、「会社を評価すること」と「いまの価格で株を買うこと」を分けました。PepsiCoやConstellation Brandsでは、悲観が株価に強く織り込まれたあと、事業の説明が評価を変えたとしています。

    反対に、将来の成長が期待される会社でも、金利が高ければ数年先の利益に支払える価格は低くなります。赤字企業ではPERが使いにくく、売上倍率だけが高くなっているケースにも慎重です。

    その例がSpaceX(SPCX)でした。Starlink、再利用ロケット、NVIDIAのGPUを使った計算資源の貸し出しを評価し、利益の拡大は市場が考えるより速いかもしれないと見ています。

    番組では、低い周波数帯の取得による通信事業の可能性にも触れました。Grain Managementの発表では、全米の800MHz帯の周波数資産をSpaceXへ売却する契約を締結しています。ただし、FCCの承認などが完了条件であり、取得完了や屋内通信の課題解消が確定したという発表ではありません。

    クレイマーは事業への好意を維持しながら、現在の株価にはやや割高感があると判断しました。大きく下がれば購入を検討したい、という立場です。前日の前向きな事業評価が、そのまま現在価格での買い推奨を意味するわけではないことを、改めて説明した場面でした。

    ※本記事は番組内容の要約と公開資料による補足です。銘柄判断はクレイマーの番組内の見解で、個別の投資を推奨するものではありません。

    出典・参考資料

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