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Oracleは好決算でもなぜ反落?2018年型の急落に備える現金戦略|Mad Money 2026年9月11日

    好決算を出したOracleが、寄り付きの上昇をすべて失って反落。それでもクレイマーは、同社の資金調達とデータセンター建設に以前より安心感を持ったと語りました。一方、相場全体には2018年秋との不気味な共通点があると警告しています。

    今回の「Mad Money」は、企業の成長力を評価することと、金利・原油・ポジションのリスクを管理することを分けて考えた回です。翌週のFOMC、視聴者質問、Lightning Roundに加え、9・11から25年を迎えたクレイマーの追悼メッセージも紹介します。番組の発言・株価水準・予測は米国時間9月11日時点です。

    今回の要点

    • OracleはAI需要だけでなく、設備の引き渡しと顧客資金の回収が進展。ただし、キャッシュ流出とOpenAIへの依存は残っています。

    • 2018年と似た環境でも、全売却は勧めない。一部利益確定と現金確保によって、下落時に買い戻せる状態を作る考えです。

    • 翌週はFOMCと長期金利の反応が焦点。個別株への強気と、信用取引を控える慎重姿勢は両立しています。

    本編・主要テーマ/銘柄解説

    原油安がハイテク株の反発を支えた

    この日はダウが59ポイント上昇、S&P500が0.86%、NASDAQが0.96%上昇。クレイマーは、原油下落が米国債利回りの上昇を抑え、ハイテク主導の反発につながったと説明しました。

    企業面ではAdobe(ADBE)とOracle(ORCL)が支えになりました。Adobeには成長が残り、Oracleは200億ドルの株式売却を完了。両社がすぐに行き詰まるとの悲観が和らいだことに意味があるとしています。Adobeは下落局面から切り返して1.3%上昇し、クレイマーは空売りの買い戻しが起きる候補と評価しました。

    その安心感が波及する先として、Dell Technologies(DELL)、Vertiv(VRT)、Cisco Systems(CSCO)、Marvell Technology(MRVL)、GE Vernova(GEV)、Hewlett Packard Enterprise(HPE)を挙げています。大手クラウド企業のMeta Platforms(META)、Amazon(AMZN)、Alphabet(GOOGL)、Microsoft(MSFT)も上昇しました。

    Apple(AAPL)は別の材料で評価。折りたたみ型iPhone Duoへの需要を期待し、新製品発表後の株価上昇にはまだ余地があると述べました。

    翌週のゲームプラン:FOMC後、長期金利はどう動くか

    番組で挙げられた翌週の主な予定は次のとおりです。

    • 9月14日(月):SalesforceのDreamforceに向けてサンフランシスコへ。週末の湾岸情勢と原油の動きも確認。

    • 9月15日(火):Salesforce(CRM)のマーク・ベニオフCEOにインタビュー。AIプラットフォームAgentforceの実力と事業への貢献が焦点。

    • 9月16日(水):FOMCの政策判断と、引け後のLennar(LEN)決算。

    • 9月17日(木):Brinker International(EAT)とIntuit(INTU)の投資家向け説明会。

    FOMCは公式日程でも9月15~16日に開催予定です。FRB・FOMC日程

    クレイマーは、インフレの高止まりから利上げが有力と見ています。発表された8月CPIは前年比3.4%、前月比0.4%。食品・エネルギーを除くコアは前年比2.4%、前月比0.3%でした。米労働統計局・8月CPI

    重要なのは、短期金利が上がった後の長期金利です。クレイマーは、ケビン・ウォーシュFRB議長がインフレ抑制への規律を示せば、債券市場が安心し、長期金利はむしろ下がる可能性があると予想しました。利上げなら金利がすべて同じ方向に動く、とは考えていません。

    住宅では、Lennar株が前年の約140ドルから79.60ドルへ下落したことを指摘。住宅ローン金利が高いままでは、低金利ローンを持つ既存所有者の住み替えも進みにくくなります。

    BrinkerはChili’sの運営力を引き続き評価。Intuitについては、AIに代替されるとの懸念だけで売られる局面は終わりつつあるとし、ServiceNow(NOW)やSalesforceのような再評価を説明会に期待しました。

    湾岸情勢の改善は原油安を通じて追い風になり得ますが、軍事的な激化や紅海の輸送障害が起きれば逆方向です。これらはクレイマーが示した条件付きのシナリオであり、確定した見通しではありません。

    Oracle:巨大な受注残を「稼働設備と現金」に変えられるか

    Oracleは好決算を受けて前日の終値より11ドル以上高く寄り付きましたが、その後失速して下落で終了。クレイマーは値動きと決算評価を切り離し、内容には前向きでした。

    公式発表で確認できる2027年度第1四半期の主要数字です。

    • 売上高:193億ドル、前年同期比30%増。

    • クラウド売上高:116億ドル、62%増。

    • クラウドインフラ(OCI)売上高成長率:121%。

    • 調整後EPS:1.92ドル、30%増。

    • RPO(残存履行義務、契約済みの未認識売上):6,640億ドル。

    • 新規AIクラウド契約:300億ドル超。

    • 設備投資:約285億ドル。フリーキャッシュフロー:約54億ドルの赤字。

    • 通期見通し:売上高900億ドル以上、調整後EPS8.10ドル。

    また、850メガワットの追加データセンター容量と30万基超のGPUを顧客へ提供し、200億ドルのATM方式による普通株売却を完了しました。Oracle・2027年度第1四半期決算

    クレイマーが評価したのは、需要の大きさより実行面の改善です。番組では、テキサス州アビリーンの8棟中6棟、616メガワット分を引き渡したと説明。ニューメキシコ州やウィスコンシン州の建設遅延についても、複数拠点の段階的な稼働を前提とし、今期の業績見通しには影響しないという経営陣の説明を好意的に受け止めました。

    既存の計算容量を更新・再販売した契約は平均20%高い価格で成立。少なくともOracleの契約実績では、古いGPUを使う計算容量にも需要があるとしています。これは中古GPUすべての価格上昇を意味するものではありません。

    資金面では、顧客の前払い・ハードウェア持ち込み・供給業者による資金支援が負担を軽減しています。番組で示された顧客前払いは113.6億ドル。通期の総設備投資900~950億ドルに対し、顧客資金などを考慮した純現金支出は700億ドル以下という説明が、クレイマーの安心感につながりました。

    ただし、前払いは将来のサービス提供義務を伴い、利益や自己資金と同じではありません。今後前払いが減れば、資金繰りへの圧力は再び強まります。さらに、番組ではOpenAI関連が前四半期の受注残の半分以上を占めるとのJPモルガン推計を紹介し、フリーキャッシュフローの黒字転換時期が示されなかった点も問題視しました。

    番組時点の予想PERは今期19倍未満、来期14倍未満。クレイマーには売上30%成長に対して低く見えますが、この評価は将来利益の実現が前提です。回復余地を認めつつ、データセンターが政治争点になっているため、選挙後まで待つ選択肢も示しました。

    2018年秋との比較:予測よりも、下落に耐える準備

    クレイマーは、トランプ政権2年目、ハイテク主導の上昇、原油高、インフレ、新FRB議長、中間選挙という組み合わせが2018年と似ていると指摘しました。

    番組内の比較では、各政権の発足から9月11日までのS&P500上昇率は、前回が約27%、今回は28%弱。2018年は原油が年初の約60ドルから9月末の70ドル台半ばへ上昇し、今回は約60ドルから約100ドルへ上昇しています。米10年債利回りも、前回の約2.5%から3%超への上昇に対し、今回は約4.2%から5%弱への上昇でした。

    2018年はその後、9月の高値からクリスマス直後の安値までS&P500が約20%、NASDAQが約24%下落。クレイマーは、当時の追加利上げ姿勢が売りを加速させたと振り返りました。

    ただし、同じ下落を予告したわけではありません。今回のFRBが当時と同じ失敗をするとは限らず、2018年の急落後には2019年の大幅反発もありました。

    提案は、含み益のある銘柄を一部売り、買い直せる現金を残すこと。自身のチャリタブル・トラストでは現金比率を十数%台半ばまで引き上げたと説明しました。企業の成長前提が崩れたから売る場合と、市場全体への警戒から保有量を減らす場合を区別しています。

    さらに、借りた資金で株を買う信用取引から離れるよう繰り返し警告。高値圏の相場では、企業への確信より先に、強制的な売却を避ける資金管理が必要というメッセージです。

    通常の視聴者質問:長期評価にも濃淡

    Kraft Heinz(KHC)

    損失確定を検討する視聴者に、スティーブ・カヒレーンCEOの実行力を評価し、あと6カ月は立て直しを見守るよう回答。株価の安さではなく、経営改善への期待が理由です。

    Uber Technologies(UBER)

    従来より慎重な見方に転じました。自身の著書では有力な成功企業として取り上げたものの、利益の勢いと成長の手応えが不足していると指摘。「心配している」と明言しましたが、この回答では具体的な全売却指示までは示していません。

    Meta Platforms(META)

    6~12カ月ではなく3~5年の視点を提示し、その期間で株価が倍になる可能性があると予想。経営陣と、中小企業向けAI・個人向けアシスタントの展開を評価しました。倍増はクレイマーの予測であり、確約ではありません。

    Boeing(BA)

    原油高と金利高で航空会社の投資が懸念され、株価が抑えられていると説明。一方、新しい機体の燃費改善は航空会社にメリットがあり、原油がピークを打てば上昇のきっかけになると見ています。

    Advanced Micro Devices(AMD)/Dell Technologies(DELL)

    AMDとDellは購入を検討していたものの、自身に課される取引制限で実行できなかったと説明。AMDはリサ・スーCEOと企業の実力を高く評価し、明確な買い回答でした。NVIDIA(NVDA)との短期的な値上がり幅の比較ではなく、AMD自体の評価として読むべき発言です。

    Investing Clubの質問:利益確定と債券の役割

    DraftKings(DKNG)

    競争が混み合い、顧客獲得に追加費用が必要になると懸念。ジェイソン・ロビンズCEOは評価しながらも、資金をほかへ移すよう回答しました。購入時の価格や、過去3年の機会損失ではなく、今後の競争環境を重視しています。

    大きな含み益をいつ守るか

    企業への確信が残っていても、大きな利益を失わないために売却する規律を優先すると回答。この発言は利益確保の考え方であり、すべての値下がりに反応して売るという機械的なルールではありません。

    McDonald’s(MCD)/Jersey Mike’s(JMKE)

    視聴者が挙げた約20%の年間下落に対し、McDonald’sは現在の水準なら買いと回答。再活性化策と競合より強い資金力を評価しました。ただし、店舗拡大余地と経営陣を理由に、Jersey Mike’sも比較候補として推しています。同社のNYSEティッカーはJMKEです。Jersey Mike’s・公式FAQ

    米国債を組み入れる金利水準

    米10年債で5%程度の利回りを得られるなら、一部を債券に振り向ける考えを支持。年齢が高いほど配分を増やす余地はあるとしましたが、長寿に備える成長資産として株式も残す姿勢です。

    ここは補足です。質問には30年債の話も含まれていましたが、回答で挙げた5%は10年債の水準です。また、長期債は満期前に売れば金利変動による価格損失があり、円ベースでは為替リスクも残ります。

    Lightning Round

    Sphere Entertainment(SPHR)

    • 判定:強気・保有を支持。

    • 回答:Sphereの事業を高く評価し、ドーラン家の経営手腕を肯定。視聴者の好調な保有銘柄として、引き続き好意的に見ています。

    Honeywell Aerospace(HONA)

    • 判定:慎重・保有を勧めない。

    • 回答:ジム・カリアーCEOの楽観的な説明と実際の業績が一致しなかったと批判。焦点は航空宇宙業界全体ではなく、経営陣への信頼です。

    AppLovin(APP)

    • 判定:慎重・段階的売却。

    • 回答:大手の参入で競争環境が変わったと説明。半分を今売り、残りは反発時に売るよう提案しました。視聴者が述べた「利益800%から400%」は、その人の保有成績です。

    Cameco(CCJ)

    • 判定:長期強気。

    • 回答:原子力の拡大を期待しつつ、業界成長の本格化には3~5年を見込むよう説明。比較するならBWX Technologies(BWXT)をやや優先しました。Camecoに現在利益がないという意味ではありません。

    QXO(QXO)

    • 判定:中立・経営陣を信頼して見守る。

    • 回答:株価不振には驚きを示しながらも、ブラッド・ジェイコブズ氏に逆らいたくないと回答。Home Depot(HD)も同様に苦戦する一方、同社には配当があるという比較をしました。強い買い推奨ではありません。

    Aflac(AFL)

    • 判定:中立・保有容認。

    • 回答:大きな成長はないが、割高でもなく、現在の水準でリスクはそれほど高くないと評価。「非常に良い」でも「悪い」でもない、落ち着いた回答でした。

    番組最後:9・11の記憶を次の世代へ

    同時多発テロから25年を迎え、クレイマーは犠牲者の名前の読み上げや黙とうに敬意を示しながら、記憶を受け継ぐにはそれだけでは足りないと訴えました。

    自身が現場近くから避難した体験、父親を亡くした子どもたちとの関わりを振り返り、若い世代が何が起きたのかを学ぶための全国的な追悼の日を提案。これは投資の話ではなく、人々の記憶と教育についての番組の締めくくりでした。

    銘柄別の投資判断

    以下の評価は番組での姿勢を要約したものです。監視ポイントと見直し条件は、その根拠から整理した補足で、クレイマーの直接発言ではありません。Lightning Roundの判断は上記に集約しています。

    Oracle(ORCL):強気寄り、購入時期には慎重

    • 理由:実行面と資金負担への懸念が改善。

    • 監視:OCI成長率、設備引き渡し、前払いを含むキャッシュフロー。

    • 見直し条件:受注の売上化が遅れ、追加調達や株式希薄化が想定以上に拡大する場合。

    Meta(META)/AMD(AMD)/Dell(DELL):長期強気

    • 理由:AIの収益化・供給基盤への評価。

    • 監視:MetaはAI投資に対する利益成長、AMDはデータセンター売上と利益率、DellはAIサーバーの採算。

    • 見直し条件:投資や受注が増えても、利益・現金回収が伴わなくなる場合。3社とも保有するとAI投資への共通リスクが大きくなる点には注意。

    Uber(UBER)/DraftKings(DKNG):慎重

    • 理由:Uberは業績の勢い、DraftKingsは競争と獲得費用を懸念。

    • 監視:Uberの利益・キャッシュフロー成長、DraftKingsの販促費と収益性。

    • 見直し条件:成長鈍化と利益率悪化が重なる場合。番組の回答は、Uberが警戒、DraftKingsが退出提案と異なります。

    Kraft Heinz(KHC)/McDonald’s(MCD):条件付き強気

    • 理由:経営改善への期待。

    • 監視:Kraft Heinzの販売数量と利益率、McDonald’sの客数と既存店売上。

    • 見直し条件:改善策が数字に表れず、値引きや費用増だけが続く場合。Kraft Heinzは番組が示した6カ月を点検の目安に。

    日本人投資家向けまとめ

    • 良い会社と、今すぐ買いやすい相場は別問題。決算の質と金利環境を分けて判断する。

    • 利益確定は全撤退とは限らない。現金には、下落時に売らされず買いに回れる価値がある。

    • AI投資では、受注残よりも設備の稼働・採算・現金回収を確認する。関連銘柄を増やしても分散にならない場合がある。

    • 米国債のドル利回りを、そのまま円での安全な収益と考えない。金利による価格変動と為替を含めて評価する。

    今回の持ち帰りは、相場の急落を当てることではなく、予想が外れても運用を続けられる準備をすることです。

    免責事項

    本記事は公開番組と資料の整理・解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。予測は実現を保証せず、情報や市場環境は変化します。投資判断はご自身の責任で行ってください。

    出典

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