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BroadcomはAI減速論でも買い?2028年AI売上2,300億ドル計画とCrowdStrike急騰|Mad Money 2026年9月14日

    AI開発を意図的に減速すべきだという議論が広がり、データセンター関連株が売られました。その一方で、Broadcomのホック・タンCEOは番組で「需要に変化はない」と明言し、2028年度のAI売上高2,300億ドル、EPS30ドル超という非常に強い目標を示しました。

    今回の「Mad Money」は、AI需要そのものが失速したのか、それとも安全性・電力・資金調達への不安が株価を揺らしているだけなのかを考える回です。CrowdStrikeはAIエージェントを実行時に守る需要で急騰。Lyftは自動運転を脅威ではなく成長手段と位置づけました。発言や株価水準は米国時間9月14日時点です。

    今回の要点

    • BroadcomはAI需要の強さを再確認。ただし、2,300億ドルという2028年度予想の実現には、電力・データセンター・先端半導体・HBMの供給が必要です。

    • AIの減速論は、計算需要を消すよりもセキュリティ需要を押し上げました。CrowdStrikeとPalo Alto Networksが相場を主導しています。

    • LyftはWaymoとの提携を通じ、自動運転を自社プラットフォームへ取り込む戦略。利用者とキャッシュフローは改善していますが、競争と車両運営の採算確認は欠かせません。

    本編・主要テーマ/銘柄解説

    原油・金利・AI減速論が重なった一日

    朝方の市場には三つの逆風がありました。

    一つ目は原油です。ホルムズ海峡の混乱を補うサウジアラビアの東西パイプラインが、フーシ派のドローン攻撃で停止したと報じられ、原油は一時約4%上昇しました。二つ目は米10年債利回りが5%へ達したこと。三つ目はOpenAIやAnthropicの経営者らによるAI開発の減速論です。

    それでも原油の上昇は終盤に約1.5%まで縮小し、5%近辺の米国債にも買いが入りました。ダウは152.09ドル安、S&P500は0.48%安、NASDAQは0.56%安で終了。朝方の急落からは大きく戻しています。

    売りが集中したのは、データセンターの建設、設計、電力、光通信などAI設備投資の恩恵を受けてきた銘柄です。クレイマーは、原油、金利、FOMC、AI規制の不確実性が同時に残るため、値下がりだけを理由にすぐ買うのではなく、状況が落ち着くのを待つよう勧めました。

    一方、AIの危険性が意識されたことで、CrowdStrike(CRWD)とPalo Alto Networks(PANW)などサイバーセキュリティ株は上昇しました。同じAI関連でも、計算設備から防御へ資金が移った形です。

    Broadcom:AI売上2,300億ドルの根拠

    Broadcom(AVGO)は好決算後も株価が伸びず、直近1カ月で10%超下落。6月高値からは約150ドル下にありました。市場が問題視したのは、長期予想の強さに対して次四半期見通しが期待ほど上振れしなかったことです。

    しかし、ホック・タンCEOはインタビューで、AI減速論による顧客需要の変化は「まったくない」と回答。最先端モデルの学習だけでなく、実際にモデルを使う推論需要も極めて強く、持続的だと説明しました。

    Broadcomの公式決算で確認できる直近の数字は次のとおりです。

    • 2026年度第3四半期売上高:296億ドル、前年同期比86%増。

    • AI半導体売上高:167億ドル、前年同期比221%増。

    • フリーキャッシュフロー:137億ドル、売上高の46%。

    • 第4四半期売上高見通し:348億ドル。

    • 第4四半期AI半導体売上高見通し:217億ドル。

    番組でタンCEOが示した長期予想は、2027年度のAI売上高1,150億ドル、2028年度2,300億ドルです。2年間の合計は約3,450億ドルとなり、2028年度にはEPS30ドル超を見込んでいます。これは会社側の予測であり、確定した受注売上ではありません。

    成長の中心は、特定顧客のAI処理に合わせて共同設計するカスタム半導体「XPU」です。GPUは幅広い用途に対応できますが、処理内容を限定できる大口顧客では、XPUが性能や消費電力、総コストで有利になる場合があります。タンCEOは、学習だけでなく推論の拡大が、この需要を長期化させると見ています。

    顧客は最先端AIモデルを開発する6社に集中しています。OpenAIやAnthropicのように企業価値は大きくても、データセンター建設に必要な現金が十分でない顧客には、ApolloやBlackstoneなどの資金提供者を結び付けると説明しました。Broadcomは半導体だけでなく、資金調達を含むインフラ形成にも関与しています。

    注意点は、売上予想が需要だけでは実現しないことです。土地、電力、データセンター建屋、最先端シリコン、基板、HBMのいずれかが不足すれば、導入時期は後ろ倒しになります。少数の大口顧客への依存と、外部資金による巨額設備投資もリスクです。

    タンCEOはAIを生産性向上の道具と位置づけ、安全策は必要でも、導入を止めずに並行して整備できると主張しました。クレイマーは長期的にBroadcomを評価し、現在の下落で割安感が強まったと見ています。ただし、荒い相場で一度に買うことまでは勧めていません。

    CrowdStrike:AIを止めるのではなく、稼働中に守る

    CrowdStrikeは約14%上昇し、この日のS&P500を主導しました。ジョージ・カーツCEOは、AI企業が自発的に安全確認の時間を取ること自体には反対していません。ただし、高性能モデルや中国製を含むオープンウェイトモデルはすでに広く存在し、「元に戻すことはできない」と説明しました。

    モデル開発時の安全策だけでは不十分です。企業内で動くAIエージェントは、ファイルを読み、認証情報を使い、外部サービスへ接続し、別のソフトを操作します。学習時に設定した制限があっても、稼働中の振る舞いが想定から外れる可能性があります。

    そのためCrowdStrikeは、AIエージェントの動作、ツール呼び出し、OSやファイルへのアクセス、通信を実行時に監視し、危険な操作を止める「ランタイム・セキュリティ」を重視しています。同社のFalcon Guardianは、この領域を狙う製品です。

    カーツCEOはAI悲観論には同調せず、過度な規制で米国の開発を遅らせれば中国に主導権を渡すと警告しました。クレイマーはCrowdStrikeとPalo Alto Networksの両方を高く評価していますが、両社を持てば十分で、似たサイバー銘柄を増やしすぎる必要はないとの姿勢です。

    Lyft:Waymoを競合ではなく供給者にする

    Lyft(LYFT)のデビッド・リッシャーCEOは、自動運転車を「贈り物」と表現しました。Waymoの自動運転配車がナッシュビルのLyftアプリで利用可能になり、Lyftは自社で車を開発するのではなく、既存の配車網へ自動運転車を組み込んでいます。

    Lyftが担うのは、利用者の獲得、需要予測、価格設定、乗降場所の調整、顧客対応、車両管理です。自動運転車は安全性の改善や保険費用の低下が期待できる一方、需要の少ない時間帯や地域を人間のドライバーが補えます。CEOは、約150万人のドライバー網と年間10億回規模の乗車データが、車両メーカーにとって価値になると説明しました。

    直近の公式決算では、2026年第2四半期のアクティブ利用者が前年同期比17%増の3,050万人、乗車回数が12%増の2億6,200万回。年間10億回超へ向かうペースです。売上高は18.4億ドル、グロスブッキングは55億ドルでした。

    番組では、過去に年間約3億ドルを失っていた状態から、現在は約10億ドル規模のキャッシュ創出へ改善したとも説明しました。また、United Airlines、DoorDash、Hilton、Chase Sapphire Reserveなどとの提携に関係する乗車が約3回に1回を占めるとしています。

    自動運転が普及しても、Lyftの役割がなくならないというのがCEOの主張です。ただし、これは提携先への交渉力、車両管理費、保険料、1回当たりの採算が維持されることが前提です。Uberとの競争も続くため、利用者増だけでなく利益とフリーキャッシュフローで検証する必要があります。

    通常の視聴者質問:Tesla

    Tesla(TSLA)を平均358ドルで保有する視聴者に対し、クレイマーは明確な買い増し判断を示しませんでした。株価の評価が難しいとし、「SpaceXがTeslaを買収すればよい」と冗談交じりに回答。具体的な買収計画を示した発言ではありません。

    Lightning Round

    SentinelOne(S)

    • 判定:慎重・買いは勧めない。

    • 回答:見方は変わらず、サイバーセキュリティではPalo Alto NetworksとCrowdStrikeを優先。両社を持つなら、さらに似た銘柄を加える必要はないとしました。

    Gemini Space Station(GEMI)

    • 判定:投機枠なら保有容認。

    • 回答:ウィンクルボス兄弟の経営力を評価。暗号資産関連として株価が低すぎる可能性があり、5年保有するなら見守ってよいと回答しました。中核資産向けの評価ではありません。

    Aveanna Healthcare(AVAH)

    • 判定:強気・保有継続。

    • 回答:決算と事業モデルを評価し、そのまま保有するよう勧めました。

    Energy Transfer(ET)

    • 判定:強気。

    • 回答:NYSEからTexas Stock Exchangeへ主市場を移す計画は、事業価値を損なうものではなく見た目の問題だと説明。強い買い判断を維持しました。移行予定日は2026年10月5日で、ティッカー「ET」は変わりません。

    CoreWeave(CRWV)

    • 判定:保有、買い増しは待つ。

    • 回答:事業には前向きで、これ以上売る必要はないと回答。一方、ATM方式による株式売却を嫌い、追加購入はさらに株価が下がるまで待つよう勧めました。資金調達による希薄化と、大口顧客への依存が監視点です。

    Reformation(REF)

    • 判定:保留・調査待ち。

    • 回答:企業の発想には関心を示しましたが、アパレル業界全体が弱いため即答せず、調査してから判断するとしました。7月30日に15ドルで上場したばかりで、最初の決算だけでは評価を固めない姿勢です。

    Hewlett Packard Enterprise(HPE)

    • 判定:保有容認、業界内ではDellを優先。

    • 回答:アントニオ・ネリCEOと事業能力は評価しましたが、比較するならDell Technologies(DELL)を選ぶと回答しました。

    • 補足:質問者はHPEをポートフォリオの20%保有。仮に株価が30%下がると資産全体を約6%、50%下がると約10%押し下げます。銘柄評価が強気でも、単一銘柄への集中リスクは別に管理する必要があります。

    番組最後:AI業界が失いつつある「信頼」

    クレイマーは、AI業界の最大の問題を技術そのものより説明不足だと批判しました。当初は病気の治療や単純労働からの解放を強調していた企業が、今度は環境、雇用、人命への危険を語り始めれば、地域住民や投資家の信頼は失われます。

    データセンターが電力料金、水資源、騒音、雇用にどのような影響を与えるのかを事前に説明せず、税優遇だけを得て建設を進めたことも反発につながりました。Meta Platforms(META)が職業訓練や地域社会向けの行動規範を示した点は評価しましたが、対応は遅かったとしています。

    クレイマーは、AI企業自身が速すぎると考えるなら自発的に減速すべきで、政府へ業界全体の制限を求めるべきではないと主張しました。規制が既存大手を守る参入障壁になり得るためです。

    必要なのは、AIエージェントの実行時セキュリティと、データセンターが地域へ与える電力・水・インフラ負担への具体的な補償です。原子力発電が事故や広報の失敗によって長く停滞したように、AIも社会的な信頼を失えば、技術力だけでは建設や普及を続けられないという警告で締めくくりました。

    銘柄別の投資判断

    以下は番組での姿勢を要約したものです。監視ポイントと見直し条件は、番組内容と公式資料から整理した補足で、クレイマーの直接発言ではありません。Lightning Roundの銘柄は上記に集約しています。

    Broadcom(AVGO):長期強気、段階購入

    • 理由:AI半導体の高成長、推論需要、強いキャッシュ創出力。

    • 監視:AI売上高、6社の導入時期、HBMと先端パッケージ、資金提供者を含む契約構造。

    • 見直し条件:2027~2028年度の売上計画が繰り返し後ろ倒しになり、利益・現金回収も伴わない場合。

    CrowdStrike(CRWD)/Palo Alto Networks(PANW):強気、重複保有に注意

    • 理由:AIエージェント普及が実行時防御の需要を拡大。

    • 監視:AIセキュリティ製品の契約増、ARR、利益率、競争による値下げ。

    • 見直し条件:新製品が既存契約の置き換えにとどまり、追加成長へつながらない場合。両社と他のサイバー株を重ねると、見かけほど分散されません。

    Lyft(LYFT):改善を評価、株価判断は中立寄り

    • 理由:利用者・乗車回数の増加、キャッシュフロー改善、Waymoとの提携。

    • 監視:1回当たりの採算、フリーキャッシュフロー、自動運転車の稼働率、Uberとのシェア競争。

    • 見直し条件:乗車回数が増えても利益率が改善せず、自動運転車の運営負担だけが増える場合。

    データセンター関連:短期は慎重

    • 理由:AI需要は強くても、金利、電力、建設許可、地域反発が導入時期を左右。

    • 監視:米10年債利回り、ハイパースケーラーの設備投資、電力契約、データセンターの稼働開始。

    • 見直し条件:需要予想は維持されても、稼働延期と資金調達コスト上昇が続く場合。

    日本人投資家向けまとめ

    • 「AI需要が強い」と「AI関連株を今すぐ買える」は別の判断。金利と導入時期を確認する。

    • Broadcomの2,300億ドル計画は魅力的だが、少数顧客、電力、HBM、外部資金という複数の前提がある。

    • AI普及は半導体だけでなくセキュリティ需要も生む。関連銘柄を増やすときは、同じテーマへの集中を点検する。

    • 自動運転は配車会社を直ちに不要にするとは限らない。利用者基盤、需給調整、車両管理の価値を利益で検証する。

    • 円で運用する投資家は、米長期金利上昇による株価下落に加え、為替変動も含めて購入量を決める。

    今回の持ち帰りは、AI開発の速度だけでなく、安全性、資金、電力、地域社会からの信頼まで含めて成長の持続性を判断することです。

    免責事項

    本記事は公開番組と資料の整理・解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。予測は実現を保証せず、情報や市場環境は変化します。投資判断はご自身の責任で行ってください。

    出典

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