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JNJの急落は買い場?電力株3社とACCVの見方|Mad Money 2026年10月13日

    半導体株が売られ、決算を発表したJohnson & Johnsonも大きく下落しました。今回のMad Moneyでクレイマーが繰り返したのは、株価の動きと会社の事業を分けて見ることです。

    電力関連3社のチャート、新規上場したAccelevationの成長と財務、プライベートクレジットへの懸念も取り上げました。好調な需要があっても、買う価格、利益の質、借入、換金のしやすさは別々に確認する必要があります。

    今回のポイントは3つ

    • 半導体株の下落だけで、需要まで弱くなったとは判断しない。 クレイマーは端末やデータセンターでの実際の用途、Micronの長期契約を重視しました。ただし、短期の底打ちは断定していません。

    • JNJは医薬品の成長を評価し、下落後の買いに前向き。 MedTechの弱さは認めながら、通期予想の引き上げを支持。調整後利益と、訴訟関連費用などを含むGAAP利益には大きな差があります。

    • 電力株とACCVは、成長期待の中身が異なる。 電力株3社では条件付きのチャート目標を紹介。ACCVは高成長でも、顧客集中、借入、大株主の支配力を理由に、まず監視する判断でした。

    半導体――指数の値動きと、チップの使い道を分ける

    この日はダウが約180ドル下落し、S&P500は約0.02%安、ナスダックは約0.15%高でした。クレイマーは、原油高と金利上昇が株式市場を抑えていると見ています。銀行決算でも、Wells Fargo(WFC)の成長や費用管理を評価しながら、株価には十分に反映されていないと話しました。

    半導体では、SMHが直近6日で約7.22%下落したと紹介。韓国のメモリー株への売りが米国へ波及し、個別企業の違いが見えにくくなっているという見方でした。

    ただし、クレイマーは連日の下落からすぐに大きく反発すると決めつけていません。過去にも半導体株の下落は長く続いた一方、売りが一巡したあとには大きな回復があったと振り返っています。

    実際の需要の例として挙げたのが、Appleの端末や家庭向け機器です。便利なAI機能を動かすには、メモリーや計算能力が必要になります。Appleの株価にも前向きな姿勢を示し、Micron、Intel、AMDの需要を、株価の弱さだけで否定すべきではないとしました。

    Micronの長期契約は、需要を考える材料

    中国メーカーとの競争に関する懸念に対し、クレイマーは顧客の信頼や長期契約を重視しました。会社の9月末の説明では、戦略的顧客契約(SCA)は26件で、2030年までの想定売上の35%超をカバーするとしています。2031年まで延びる契約もあります。

    契約数量に対する購入または支払い義務を設ける「take-or-pay」の仕組みは、需要と供給計画の見通しを立てる材料です。ただし、売上全体が固定されるわけではなく、価格の決め方も契約によって異なります。

    クレイマーの結論は、半導体指数だけを見て売買する前に、チップがどこで使われ、顧客が何を必要としているかを見ることでした。長期需要への評価と、短期の株価の底値は分けています。

    電力株3社――上値抵抗を超えられるか

    「Off the Charts」では、Bob Lang氏がBloom Energy、GE Vernova、Vistraを分析しました。データセンターの電力需要を背景に、夏の高値から調整した銘柄が再び上昇できるかを見るコーナーです。

    出来高、200日移動平均線、RSI、MACDなどに加え、値動きの収束を捉えるTTM Squeezeも紹介しました。以下の価格は番組時点のチャート解釈に基づく、条件付きの目標です。

    • Bloom Energy(BE):300ドル突破が焦点
      高値と安値を切り上げる動きや、上昇後の持ち合いを評価。Lang氏は300ドルを上抜ければ400ドルを視野に入れるとしました。ただし、番組ではMACDがまだ買いシグナルを出していない点にも触れています。

    • GE Vernova(GEV):1080ドル突破後の上値に注目
      200日移動平均線付近からの反発と出来高を評価し、1080ドルを超えれば1300ドルを目指せるという見方です。クレイマーも保有企業として支持しつつ、大幅上昇時には利益確定を考えると話しました。

    • Vistra(VST):170ドルが上値抵抗
      急伸後の価格を維持し、200日移動平均線を上回った動きを評価。170ドルを超えれば220~240ドルを視野に入れるとしました。

    いずれも、抵抗線の突破を前提にしたシナリオです。会社の業績予想や、到達が確定した価格として読むものではありません。クレイマーも、中間選挙を前にしたデータセンター建設への政治的な反発を意識していました。

    JNJ――医薬品の強さとMedTechの弱さ

    Johnson & Johnson(JNJ)は決算後に約5.7%下落しました。クレイマーは、株価が長く上昇してきたため、良い決算でも売られる可能性を事前に警戒していたと説明しています。それでも、長期の投資理由は変わらないという判断でした。

    2026年第3四半期の主な数字は次の通りです。

    • 売上高:約254億ドル、前年同期比5.9%増。 為替の影響を除いた成長率は6.0%でした。

    • 調整後EPS:2.59ドル、前年同期比7.5%減。 この数字にも買収・提携に関する費用の影響が含まれます。

    • GAAPのEPS:0.09ドル。 タルク訴訟の和解案に関する特別費用、Firefly Bioの買収などが影響しました。

    調整後EPSだけを見て、訴訟や買収の負担がなくなったと判断することはできません。一方、利益の減少を、主力薬の需要悪化だけで説明するのも適切ではありません。

    TREMFYAとICOTYDEへの期待

    クレイマーは、医薬品部門、とくに免疫分野を評価しました。TREMFYAはStelaraの特許切れによる影響を補う成長源として注目しています。

    会社はTREMFYAが年間売上100億ドル超の事業になり得るという見方を示しました。これは経営陣の将来への期待であり、達成済みの売上ではありません。

    内服薬ICOTYDEについても、会社は米国で治療を始めた患者が2万人超に達したと説明しました。クレイマーは市場拡大に期待しています。がん領域や神経科学の成長も評価し、医薬品全体には弱い点より強い点が多いとしました。

    MedTechには改善が必要

    医療機器では、心血管や手術関連の弱さが課題でした。中東での販売への影響や中国の価格圧力も取り上げ、会社側の改善が必要な部分として扱っています。

    整形外科事業DePuy Synthesについては、売却よりも分離へ進み、来年半ばの実施を想定するという説明が番組で紹介されました。買い手が見つかることを期待した投資家には、失望材料になったという見方です。分離はまだ完了していません。

    通期見通しは、7月末の更新予想から上方修正

    会社は通期売上高予想の中央値を1012億ドル、調整後EPSを11.05~11.15ドルへ引き上げました。EPSの中央値は11.10ドルで、7月末の更新予想から0.06ドル増えています。

    クレイマーは、番組時点で当年の予想利益に対してPERが約22倍強、翌年予想では約20倍、配当利回りは約2.2%と説明しました。これらは番組時点の株価と予想に基づく目安です。

    医薬品の成長と、12月8日の投資家向け説明会への期待から、下落後の購入に前向きでした。ただしMedTech、訴訟関連の負担、買収・提携後の利益への貢献は、引き続き確認する部分です。

    Accelevation――高成長でも、IPOの資金の流れを見る

    Accelevation Holdings(ACCV)は、データセンター内の電気接続、冷却関連設備、ケーブルなどを支える構造物を設計・製造・設置する企業です。クレイマーは、前回の質問を受けて調査した結果を紹介しました。

    同社は9月30日に上場し、公募価格は18ドルでした。会社の発表では、3000万株のうち会社が売り出した新株は1000万株、残る2000万株はOlympus Partners関連の既存株主による売り出しです。既存株主の売却代金は会社の資金にはなりません。

    クレイマーは、上場後の株価が約15ドルまで下がったことに加え、この資金の流れを警戒しました。

    成長率は高いが、利益と現金化には課題

    番組では、2025年の売上が約4.48億ドルで147%増、2026年上期も約176%増と紹介しました。受注残も6月末に約11億ドルへ拡大しています。

    一方、クレイマーは次の点を挙げました。

    • 顧客集中。 上位2顧客で前年売上の6割超を占め、特定顧客の投資計画に影響されやすい構造です。

    • 工事の採算。 人件費や移動費、作業の非効率が粗利益率を圧迫。売上が増えても、費用超過で利益が伸びない可能性があります。

    • キャッシュフロー。 上期はGAAPで黒字でも、未請求の工事などが資金を吸収し、フリーキャッシュフローはマイナスでした。

    必要な設備をまとめて提供できる事業は評価していますが、需要の増加を安定した利益と現金に変えられるかは、別の確認が必要という見方でした。

    借入、大株主への分配、IPOによる返済

    クレイマーがとくに懸念したのは、IPO前に借入を増やして既存株主へ分配し、その後のIPO資金を借入返済へ回す順序です。

    番組では、6月の追加借入を約3.46億ドル、既存株主への分配を約2.994億ドル、IPOの引受手数料控除後の調達額を約1.71億ドルと説明しました。上場後の取引も考慮すると、借入は約5億ドル残るというのがクレイマーの見積もりです。

    また、Olympus Partnersが上場後も議決権の約85%を握る点を警戒しました。CEOの自己資金による株式購入は評価しながら、それだけで支配構造への懸念が消えるとはしていません。

    判断は監視。実績ある企業を選好

    クレイマーは、高い成長率を考えれば、利益や売上に対する倍率だけで割高とは判断していません。それでも、Vertiv(VRT)やEaton(ETN)など、業績への信頼を持てる企業を選好しました。

    データセンターの設備投資が続いても、競争、冷却方式の変化、工事の遅延や費用超過は残ります。中間選挙後まで様子を見る考えも示し、ACCVはまず監視リストに置いて、経営陣が成果を出せるかを見るという結論でした。

    視聴者からの質問――ROST・TJXとPANW

    • Ross Stores(ROST)・TJX(TJX):Rossの経営改善を認め、TJXの回復にも期待
      Jim Conroy氏が率いるRossの成果を評価。クレイマーは長く支持するTJXの立て直しを期待しつつ、自分の好みと実際の成果を分けて受け止めました。

    • Palo Alto Networks(PANW):強気
      AIの普及でサイバーセキュリティの重要性が増すという見方です。視聴者は保有比率が約10%になったと相談しましたが、具体的な売却割合の指示は出していません。

    Lightning Round――銘柄判断を短く整理

    • Waste Connections(WCN):Waste Management(WM)を選好
      WCNでの経営陣の買いよりも、WMへの事業評価を重視しました。

    • Element Solutions(ESI):保有継続を支持
      Solsticeとの統合計画が解消されたあとも、見切る判断は示しませんでした。

    • SailPoint(SAIL):慎重ながら、極端な悲観論には疑問
      会社への積極的な好意は示さず、倒産などの懸念が現実になったかは分けて見る姿勢でした。

    • IREN(IREN):CoreWeave(CRWV)を選好
      ネオクラウドではCoreWeaveを信頼すると回答。IRENとAnthropicの契約については、番組でも確定情報として扱っていません。

    • Starwood Property Trust(STWD):見送り
      投資結果への評価は厳しく、保有したいとはしていません。配当の安全性を保証する回答でもありませんでした。

    • Penguin Solutions(PENG):買いに前向き
      投機的な人気を認めながら、実際の事業があることを評価しました。

    • MasTec(MTZ):買いに前向き
      大幅下落を受けても購入を支持し、経営陣との対話にも関心を示しました。

    プライベートクレジット――危機への見方は和らいでも、換金リスクは残る

    最後は、ソフトウェア株の回復と、未上場企業などに貸し付けるプライベートクレジットの関係です。

    クレイマーは、AIが企業向けソフトウェアを壊すという懸念が、そこへ融資するファンドにも広がったと振り返りました。しかし、Salesforce、Veeva、Workdayなどの株価と事業が持ち直したことで、広範な崩壊を想定する見方は強すぎたのではないかとしています。

    Blackstoneの幹部らが資金を投じた判断も、結果的に安い時期の投資だった可能性があると評価しました。ただし、これはクレイマーの見方で、ファンドの購入推奨はしていません。

    また、上場ソフトウェア株が上がることと、未上場企業への貸付が安全で、いつでも換金できることは別です。BCREDの9月3日の通知では、第3四半期の買い戻し希望が発行済株式の約10%に対して、対応予定は5%でした。

    クレイマーは「危機」から「懸念」へ表現を和らげましたが、借り手の信用、評価額、金利、出金制限の問題は残ります。株価の回復だけで、こうしたリスクまで解消したと読むことはできません。

    ※本記事は番組内容の要約と公開資料による補足です。銘柄判断はクレイマーや番組出演者の見解で、個別の投資を推奨するものではありません。

    出典・参考資料

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