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LEVIは回復できる?STZ・VeevaとSpaceXの評価を考える|Mad Money 2026年10月7日

    Levi’sの販売は持ち直しているのか。Constellation Brandsの株価反発は、酒類需要の底打ちを示しているのか。今回のMad Moneyでは、決算の数字だけでは見えにくい「足元の変化」が焦点になりました。

    一方、クレイマーは国債入札と企業の資金調達にも注目しています。AI関連企業に資金が集まるなか、従来型の企業は金利や消費の弱さを意識せざるを得ない、という見方です。VeevaとSpaceXについても、成長への期待と、実際に確認できる業績を分けて整理します。

    今回のポイントは3つ

    • 金利と資金調達の条件が、株価を左右する。 国債利回りは株式との比較対象になるだけでなく、企業の借入コストにも影響します。クレイマーは、AI関連とそれ以外で資金の集まり方に差が出ていると見ています。

    • LEVIとSTZは、改善の中身を確認したい。 Levi’sは直販の回復が焦点。ただし利益には関税還付が含まれます。STZは決算後に反発しましたが、ビールの出荷増と需要回復は同じではありません。

    • VeevaとSpaceXは、将来への期待が評価の中心。 Veevaでは業界特化のAI、SpaceXでは計算資源の貸し出しが話題になりました。導入予定、長期目標、資金調達計画を、実績と混同しないことが大切です。

    国債入札が再び重要に――AI企業と従来型企業の違い

    この日はダウが約341ドル下落し、S&P500とナスダックもともに約0.22%下げました。クレイマーは、国債入札の結果を見てから株を買っていたヘッジファンド時代を振り返り、いまも債券市場を軽視できないと話しました。

    今回の入札は極端に悪い内容ではなかったものの、株式市場を押し上げるほど強くもなかった、という評価です。国債で一定の利回りを得られるなら、投資家が株式に求める収益も高くなります。さらに、借入コストの上昇は企業の利益や設備投資を圧迫します。

    住宅、自動車、小売、金融、娯楽など、信用や消費動向の影響を受ける事業では、この問題が重くなります。高い配当や社債の利回りがあっても、業績悪化による株価下落や信用リスクまで解消されるわけではありません。

    対照的に、クレイマーはAIインフラを担う企業には資金が集まりやすいと見ています。SpaceXによるNVIDIA製チップ購入向けの大規模な資金調達構想を、その例として挙げました。ただし、これはAI企業全般が金利の影響を受けないという意味ではありません。番組ではOracleの巨額の借入には警戒を示しています。

    Levi’s――直販の失速は一時的なのか

    Levi StraussのMichelle Gass CEOへのインタビューでは、米国と欧州の直販事業の課題、そして9月以降の改善が中心になりました。

    2026年度第3四半期の売上高は16.10億ドルで、前年同期比4%増。為替などの影響を除いたオーガニック成長率は5%でした。卸売は6%増だった一方、店舗とオンラインを含むDTC(消費者への直接販売)は2%増にとどまりました。

    調整後EPSは0.48ドルで、前年の0.34ドルから増加しています。ただし、ここには関税還付による1株当たり0.16ドルの押し上げが含まれます。再投資による費用増0.05ドルを差し引いた純効果は0.11ドル。利益の伸びを、そのまま通常の事業の改善と読むのは慎重でありたいところです。

    会社は通期の調整後EPS予想を1.54~1.56ドルへ引き上げました。従来予想は1.46~1.52ドルです。

    米国の広告と欧州の天候が課題に

    Gass CEOは、米国の新学期商戦で広告の打ち出し方に問題があったと説明しました。ゆったりしたシルエットを前面に出した一方、顧客が求めていたローライズなどの商品を十分に訴求できなかったということです。

    必要な商品がなかったわけではなく、売り方の修正が必要だった、という整理でした。会社は広告の配分を見直し、関税還付で得た資金の一部もマーケティングなどに振り向けています。

    欧州では暖かい天候が店舗販売に響きました。それでも卸売は堅調で、気温が下がれば店舗販売も改善するとCEOは見ています。番組では、9月の世界全体のDTCが1桁台半ばの伸びとなり、米国もプラスに転じたと説明しました。会社の第4四半期のDTC見通しも、1桁台半ばの成長です。

    9月の実績と、これからの四半期の予想は分けて読みたいところです。

    中国と価格帯の広さにも注目

    CEOは中国の売上が13%伸びたと説明しました。世界共通の定番商品に現地の需要を組み合わせ、店舗や品ぞろえを見直したこと、ROSÉを起用したマーケティングなどを挙げています。

    価格帯の広さも話題になりました。手頃なSignature、主力のRed Tab、高価格帯のBlue Tabを展開し、異なる購買力の顧客を取り込もうとしています。Beyond Yogaも、デニム以外の成長を支える事業として紹介されました。

    クレイマーは、会社自身が実行面の問題を認め、修正に動いていることを評価しました。消費者の弱さだけで説明するのではなく、商品と広告の組み合わせを直せば回復できる、という見方です。株価にはその改善が十分に織り込まれていないとして、前向きな姿勢を示しました。

    今後の確認点は、9月の回復が続くか、直販が卸売に追いつくか、還付のような一時的な要因を除いて利益が伸びるか、です。

    Constellation Brands――反発したが、底打ちの断定には早い

    Modelo、Corona、Pacificoなどを持つConstellation Brandsは、決算直後に売られたあと、説明会を受けて反発しました。クレイマーによると、寄り付き前には7%超下落していた株価が、この日は2%超の上昇で終えています。

    新CEOのNicholas Fink氏の説明が、投資家の受け止め方を変えたという見方でした。健康志向や飲酒習慣の変化、移民政策を巡る不安など、酒類需要を取り巻く環境は依然として厳しいものの、決算は市場が恐れていたほど悪くなかったと評価しています。

    2027年度第2四半期の売上高は約6%増、比較可能ベースのEPSは3.74ドルでした。ただし、ビールの数字には重要な違いがあります。

    • メーカーから卸への出荷:5.5%増。 卸の在庫補充も増加に寄与しました。

    • 卸から小売への販売(depletions):0.6%減。 出荷ほど最終需要が強くなったとは読めません。

    ブランド別では、Modelo EspecialとCorona Extraが弱い一方、Pacificoは19%増、Victoriaは15%増でした。ビール事業全体の売上は約5%増、営業利益は約1%増。市場シェアを伸ばしていても、業界全体の需要が強いとは限らないことが分かります。

    ワイン・蒸留酒では出荷が15.4%増、売上が約17%増となり、営業利益は610万ドルの小幅黒字でした。弱かった部門にも改善の兆しはありますが、持続性を確認する段階です。

    見通し据え置きとRTDブランドの買収

    会社が据え置いた通期の比較可能ベースのEPS予想は11.20~11.90ドルです。GAAPのEPS予想は別に更新されており、すべての予想が据え置かれたわけではありません。

    経営陣は、9月の傾向が続けば予想レンジの上側を目指せるという趣旨の説明をしました。これは正式な上方修正ではなく、条件付きの見方です。

    また、10月6日には、ウォッカを使ったRTD(すぐ飲める酒類)ブランドSpikedAdeの買収を完了しました。取得時の支払いは7500万ドルで、今後5年間の業績などに応じた追加支払いは最大2.78億ドル。追加分まで確定した買収代金として扱わないことが大切です。

    クレイマーは、決算前より評価を改善させました。ただし、「もう最悪期を脱した」と断言するには早く、強く買いを勧める段階にはないという立場です。株価が下がって割安に見えることと、需要の回復が確認できることは別の問題としていました。

    Veeva――AIで置き換わる側か、AIを提供する側か

    Veeva SystemsのPeter Gassner CEOへのインタビューでは、AIの普及がソフトウェア企業に与える影響がテーマでした。

    顧客がAIを使って自分でソフトウェアを作れるようになれば、既存のSaaSが不要になるのではないか。こうした懸念に対し、Gassner CEOは医薬品業界の特殊性を強調しています。

    Veevaが扱うのは、臨床試験、薬事申請、安全性、品質管理、製薬会社の営業活動などです。機密情報や規制対応を含む業務では、画面や機能を作れるだけでは足りません。データの正確さ、業務手順、監査への対応が必要になるため、業界に特化した基盤に価値がある、という説明でした。

    製薬業界向けのVault CRMも話題になりました。会社の第2四半期決算資料では、180社が稼働し、世界の大手製薬20社のうち12社が世界的な導入にコミットしているとしています。業界全体で採用を広げられるかが成長の焦点です。

    Falconと、2030年の長期目標

    新しいFalconは、医薬品開発の業務をAIエージェントで支援する構想です。臨床、薬事、安全性などの作業を効率化し、人が研究や判断に使える時間を増やすことを目指しています。

    ただし、会社が示した初期導入企業向けの提供予定は2026年11月です。今回の話は、すでに広く普及したサービスの実績ではなく、これからの導入と収益化に関する期待として読む必要があります。

    小規模なバイオ企業向けのVeeva Basicsも紹介されました。標準化した業務手順を使い、導入や運営の負担を抑える仕組みです。大手企業だけでなく、新興企業にも顧客層を広げようとしています。

    実際の業績では、2027年度第2四半期の売上高は9.28億ドルで、前年同期比18%増。会社の2030年の目標は、年率換算売上高60億ドルです。これは現在の通期売上高でも、達成済みの数字でもありません。

    クレイマーは、VeevaをAIによる置き換えを恐れるだけの会社として扱うべきではないと評価しました。業界のデータと業務に深く入り込むことで、AIを提供する側にも回れるという見方です。その評価を確かめるには、既存事業の成長に加え、新サービスの採用が売上につながるかを見ていくことになります。

    視聴者からの質問――WDC、VRT、CMG

    • Western Digital(WDC):Micron(MU)を選好
      クレイマーは、より詳しく理解しており、割安だと見ているMicronへの乗り換えに前向きでした。

    • Vertiv(VRT):押し目買いに前向き
      AIデータセンターの冷却・電力設備需要と受注を評価。GE Vernovaにも言及し、電力インフラに関わる実際の事業として支持しました。

    • Chipotle Mexican Grill(CMG):約30ドルでは買いに前向き
      Scott Boatwright CEOを評価しています。外食全体にはガソリン価格や家計の負担という逆風があるものの、同社への見方は前向きでした。

    Lightning Round――銘柄判断を短く整理

    • MiniMed Group(MMED):見送り
      同社よりもMedtronic(MDT)を選好すると回答しました。

    • ResMed(RMD):見送り
      現時点で強く引かれる材料がなく、買いに動く姿勢は示しませんでした。

    • L3Harris Technologies(LHX):段階的な買いに前向き
      下落した株価には関心を示しましたが、底値を言い当てられるとはしていません。

    • GigaCloud Technology(GCT):投機的な銘柄として扱う
      値動きが大きく、強い確信を持って勧める銘柄とは分けていました。

    • Archer-Daniels-Midland(ADM):強気
      農業関連の出番が来ているという見方で、Deere(DE)も評価しました。

    • Babcock & Wilcox(BW):少額の投機には前向き
      大きな下落を経た銘柄として関心を示しつつ、多額を投じることには慎重でした。

    このほか、初めて聞く銘柄への質問には、追加調査をしてから回答するとしました。

    SpaceX――目標株価の引き上げをどう読むか

    最後は、アナリストの目標株価とSpaceXの評価についてでした。クレイマーは、株価を追いかけて目標株価を変えるだけのレポートには慎重です。一方、事業や利益の見通しを具体的に分析した変更には、読む価値があるとしています。

    今回評価したのは、Goldman SachsがSpaceXの買い推奨を維持し、12カ月の目標株価を220ドルから230ドルへ引き上げたというレポートでした。株価の動きに合わせた大幅な修正ではなく、事業への見方を少し更新した点に信頼を置いています。

    成長への期待として取り上げたのは、AnthropicやGoogleなどへの計算資源の貸し出しです。宇宙事業に加え、AI向けインフラを収益に変える可能性を評価しました。

    番組では、NVIDIAのチップ購入に向けて400億ドルを借り入れる計画が報じられたことにも触れています。これは資金調達を完了したという話ではありません。設備を増やせば、それを使う顧客、稼働率、収益性も重要になります。

    補足すると、SpaceXの第2四半期の公表資料では、売上高は78.14億ドルだった一方、純損失は5.41億ドルでした。成長や調整後の利益指標への期待と、最終利益の黒字化は分けて見る必要があります。

    クレイマーは、これまで自身の慈善信託には適さないとしていたSpaceXについて、採用を検討する方向へ姿勢を変えました。番組内で購入を済ませたと発表したわけではありません。230ドルという目標株価も、アナリストの予測であり、到達を保証する数字ではありません。

    ※本記事は番組内容の要約と公開資料による補足です。銘柄判断はクレイマーの番組内の見解で、個別の投資を推奨するものではありません。

    出典・参考資料

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