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SpaceXは今買うべきか?ロックアップ解除前に待つ理由|Mad Money 2026年7月28日

    今回の結論は、SpaceXは少額なら検討できるものの、本格的な購入は初決算とロックアップ解除後まで待ちたいというものです。市場では、MicronやSanDiskなど急騰してきたAI関連株から、航空宇宙、生活必需品、医薬品、鉄鋼、建材株へ資金が移動しています。クレイマーは、業績が好調でも「放物線を描いて上昇した株」の急落を安易に買わないよう警告しました。

    今回の要点3つ

    1.AI・半導体株から幅広い業種へ資金が移動

    機関投資家は、データセンター関連に集中していたポートフォリオを見直し始めています。資金はBoeing、Coca-Cola、Walmart、医薬品、ソフトウェア、建材株などへ広がりました。

    2.SpaceXは初決算よりロックアップ解除に注意

    SpaceXは高値から約半値まで下落し、株価の割高感は薄れつつあります。ただし、8月4日の初決算に続いて大量の株式が売却可能になるため、クレイマーは大きく買うのを待つよう求めました。

    3.好決算でも下がる「放物線銘柄」を追わない

    Micron、Western Digital、Seagate、SanDiskなどは、事業環境が好調なまま株価が急落しました。クレイマーは、放物線状に上昇した株は業績悪化より先に天井を付けることがあると指摘しています。

    番組全体の流れ

    AI・半導体株から始まった「大規模な資金移動」

    何が語られたか

    7月28日の米国市場は、ダウ平均が537ドル、約1.0%上昇しました。S&P500も約0.2%上昇した一方、ナスダック総合指数は約0.2%下落しています。

    数字だけを見ると小幅な値動きですが、内部では大きな資金移動が起きていました。

    機関投資家は、データセンターや半導体関連株を売却し、次のような銘柄へ資金を移しています。

    • 航空宇宙のBoeing

    • 小売りのCostcoとWalmart

    • 飲料のCoca-ColaとPepsiCo

    • 医薬品・ヘルスケア

    • 素材・建材

    • 売り込まれていたソフトウェア株

    クレイマーの見方

    クレイマーは、この動きを単なる一日の循環物色ではなく、投資家がAIへの集中を減らすためのポートフォリオ再編と捉えています。

    AI需要がなくなったわけではありません。問題は、AI・データセンター関連株の多くが急騰し、好材料を大幅に織り込んでしまったことです。

    2000年前後にも、テクノロジー株から成長性の残る非テクノロジー株へ資金が移動しました。そのため、今回の動きには当時と似た部分があると警戒しています。

    背景解説

    同日のS&P500では、ヘルスケア、生活必需品、素材株が上昇しました。一方、半導体株指数は大きく下落しています。

    これは「株式市場全体から資金が逃げている」というより、AI関連に偏っていた資金が別の成長分野へ移動している状態です。

    投資家が見るべきポイント

    • 半導体株が好決算後も上昇できるか

    • ヘルスケア、素材、生活必需品への資金流入が続くか

    • 大手クラウド企業のAI設備投資

    • FRBの政策金利と長期金利

    • 原油価格の低下が消費・建設株を支えるか

    Micron・SanDiskなどの急落は買い場なのか

    何が語られたか

    データセンターの拡大によって、メモリーとデータ保存装置の需要は急増しました。

    番組で取り上げられたのは次の企業です。

    • Micron Technology(MU)

    • SanDisk(SNDK)

    • Western Digital(WDC)

    • Seagate Technology(STX)

    • SK hynix

    • Samsung Electronics

    供給不足によって価格決定力が高まり、各社の株価は大幅に上昇しました。しかし、主要銘柄は6月に高値を付けた後、急落しています。

    重要なのは、製品価格や需要がまだ明確に悪化していない点です。

    クレイマーの見方

    クレイマーは、メモリー・ストレージ関連株が業績悪化を先取りしている可能性を指摘しました。

    これらの業界は、供給不足で価格が上昇する局面と、供給過剰で価格が崩れる局面を繰り返してきました。株価は実際の業績より早く転換する傾向があります。

    中国メーカーの生産拡大によって、欧州やアジアの顧客が韓国・米国メーカーへの発注を減らす可能性も、仮説の一つとして挙げています。ただし、クレイマー自身も、これは確認された事実ではなく推測だと区別しました。

    背景解説

    Seagateは番組放送後に好決算を発表しました。

    2026年度第4四半期の売上高は約36億ドル、調整後1株利益は5.71ドルとなり、市場予想を上回りました。次の四半期についても、売上高約41億ドル、調整後1株利益7.30ドルという強い見通しを示しています。

    それでもクレイマーが注目したのは、決算発表直後の時間外上昇ではなく、翌日の通常取引でも買いが続くかどうかです。

    好決算を受けても上昇を維持できなければ、その銘柄の問題ではなく、メモリー・ストレージ株全体から資金が離れている可能性があります。

    投資家が見るべきポイント

    • Seagateが好決算後の上昇を維持できるか

    • Micron、SanDisk、Western Digitalへの連鎖的な買い戻し

    • DRAM、NAND、HDDの販売価格

    • 中国メーカーの生産能力

    • 大手クラウド企業からの受注

    • 在庫日数と設備投資計画

    Intuitive Surgicalは下がったから買えるのか

    視聴者からIntuitive Surgical(ISRG)について質問がありました。

    同社は、手術支援ロボット「da Vinci」を開発・販売しています。質問者は、新型da Vinci 5の設置台数が増えている点を評価していました。

    クレイマーは、株価が大きく下落したことで以前より魅力的になったと認めています。ただし、直近決算は手放しで評価できる内容ではなかったため、慎重な姿勢を維持しました。

    結論は、長期的な事業には魅力があるが、下落率だけを理由に急いで買わないというものです。

    医療ロボット市場の成長性に加えて、手術件数、システム設置台数、消耗品収入、病院の設備投資を確認する必要があります。

    SpaceXは今買うべきか

    何が語られたか

    SpaceX(SPCX)は上場後3日目に約225ドルまで上昇しましたが、その後はほぼ一直線に下落。一時107ドル付近まで売られ、高値からの下落率は約53%に達しました。

    ただし、7月28日は安値を付けた後に切り返しました。クレイマーは、この日中の反転を短期的には良い兆候と評価しています。

    クレイマーの見方

    クレイマーは、イーロン・マスク氏の長期的な実績と、Starlink事業を高く評価しています。

    株価下落によって、将来の利益予想に対する評価倍率も以前より現実的になりました。そのため、SpaceXを長期保有したい投資家が少額を買い始めることまでは否定していません。

    しかし、まとまった金額を投資するなら待つべきだと強調しました。

    理由は次の2つです。

    • 8月4日に上場後初の決算が予定されている

    • 決算後に最大約9億1,150万株がロックアップから段階的に解除される

    株式の流通量が急増すれば、業績が良くても需給悪化によって株価が下がる可能性があります。

    背景解説

    現在のSpaceXは、ロケットや衛星通信だけの会社ではありません。xAIを傘下に取り込み、AI事業も展開しています。

    主な事業は次のように分けられます。

    • ロケット打ち上げ・宇宙輸送

    • Starlinkによる衛星通信

    • ColossusデータセンターとGrok

    • 外部企業へのAI計算能力の提供

    • AIコーディングツールCursorを運営するAnysphereの買収計画

    SpaceXはGoogleとAnthropicにAI計算能力を提供する大型契約を獲得しています。両契約を合わせた年間売上規模は約260億ドルに達する可能性があります。

    ただし、契約には一定の条件下で90日前の通知により終了できる条項があります。そのため、将来収益としてどこまで安定的に計算できるかは不透明です。

    投資家が見るべきポイント

    • 8月4日の売上高・利益・キャッシュフロー

    • Google、Anthropicとの契約継続性

    • AI事業の利益率

    • Starlinkの契約者数と解約率

    • Starship開発の進捗

    • Cursor買収に伴う株式希薄化

    • ロックアップ解除後の売却量

    • Teslaとの統合・再編リスク

    建材株はAIからの分散先になるのか

    何が語られたか

    前日のCRH取材に続き、今回は米国の大手骨材メーカー2社が取り上げられました。

    • Vulcan Materials(VMC)

    • Martin Marietta Materials(MLM)

    骨材とは、道路や建物の基礎に使う砕石や砂利です。一見すると成長性の低い商品に見えますが、採石場の新設には長い許認可手続きが必要です。

    また、石は重く、遠距離輸送には高いコストがかかります。既存の採石場を持つ企業には、地域内で強い競争優位性があります。

    クレイマーの見方

    クレイマーは、VulcanとMartin Mariettaの下落を買い機会として注目しています。

    ただし、両社とも決算発表を控えているため、一度に買わず、下落時に段階的に購入することを勧めました。

    Vulcanは、事業構造が分かりやすく、骨材に集中した比較的低リスクな選択肢です。一方、Martin Mariettaは成長余地が大きいものの、大型買収によるリスクがあります。

    背景解説

    Martin Mariettaは、石灰・石灰石大手Lhoist North Americaを135億ドルで買収する契約を結びました。

    買収によって20カ所の採石・生産拠点と45カ所の物流ターミナルを獲得します。石灰は鉄鋼、半導体製造、水処理、環境対策、インフラ整備など幅広い分野で使用されます。

    一方、買収資金には約70億ドルの現金と約65億ドル相当の株式が使われる予定です。負債増加、株式希薄化、統合作業がリスクになります。

    投資家が見るべきポイント

    • Vulcanの7月29日決算

    • Martin Mariettaの7月30日決算

    • 骨材の販売量・販売価格

    • 採石・輸送に使う燃料費

    • 公共インフラ支出

    • 金利低下による住宅・建設需要の回復

    • Lhoist買収後の負債削減計画

    Sterling Infrastructureはもう買えるのか

    Sterling Infrastructure(STRL)について、クレイマーは優良企業だと評価しました。

    ただし、株価が放物線状に上昇した後の急落局面にあるため、すぐには買わず、さらに数日待つよう勧めています。

    事業が悪化したという判断ではありません。急騰後の需給調整がどこで止まるか分からないことを警戒しています。

    Nucorは「まだ始まったばかり」なのか

    何が語られたか

    鉄鋼大手Nucor(NUE)は、市場予想を上回る2026年第2四半期決算と強い第3四半期見通しを発表しました。これを受けて、株価は約7%上昇しています。

    第2四半期の調整後1株利益は4.84ドル。第3四半期については、鋼材価格と販売量の改善により、利益がさらに増加する見通しを示しました。

    番組にはレオン・トパリアンCEOが出演しました。

    CEOが語った内容

    トパリアンCEOは、Nucorでの約30年のキャリアの中でも、現在の需要環境は最も幅広く、力強いと述べました。

    需要を支えているのは次の分野です。

    • 軍事・防衛設備

    • データセンター

    • エネルギーインフラ

    • 非住宅建設

    • 送電塔・大型構造物

    • 断熱金属パネル

    多くの事業で、受注残が過去最高水準またはそれに近い状態にあると説明しています。

    また、ウェストバージニア州メイソン郡で進める約40億ドル規模の新工場など、現在の業績にまだ十分反映されていない投資案件もあります。

    クレイマーの見方

    クレイマーは、Nucorを米国製造業回帰の中心銘柄として強く評価しています。

    番組内では、鉄鋼・アルミニウム輸入品への50%関税によって、海外企業による安値販売が抑制され、米国内メーカーが適正な収益を得やすくなった点も議論されました。

    ただし、Nucor株は過去12カ月で大幅に上昇しています。事業環境は強いものの、短期的な過熱感や鉄鋼価格の反落には注意が必要です。

    主要銘柄の深掘り

    SpaceX(SPCX)

    評価:やや強気。ただし大きな購入は待つ

    最大の成長材料は、Starlink、AI計算能力の外部提供、Starship、Cursor買収です。

    一方、ロックアップ解除、AI契約の解約条項、買収による希薄化、イーロン・マスク氏への経営依存が大きなリスクです。

    日本人投資家は、決算とロックアップ解除をまたいで一括購入せず、検討する場合でも少額から始めたい銘柄です。

    Seagate Technology(STX)

    評価:判断保留

    決算と会社見通しは非常に強い内容でした。しかし、クレイマーは「好決算なら必ず株価が戻る」とは考えていません。

    翌日以降も上昇を維持し、MicronやSanDiskにも買いが波及するかを確認する必要があります。

    Vulcan Materials(VMC)

    評価:やや強気

    地域独占性の高い採石場、価格決定力、インフラ需要が強みです。今回取り上げられた建材株の中では、比較的分かりやすい事業構造を持っています。

    ただし、予想利益に対する評価倍率は低くありません。決算後の株価水準を確認してから検討したい銘柄です。

    Martin Marietta Materials(MLM)

    評価:やや強気。ただし買収リスクあり

    Lhoist North Americaの買収が成功すれば、骨材だけでなく、鉄鋼、半導体、水処理などへ事業を広げられます。

    最大リスクは、135億ドルという買収規模です。負債、株式発行、統合費用を考慮し、Vulcanより高いリスクを受け入れる必要があります。

    Nucor(NUE)

    評価:強気。ただし株価水準に注意

    米国製造業回帰、輸入減少、データセンター、送電網、防衛需要が追い風です。強固な財務基盤と多様な鋼材製品も強みです。

    一方、鉄鋼は景気循環の影響を受けます。需要が強い時期に設備投資を増やしすぎると、将来の供給過剰につながる可能性があります。

    Lightning Round

    Hims & Hers Health(HIMS)

    クレイマーの回答:慎重

    クレイマーはHims & Hersを「議論の多い銘柄」とし、ヘルスケア分野ならEli Lilly(LLY)を保有する方がよいと回答しました。

    番組内では、Hims & Hersを避ける詳しい理由は説明されていません。

    Arista Networks(ANET)

    クレイマーの回答:強気

    Arista Networksを「素晴らしい会社」と評価しました。

    データセンターへの依存はありますが、それだけに依存する企業ではないと説明しています。ジェイシー・ウラルCEOの経営も高く評価しました。

    決算をまたいで保有を続けることに肯定的な回答です。ただし、質問者はすでに取得元本分を売却しており、利益部分だけを保有している状況でした。

    Ross Stores(ROST)

    クレイマーの回答:強気

    Boot Barn(BOOT)の業績・株価低迷と比較し、Ross Storesを高く評価しました。

    Boot Barnを成長させたジム・コンロイ氏がRoss StoresのCEOに就任しており、クレイマーは会社と経営者の組み合わせを評価しています。

    番組から読み取れる市場テーマ

    1.AI相場の終了ではなく、集中投資の修正

    AI需要は依然として強く、Seagateの決算もそれを裏付けています。

    しかし、AI関連株だけに資金が集まる段階から、業績、株価水準、資金調達、需給を細かく選別する段階へ移っています。

    2.業績より先に株価が天井を付ける

    メモリーやストレージ企業の業績は好調です。それでも株価は大幅に下落しました。

    株価は将来の業績を先に織り込みます。現在の決算が良いことと、今から投資して利益が出ることは別問題です。

    3.インフラ投資の恩恵は半導体だけではない

    データセンターには、GPUだけでなく、鉄鋼、砕石、道路、送電設備、建物の基礎が必要です。

    Nucor、Vulcan、Martin Mariettaなどは、AI投資の恩恵を受けながら、防衛、道路、工場、エネルギーにも売上を分散できます。

    4.放物線型より階段型の上昇を選ぶ

    クレイマーは、急激な放物線を描く銘柄より、上昇と調整を繰り返しながら段階的に高値を更新する銘柄を好むと説明しました。

    放物線型の銘柄は上昇中には魅力的ですが、天井を付けると、好決算が出ても売却したい株主が次々と現れます。

    特に借入資金で購入した投資家は、反発局面で損失を減らすために売却しやすく、戻り売りが長期間続く可能性があります。

    日本人投資家向けまとめ

    今回もっとも重要だったのは、急落したAI・半導体株を「高値から安くなった」という理由だけで買わないことです。

    SpaceXも同様です。高値から約半値になりましたが、初決算と大量のロックアップ解除という大きなイベントが残っています。

    今後確認したい材料は次のとおりです。

    • Seagate好決算後のメモリー・ストレージ株の反応

    • SpaceXの8月4日決算とロックアップ解除

    • VulcanとMartin Mariettaの決算

    • Nucorの受注残と新工場の稼働

    • 大手クラウド企業のAI設備投資

    • FRBの金融政策と長期金利

    現時点では、次のように整理するとよいでしょう。

    • SpaceXは少額なら検討、本格購入は解除後まで待つ

    • Micron、SanDiskなどは底打ち確認を優先

    • Seagateは好決算後の値動きを確認

    • VulcanとMartin Mariettaは決算後の監視候補

    • Nucorは長期目線で経過を確認

    • 急騰後の銘柄を信用取引で買わない

    • AI関連への集中度を点検する

    優良企業であっても、放物線相場の崩壊直後は適正価格が分かりにくくなります。大きく下がった日に飛びつかず、数日から数週間かけて売り圧力の低下を確認することが大切です。

    免責事項

    本記事は、公開されている番組内容をもとに情報を整理・解説したものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記事内の情報は作成時点のものであり、その正確性や完全性を保証するものではありません。投資判断は、ご自身の責任で行ってください。

    出典

    元動画

    https://youtu.be/eopHJ75doAw

    補足資料

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